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2021.07.02 (最終更新日2022.03.15)

独立コレクションとなったパネライのサブマーシブル。その特徴とは?

独特の存在感と実用性の高さに加え、数多くのモデルを発表して世界中のコレクターの心を鷲掴みにしているのがパネライです。パネライといえばかつては「ルミノール」や「ラジオミール」がコレクションの代表でした。しかし、いまでは「サブマーシブル」も代表的なコレクションのひとつとして名を連ねています。

サブマーシブルはもともとルミノールのモデルのひとつでしたが、機能性に特化したモデルとして単独コレクションへと前進したのです。この記事では、サブマーシブルが単独コレクションへ進化した歴史や魅力、おすすめモデルについて詳しく解説していきます。

サブマーシブルとは

現在はスイスを製造拠点とするパネライは、1860年イタリアのフィレンツェで誕生した時計店が始まりでした。輸入時計や光学機器に関する商売をしていた小さな時計店に転機が訪れたのは第一次世界大戦の頃です。イタリアの国防省から要請されたのをきっかけに、防水時計を開発します。その後しばらくはイタリア海軍のために軍用時計を製造していました。

1956年にサブマーシブルの派生元といえるルミノールのプロトタイプ、エジプト海軍潜水特殊部隊用ダイバーズウォッチ「エジプシャン」を作り出したのです。エジプシャンとサブマーシブルを見比べてみると、ケースや逆回転防止ベゼルの雰囲気がどことなく似ていることが分かります。サブマーシブルはエジプシャンの誕生から、長い年月をかけて単独コレクションへ進化し続けたのです。

単独コレクションまでの歴史

ルミノールコレクションの一部だったサブマーシブルが単独コレクションに進化したのは2019年のことです。もともと軍用時計を製造していたパネライは1997年にリシュモングループの傘下に入りました。リシュモングループは、時計やジュエリー、ファッションブランドの運営会社を保有する企業です。

2019年になると、リシュモングループの傘下に入ってからCEOを務めていたアンジェロ・ボナーティー氏が引退しました。ボナーティー氏に代わって新CEOに就任したのはジャンマルク・ポントルエ氏。彼はパネライのコレクションをリニューアルし、パネライに新しい風を吹かせます。

ポントルエ氏がコレクションをリニューアルするまでは、「ルミノール」と「ラジオミ

ール」の2つがパネライの代表コレクションでした。しかし。彼はルミノールとラジオミールから派生したモデルを「サブマーシブル」「ノール ドゥエ」としてコレクションに進化させます。このとき、サブマーシブルは12種類もの新作が発表されました。

4つのコレクションにはそれぞれコンセプトがあるのが特徴です。例えば、ルミノールはパネライのエッセンス、ラジオミールは1930年に始まった機械式時計の伝説です。新しくコレクションとなったサブマーシブルは「サバイバルツール」、ノール ドゥエは「現代的なエレガンス」をコンセプトに展開し始めました。

ちなみに、新たなコレクションとしての道を歩みだしたサブマーシブルは、文字盤のロゴも変更されます。ルミノールの一部だった頃は「LUMINOR SUBMERSIBLE」でしたが、新たに「PANERAI SUBMERSIBLE」となりました。

サブマーシブルの特徴

サブマーシブルには大きく分けて「素材」「デザイン」「キャリバー」の3つに特徴があります。ここからはそれぞれの特徴を確認していきましょう。

①パネライらしい独自素材を採用

サブマーシブルの特徴1つ目は「素材」です。サブマーシブルには、モデルにもよりますがパネライらしい独自素材「BMG Tech(ビーエムジーテック)」「カーボテック」「Ecoチタン」が採用されています。BMG Techやカーボテックはサブマーシブルの強度を増し、Ecoチタンは環境への優しさに配慮するために採用された素材です。サブマーシブルはコレクションのコンセプト「サバイバルツール」にふさわしい素材で作られているのです。

BMG Tech

BMG Techとはリキッドメタルと呼ばれることもあるバルク金属ガラス。パネライが開発した素材で、耐蝕性や耐磁性に優れ、強い衝撃にも耐えることのできる強度の高さが特徴です。BMG Techは銅やジルコニウム、チタニウム、アルミニウムのほか、ニッケルを加工しています。ただし、それぞれの素材を混ぜ合わせただけではBMG Techの強度には及びません。一度融解させ、圧力をかけてから一気に冷やし形成するという特殊な工程を経ているのです。

通常の金属は規則正しい元素構造ですが、これらの工程で加工することで元素構造が不規則になり、強度を増します。規則正しい元素構造のほうが強度はありそうなイメージかもしれませんが、元素が不規則に並ぶことでどの方向から衝撃を受けても耐えられるようになる仕組みです。

カーボテック

カーボテックもパネライが開発した素材で、強度の高さが特徴です。カーボテックは炭素繊維を樹脂素材で固めた炭素素材でできています。一般的な炭素素材は炭素繊維を固めるために樹脂素材を使用しているのに対して、カーボテックはPEEKというスーパーエンジニアプラスチックを使用します。

スーパーエンジニアプラスチックは耐熱性や耐摩耗性に優れた高価な素材です。過酷な環境でも耐えられることから自動車や航空機関係でも使用されています。炭素とスーパーエンジニアプラスチックを組み合わせると軽量でありながら高い強度の素材が作れます。

また、カーボテックを削って加工すると独特な模様が現れ、オリジナリティある仕上がりになるのも魅力です。さらに、カーボテックは、万が一傷がついてしまっても面を研磨できるので、表面の傷を消すことができ安心です。

Ecoチタン

Ecoチタンの「Eco」は、リサイクルされたチタンを意味します。リサイクルときくと、高級腕時計なのにリサイクル品と驚く人もいるでしょう。しかし、持続可能な社会を意識するパネライにとってリサイクルされた製品を採用するのは大きな意味があります。

なお、リサイクルされるEcoチタンは一般に流通している使い古したチタンではなく、航空機に使われていたチタン部品です。航空機には厳しい安全基準が設けられているため、まだ十分使用できるうちに部品を交換します。そのため、チタンの品質には何ら問題はありません。パネライの腕時計を持つことが持続可能な社会にもつながる、ともいえるでしょう。

特徴②パネライらしいタフで実用的なデザイン

サブマーシブルの特徴2つ目は「デザイン」です。タフで実用的なデザインは、パネライのなかでもサブマーシブルならではの魅力といえるでしょう。サブマーシブルはもともと軍用時計として誕生したルミノールの歴史を引き継ぐコレクションです。軍用時計として選ばれてきた時計だからこその力強さが感じられます。

また、いわゆるデカ厚時計の火付け役としても知られるパネライらしい存在感のあるケースは視認性も抜群です。どれだけ深く潜っても一目で正確な時間を把握できる視認性は、プロフェッショナルダイバーズウォッチの名に恥じないデザインといえます。

特徴③自社製キャリバー P.9010

サブマーシブルの特徴3つ目は「自社製キャリバーP.9010」です。キャリバーP.9010は、2016年にキャリバーP.9000の後続として誕生しました。キャリバーP.9010には精度の高い技術力が必要なフリースプラングを採用し、安定した高精度を実現しています。パワーリザーブも約3日と長いうえに、巻き上げ効率のよいマジッククリックを採用しているのも特徴です。

また、ムーブメント自体キャリバーP.9000よりも1.9mm薄くなったことで、スッキリとした印象になっています。1.9mmという数字だけを目にすると、それほど大きな差はないような感じがしますが、手首に乗せてみると印象はだいぶ変わるでしょう。

おすすめモデル

サブマーシブルの特徴が分かったところで、おすすめモデルを5つご紹介します。

ルミノール サブマーシブル1950 スリーデイズ オートマティックチタニオ47mm(Ref.PAM01305)

こちらは現行モデルで、耐衝撃性・腐食耐性に優れたチタン製のケースに自社製キャリバーP.9010を搭載しています。暗い場面ではベゼルの12時位置のマーカーと分針がブルーに発光、それ以外の文字盤にあるマーカーは蛍光グリーンに発光する視認性の高いモデルです。

チタン製のケースにラバーストラップという組み合わせがクールな1本で、ケースは直径47mmと大きめではありますが、シンプルなので違和感がありません。

ルミノール サブマーシブル フライバックチタニオ(Ref.PAM00615)

こちらも現行モデルで、潜水経過時間を算出できるマットブラックセラミック製の逆回転防止ベゼルが組み込まれています。フライバッククロノグラフやゼロリセットセコンドも備えており、機能性に優れたミリタリー仕様の1本となっています。

サテンチタンのしなやかな質感のケースにブラックの逆回転防止ベゼル・ラバーストラップの組み合わせに、ブルーの秒針がアクセントになっています。毎日着用しても飽きのこないデザインです。

ルミノール サブマーシブル 1950 スリーデイズ(Ref.PAM00682)

こちらも現行モデルで、自社製キャリバーP.9010を搭載しています。P.9010は時針のみを1 時間単位で前後に動かすことができるので、海外への出張時にも分針に影響を与えないで調整することが可能です。300m防水という本格的な仕様も魅力のひとつで、ビジネス・プライベート問わずタフに所有者をサポートしてくれるでしょう。

無機質なステンレススチールのケースとブラックの文字盤にクロノグラフやロゴマークなどのブルーとホワイトが映えています。なお、以前のモデルでは裏蓋がシースルーでしたが、2018年からはステンレスバックへと変更になりました。

ルミノール サブマーシブル(Ref.PAM00692)

現行モデル。優れた強度が特徴のBMG Tech素材のケースを採用しています。実用性の高い3日間パワーリザーブで、自社製キャリバーP.9010を搭載しており、ケースバックにイタリア海軍特殊潜水艇、マイアーレのエングレービングが施されているのがポイントです。

繊細な質感のケースとスポーティーなラバーストラップが絶妙にマッチしています。さらに、深海を思わせる深いブルーの文字盤がさわやかな印象です。このまま海へでかけたくなってしまいそうな美しい色使いは休日の海岸線のドライブに連れていきたくなる1本です。

サブマーシブル 1950 2500m(Ref.PAM00364)

こちらは2013年発表の旧モデルで、世界1000本限定です。自社製ムーブメントキャリバーP.9000を搭載し、72時間パワーリザーブと2500m防水のプロフェッショナル仕様となっています。ルミノールのプロトタイプ、エジプシャンをヒントにデザインされているからか、どことなくクラシックな雰囲気を醸し出しているのが特徴です。

直径47mmの大型チタンケースで存在感・視認性ともに抜群で、実用性とオリジナリティを兼ね備えたデザインとなっています。

パネライらしさが光るサブマーシブル

ルミノールから派生し、いまではパネライコレクションのひとつに名を連ねるサブマーシブル。パネライらしい「素材」「デザイン」「キャリバー」の3つのポイントが揃うコレクションは世界中のファンを虜にしています。世界中にファンがいて常に需要があるため、サブマーシブルの売却を考えている人は本格的に検討してみるとよいかもしれません。

ブランド買取専門店ロデオドライブでは、現行モデル・旧モデル問わず人気を集めるサブマーシブルやその他のパネライの高価買取を実施しています。ロデオドライブは国内最大級の業者間オークションを行っているほか、国内店舗や海外へのセールスルートをもっていることで幅広く高価買取が可能です。

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