COLUMNコラム
金属アレルギーでも腕時計をつけたい人へ。金属アレルギーになりにくい腕時計の選び方やおすすめモデルを紹介
金属アレルギーがあるため、金属製のアクセサリーや腕時計を身につけられないという方は少なくありません。腕時計に興味があるものの、金属アレルギーのためにあきらめている人もいるのではないでしょうか。
金属アレルギーがあるとつけられないイメージの腕時計ですが、金属によってもアレルギーの出やすいもの、出にくいものがあります。また、最近では金属以外の素材が使われた腕時計も増えてきました。
この記事では腕時計で使用されている金属や、金属アレルギーでも腕時計を楽しむ方法、金属アレルギーの人におすすめの腕時計を紹介します。
そもそも金属アレルギーとは?
金属アレルギーとは金属によって起こる皮膚の炎症のことを指します。金属そのものに触れると症状が現れると思われがちかもしれませんが、金属を含むものに触れたり口に入れたりすることで症状が現れることもあるといわれています。
また、金属アレルギーは金属に触れたからといって、すぐに症状が現れるとは限りません。なかにはアクセサリーや腕時計をつけ始めてから1、2週間後に症状が現れることがあるので注意が必要です。
症状
金属アレルギーの多くは、金属製の腕時計やアクセサリーなどが触れた部分に症状が現れます。かゆみを伴う小さな丘疹や紅班が出現して、水疱や膿疱になることもあります。かゆみを伴い、かくと傷になってしまうこともあるため注意しましょう。
原因
金属アレルギーが起こる原因は、体内にあるタンパク質です。金属とタンパク質が結合することで金属アレルギーが起こります。数ある金属のなかでも注意したいのは「コバルト」「ニッケル」「金」「水銀」「パラジウム」などです。
なおコバルト、ニッケル、クロムはさまざまな金属を合金にするためによく使用さています。腕時計を購入してから金属アレルギーのような症状が現れたなど、気になる方は早めに皮膚科で金属アレルギーのテストをしてもらいましょう。
参照:金属アレルギー 疾患別メニュー 山梨大学医学部附属病院 アレルギーセンター
腕時計に使用される金属
腕時計に使用されている金属には、いくつか種類があります。ここからはそれぞれの金属の特徴や、アレルギーの起きやすさなどを確認してみましょう。特徴を知っておくことで、腕時計を購入する際の参考とすることができます。
ステンレススティール
ステンレススティールは腕時計に使用されている最もポピュラーな金属です。ステンレススティールといえば錆びにくく丈夫なイメージがありますが、金属アレルギーの人は注意が必要になります。なぜならステンレススティールには錆びにくくするために、クロムとニッケルの合金素材を使用しているからです。
ステンレススティールは、配合されたクロムが素材の表面に「不動能被膜」という膜をつくることでダメージを防御し、錆びにくくしています。ところがこの不動能膜は、汗によって発生する塩化物イオンには弱いのが特徴です。そのため汗をかくと不動能膜が壊れてしまい、アレルギーを起こしやすいニッケルも溶け出してしまいます。
その結果、皮膚がアレルギーを起こす物質に触れてしまい症状が現れます。ただし高級腕時計のなかには、ステンレススティールでありながらアレルギーが起こりにくい素材を採用しているものがあります。
プラチナ
上品な輝きが魅力のプラチナを使った時計は、金属アレルギーが起こる可能性が低いといえます。それはプラチナが汗に溶けにくく、科学的にも安定している素材だからです。ただしあくまでも「可能性が低い」だけということは意識しなければいけません。長年つけていることで金属アレルギーが起こるケースも考えられます。
また、素材に「プラチナ製」と記載されていても、多くの場合プラチナ単体でできているわけではないことにも注意しましょう。プラチナには純度があり、例えばPt900は「プラチナ90%とパラジウム10%」の割合です。全体の1割ではありますがPt900にはパラジウムも含まれているため金属アレルギーが起こらないとは断言できません。
なお、プラチナには純度99.9%のPt1000も存在しますが、強度が低いので腕時計の素材としては一般的ではないでしょう。
ゴールド
強烈な存在感があるゴールドも、腕時計で人気の素材です。ゴールドもプラチナ同様に純度があります。純度の種類はK24・K22・K18などで、K24は純度99.99%以上であることを表します。純度が99.99%なのにK24という表記をするのは、金の純度は24分率で表示されるからです。そのため金そのものにアレルギーがなければK24の場合、アレルギーが起こる可能性は低くなります。
とはいえ、K24は柔らかいため腕時計には純度75%のK18を使うのが一般的です。K18には金のほかに銀や銅が含まれており、なかでも銅は金属アレルギーを起こしやすい素材なので注意しなければいけません。
絶妙な色合いで個性を楽しめる「ホワイトゴールド」「ピンクゴールド」「イエローゴールド」といった合金も気になるところではないでしょうか。ホワイトゴールドは金・銀のほか、ニッケル、パラジウムが使われているのでアレルギーの可能性を否定できません。表面にロジウムメッキが施されている場合は、金属アレルギーの可能性も低減しますが、使用しているうちに摩耗しメッキがはがれていくことも考えられます。
またイエローゴールドやピンクゴールドは銀よりも銅の割合を多くしているため、注意が必要です。
セラミック
焼き物であるセラミックは金属ではありません。そのため金属アレルギーの心配がない素材です。腕時計には軽くて硬度が高いセラミックが使われています。ツヤのある独特な風合いで人気ですが、加工するためには技術力や手間が必要になるため、ほとんどが高価な価格帯です。
また、ケースやブレスレットがセラミックでも、バックルや裏蓋には違う素材が使われていることもあります。バックルや裏蓋は直接肌に当たるため、金属アレルギーの方は特に注意したい部分です。購入する前はどの部分にセラミックが使われているのかもしっかり確認しておきましょう。
チタン
チタンはステンレススティールと同様に錆びにくいという特徴があります。チタンが錆びにくい理由は、素材の表面にある酸化被膜です。酸化膜は塩化物イオンで溶けにくいため、汗による金属アレルギーの症状が起こりにくいといえます。チタンには生体適合性があり、医療用のインプラントや人工関節にも使われています。
また強度の面でもステンレススティールよりも強く、軽いので日常使いにぴったりです。ステンレススティールのようなツヤはありませんが、逆にシックな質感でスタイリッシュに決めることができるでしょう。
金属アレルギーでも腕時計を楽しむ方法
金属アレルギーの場合は、まずアレルギーが起こる心配のない素材を選びましょう。セラミックやチタンのほか、サファイアガラスのシースルーバックデザインになっている腕時計もおすすめです。
またブレスレットがレザーやラバー、ナイロン製のものを選ぶのもよいでしょう。仮に金属アレルギーを起こす可能性があるケースであれば、保護シールを貼ったり保護液を塗ったりするという方法もあります。ブレスレットを替えられるタイプなら金属アレルギーの心配がない素材に替えてみるのも手です。ブレスレットを替えると腕時計の雰囲気の変化も楽しめるでしょう。
ただし将来的に売却を考えている高級腕時計の場合、シールや保護塗料はおすすめできません。なぜなら長期間保護していることで、錆が発生するなど劣化してしまう可能性があるからです。
金属アレルギーの方におすすめの腕時計5選
最後に金属アレルギーの人におすすめの腕時計を5本ご紹介します。これまで腕時計をあきらめていた方も、ぴったりな腕時計が見つかるかもしれません。 ※一部の時計は現在生産が中止されています。
ロレックス デイトナ(Ref.116500LN)
ロレックスのデイトナはステンレススティールであるものの、904Lという金属を使うことでアレルギーが起きにくくなっています。904Lはハイテク産業、航空宇宙、化学産業などの分野で採用されている素材で、耐久性や摩耗性に優れているのも魅力のひとつです。
プロのカーレーサーのために設計された実用的な時計でありながら、デザイン性も高く一目でデイトナと分かります。機械式自動巻きムーブメント、Cal.4130を搭載することで、パワーリザーブ72時間を実現させました。
オメガ シーマスター 300 マスターコーアクシャル(Ref.233.90.41.21.03.001)
アレルギーが起こりにくいグレード5のチタンを使用しています。1957年に発表されたシーマスター300の復刻モデルで、シーマスターが好きな方は必見です。ムーブメントは耐磁性に優れ、自動巻機構をもつCal. 8400を搭載しています。
ほどよく落ち着きのあるチタンと、シーマスターの名にふさわしい深海のような美しいブルーのコントラストが魅力です。スポーティーなデザインなので、ブレスレットをナイロン素材のストラップに替えて楽しむのもよいでしょう。
パテックフィリップ カラトラバ(Ref.5196P-001)
現行モデル。ケースには金属アレルギーが起きにくいといわれているプラチナを使用しているモデルです。シンプルで気品が漂う雰囲気は、パテックフィリップならではといえます。アラビア数字のインデックスで視認性も優れており実用的です。
シルバーの文字盤とブラックのアリゲーターレザーベルトの組み合わせが、大人の男性の魅力をアップさせてくれるでしょう。ビジネスシーンでもプライベートでも使いやすく、優秀なパートナーとなってくれるはずです。
オーデマピゲ ロイヤルオークオフショア クロノグラフ グレー(Ref.26400IO.OO.A004CA.01)
シックな風合いのチタンモデルで、クロノグラフと直線的なフォルムがメカニカルな印象にしています。ストラップにはラバー素材を採用しており、カジュアルでも楽しめるスポーティーな腕時計を求めている方にぴったりです。
デザインや機能性もさることながら、チタンとラバーという金属アレルギーでもつけやすい素材が使われているのもうれしいポイントとなるでしょう。メガ・タペストリー模様の文字盤で個性も演出できます。
ブライトリング アベンジャー ブラックバード ラバーベルト仕様(Ref.V173B12MMA)
アメリカ軍のステルス偵察機「ブラックバード」から着想を得たミリタリーウォッチです。マットな質感のチタンケースと文字盤にベージュの蛍光塗料が施されたインデックスがクールな雰囲気を醸し出しています。
ベルトは一見ナイロン製ですが、実はラバーで裏打ちされた仕様になっていて密着性が高まっているのもポイントです。ミリタリーウォッチファンは必見の1本でしょう。
金属アレルギーでも腕時計を楽しもう
時計に使われている金属のなかには、金属アレルギーが起こる可能性が高いものもあるため注意が必要です。ただし、金属アレルギーが起こりにくい素材や金属以外の素材のものを選ぶなど工夫すれば、金属アレルギーでも腕時計を楽しむことができます。
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