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地金の定義とは? 地金型金貨との違いや地金の種類、入手・売却方法も解説
株式や投資信託など、投資方法にはさまざまな種類がありますが、近年注目されているのが「地金」です。言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのようなものなのかまでは分からないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、地金の定義や種類、入手・売却方法などを解説します。自分に合った投資方法を検討している人は必見です。
目次
地金の定義って何だろう?
地金(じきん・じがね)という言葉はよく使われていますが、どのような金属を指すのでしょうか。ひと口に地金といってもその意味合いはさまざまで、インゴットや金属の塊、ジュエリーに使われている金属を指すこともあります。
ちなみに地金は金に限らず、銀やプラチナなどの金属も含まれます。まずは地金とはどのような金属のことなのか、確認しておきましょう。
投資用のインゴットなど
インゴットとは溶かした金属を型に流し込んだ塊のことで、主に投資用として取り扱われています。バーや延べ棒と呼ばれることもあり、金属の種類や大きさはさまざまです。金や銀、プラチナのことを指すのが一般的ですが、パラジウムやアルミニウムなどのインゴットもあります。
大きさは5gから1kgまでいくつかの種類があり、製造番号や素材、商標マーク、その金属の純度、重量、シリアルナンバーが刻印されています。刻印はインゴットの品質を証明する証明書のような役割をする重要なポイントです。刻印がはっきり確認できない場合は、買取に影響する可能性もあります。
金属を固めた加工前の塊
インゴットやジュエリーなどに加工する前の、金属を固めただけの塊のことも地金と言います。こちらの「地金」にもさまざまな種類があり、パラジウムや鉛、銅、アルミニウム、亜鉛、ピューター(スズを主成分とする低融点合金)などがあります。
例えばパラジウムはジュエリーの割金や銀歯などに使用される金属で、融点が低く加工しやすいことが特徴です。またピューターはスズにアンチモンや銅などを加えた合金で、柔らかくて延性に優れ変色しにくいなどの特徴があります。これらの地金はそれぞれの特性を活かした加工品へ変わります。
ジュエリーの金属の部分
ジュエリーの金属部分を地金と呼ぶこともあります。例えばネックレスのチェーンなど宝石以外の金属部分です。
宝石が施されていない、金やプラチナなどの金属のみで作られたジュエリーを「地金ジュエリー」と呼ぶこともあります。地金ジュエリーはシンプルなデザインだけでなく、細かな彫刻をしたり地金で作ったパーツを組み合わせたりするなど個性的なデザインも楽しめます。
ジュエリーの説明をする際「地金はプラチナです」と言ったり、「指輪の地金部分に傷が付いた」といったりする場合は、そのジュエリーの金属部分のことを指します。
地金にはどんな種類がある?
いろいろな意味合いの「地金」を紹介してきましたが、ここからはインゴットなど投資用の「地金」を紹介していきます。
投資用の地金として注目されているのは、主に「金(ゴールド)」「プラチナ」「銀」の3種類です。それぞれどのような種類があるのでしょうか。
金(ゴールド)
金(ゴールド)は「金地金」と言い、化学的にも安定しているため注目されている投資用地金です。採掘できる量が限られているため希少性が高く、古くから世界中で価値のある金属として取り扱われてきました。
金は株式などの投資とは違い、信用リスクがありません。また、相場が安定している上、実物資産であることから世界情勢が混乱しているときやインフレになったときには価値が上がるため「有事の金」ともいわれています。
金の主な投資方法はインゴットを購入する現物購入や純金積み立て、金ETF、投資信託、先物取引などがあります。株式や投資信託のような配当・利子はないものの、価値が安定しているため投資対象として人気を集めています。
なお投資目的の金ではないものの、金製のジュエリーも必要があれば現金に換えることが可能です。ジュエリーの場合、アイテムやブランドによってはプレミアが付き購入時よりも価値が上がるケースもあります。
プラチナ
プラチナはプラチナ地金と言います。日本では白金と呼ばれることもありますが、ホワイトゴールドとは別物です。金よりも採掘量が少ないため希少性が高く、採掘されたプラチナの多くは自動車などの工業用として利用されています。
投資方法は現物購入や投資信託、先物取引、CFD取引(差額決済)などがあります。主に工業用として利用されていることから、景気が悪化し工業用としての需要が減るとプラチナの相場も下がるケースがよくあります。株式市場に連動しやすく、金と比べるとハイリスクハイリターンの対象といえるでしょう。
プラチナの相場動向を把握するには、先進国の金融緩和や自動車産業の動向を確認したり、プラチナの主な採掘地となっている南アフリカの景気をチェックしたりすることが重要です。
銀
銀は銀地金といい、加工しやすく見た目にも美しいことからジュエリーや食器にも使われてきました。プラチナと同様に工業用として利用される割合が多い金属でもあります。金やプラチナと比較すると安価なので、少額から投資することが可能です。
銀地金は投資用としても流通していますが、単価が安く他の投資用地金よりも取引重量が大きくなりがちです。そのため、個人が投資目的で取引するケースはそれほど多くありません。
投資方法は主に現物購入、投資信託やETF、先物投資の3種類です。なお市場規模がコンパクトな銀地金の投資は、価格の変動が大きくなる傾向にあります。
地金の特徴は?
投資用の地金は主に金やプラチナ、銀があります。どれもジュエリーの素材としてよく知られている金属ですが、投資用の地金として見てみるとどのような特徴があるのでしょうか。
投資用の地金は金に限らず、どれも保管しやすい上に価値がゼロになることがない点が特徴です。ここからは金やプラチナ全般の地金の特徴を確認してみましょう。
保管しやすい
金やプラチナなどは、保管しやすい素材・形状であることが特徴です。例えば美術品や骨董品は、温度や湿度に注意したり定期的なお手入れが必要だったりします。一方金やプラチナは化学変化に強いため、そのまま自宅の金庫などに保管しておくことが可能です。
ただし自宅で保管する際は、盗難や紛失に気をつけなければなりません。地金を自宅で保管するのなら、耐火金庫に保管すれば万が一火災が発生した場合でも守れます。
また継続的な費用が発生するものの、銀行の貸し金庫に預けるのも一つの方法です。貸し金庫に預ける場合は、預ける期間が長くなるほどコストがかかる点も考慮しましょう。
価値がゼロになることはない
金や銀など、そのもの自体に価値のある実物資産は価値が下がりにくいです。株式のように景気変動や金融危機の影響を受けて価値が暴落する心配もなく、インフレの影響も受けにくいからです。
相場は日々変化しているものの、無価値になることはないため「安定資産」ともいわれています。なお先述のとおり、ジュエリーの場合はむしろ付加価値がつき値段が上がる可能性もあります。
利息や配当がないため資産を大きく増やすことは難しいのですが、安定した資産を保有しておきたい人や株式投資のリスクヘッジをしたい人にはぴったりの資産です。
地金型金貨と金地金の違いとは?
投資用の金は金地金の他に、地金型金貨があります。地金型金貨とは投資用に発行されている金貨です。
オーストラリアやカナダなど各国の政府が発行している金貨で、国ごとにデザインが異なります。金そのものの価値に製造コストやデザインなどのプレミアが上乗せされるため、同じ重量でもインゴットより地金型金貨の価値の方が高くなる傾向にあります。
以下に金地金と地金型金貨の違いを表にまとめました。
【金地金(金インゴット)と地金型金貨の違い】
金地金(金インゴット) | 地金型金貨 |
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それぞれにメリット・デメリットとなる点があるため、自分に合った方を選びましょう。
地金の購入方法
投資用地金としてオーソドックスなインゴットは、貴金属店や宝石店、銀行などで購入できます。ただし貴金属店や宝石店での購入を検討している場合は、「日本地金流通協会」に登録されている販売店で購入するのがおすすめです。
なおインゴットを購入する際には手数料が発生する場合があります。手数料の有無や金額は、店舗によって異なります。おおよそ500g以下のインゴットは流通量が少なく、流通量の少ないインゴットを取り扱うためのコストとして手数料が発生することが多いです。店舗ごとの手数料は、購入する前に調べておくことがおすすめです。
地金の売却方法と注意点
地金は買取会社に売却するのが一般的です。とはいえ査定額は買取会社によって異なります。万が一悪質な買取会社だった場合、実際の価値よりも低く査定されてしまう可能性があるため注意が必要です。お手持ちの地金の相場や純度、重量をあらかじめ把握して、買取価格をある程度予測しておきましょう。
少しでも高値で売却するためにも、金の買取実績が豊富な会社に買取依頼することがおすすめです。買取会社を選ぶときはあらかじめホームページで手数料や買取実績を確認しておく、質問にしっかり答えてくれるかなどをチェックすることも大切です。
なお地金を売却する場合は、運転免許証やパスポート、健康保険証といった本人確認書類が必要になります。売却金額によってはマイナンバーの提示も必要になるため、準備しておきましょう。さらに、売却したときの金額や金の保有期間によって、納税金額が異なる場合もあります。
投資として注目される地金
「地金」という言葉は、投資用のインゴットや加工前の塊を指したりジュエリーの金属部分を指したりと明確な定義はありません。
また地金の素材は金に限らず、プラチナや銀などいくつかの種類があります。中でも投資用として注目されているのが金地金です。実物資産である地金は保管しやすい、価値がゼロにならないなどの特徴があるため、株式投資のリスクヘッジをしたいという人や、ローリスクな投資をしたいという人におすすめです。
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