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COLUMN

2020.12.11 (最終更新日2022.01.17)

タグホイヤーといえばカレラ。歴史と特徴、おすすめモデルまで解説

時計には詳しくないという人でも、『タグホイヤー』というブランド名はご存じではないでしょうか。

『タグホイヤー』とは、世界中にファンを持つ有名ブランドで、ロレックスやオメガと並んで日本でも人気がある高級腕時計ブランドの一つです。モータースポーツの世界では特に有名なため、車が好きな人ならきっとご存じでしょう。

しかし、ブランド名は知っていてもその歴史や代表モデルなどはわからないという人もいるかもしれません。そこで、この記事ではタグホイヤーの歴史や特徴、そして代表モデルの『カレラ』について詳しく紹介します。

タグホイヤーの歴史

タグホイヤーの歴史は古く、1800年代後半にまでさかのぼります。

創業当時の社名は『エドワード・ホイヤー・ウォッチ』といいましたが、1985年に『Techniques d’Avant Garde(テクニーク・ダバンギャルド、通称TAG )』グループの傘下に入り、社名を『タグホイヤー』に変更し現在に至ります。

ちなみに、1999年からは社名はそのままに、フランスのハイブランド複合企業『LVMH モエ ヘネシー・ルイヴィトン』のメゾンに加わっています。

創業当初から技術開発に打ち込む

タグホイヤーの前身『エドワード・ホイヤー・ウォッチ』は、1860年、弱冠20歳のドイツ系スイス人エドワード・ホイヤーによって設立されました。

創業当時は主に懐中時計を製造していましたが、1869年にリューズによる巻き上げ機構で最初の特許を取得します。

さらに、1887年にはクロノグラフ(ストップウォッチ機能)用の部品『振動ピニオン』を開発し、特許を取得しました。この振動ピニオンはじつに画期的な発明で、130年以上を経た現在も有名ブランドの機械式クロノグラフに採用されているほどです。

それから約30年後の1916年、1/100秒単位で計測できるストップウォッチ『マイクログラフ』を開発、こちらも特許を取得しました。この発明はスポーツ界に大きく貢献します。
3大会連続でオリンピックの公式タイムキーパーに採用されるなど、ホイヤーの知名度が高まるきっかけにもなりました。

1964年には、後に紹介する『カレラ』が誕生します。5年後の1969年、マイクロローターを搭載した世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメント『クロノマティック キャリバー11』を開発し、時計技術の革新に大きく貢献します。

さらに同年、『カレラ』に並ぶタグホイヤーの名作ともいえる世界初の角型防水自動巻きクロノグラフ『モナコ』を発表しました。
これにより、ホイヤー社はモータースポーツ界になくてはならない存在になります。その信頼感は、1971年から8年間、フェラーリ・チームのF1公式タイムキーパーを務めたことからもお分かりいただけるでしょう。

クオーツショック後に『タグホイヤー』へ

1969年、日本のセイコーからクオーツ腕時計『アストロン』が発売されます。これにより、スイスの時計業界は大打撃を受けました。『クオーツショック』と呼ばれる出来事です。

クオーツ時計は、それまでの機械式に比べ精度が高く、ゼンマイを手で巻く手間がかかりません。製造コストが少なく、安価に手に入ることから瞬く間に普及。機械式時計の需要は激減し、スイスの数々の時計ブランドが経営難に追い込まれたのです。

それまで順風満帆な歩みを見せていたホイヤー社も同様で、1982年にピアジェの傘下に加わり、経営の立て直しを図ります。このとき、4代目ジャック・W. ホイヤーが社長を退任し、創業から約120年続いたホイヤー家による経営に幕を閉じます。

1985年、ピアジェから離れ、TAGグループから資金援助を受けて『タグホイヤー』に社名を変更。1999年にはLVMH傘下となり、現在に至ります。

代表モデルの『カレラ』

タグホイヤーを象徴するモデルに、『カレラ』があります。『カレラ』は、1964年、アメリカ~メキシコ間を疾走する過酷なモーターレース『カレラ・バン・アメリカーナ・メキシコ』にインスピレーションを受けて開発されました。

レーシングカーのコクピットを模した文字盤デザイン、1/5秒の目盛がついたフランジなど、ドライバーが着用したときの実用性や操作性を追求しました。

初代から現在に至るまで、カレラはさまざまなモデルが発表されていますがいずれも優れた視認性と機能性を備えています。デザインも美しく、モータースポーツ界ではもちろん、さまざまなプロスポーツ界から絶大な支持を受けている腕時計です。

そんな『カレラ』の人気の秘密を以下で解説します。

豊富なバリエーション

カレラの特徴のひとつに、バリエーションが豊富なことが挙げられます。タグホイヤーは、古きよきデザインを踏襲しつつ新しいチャレンジを続け新境地を切り拓くブランドです。
同じカレラでも、クラシカルモデルとモダンモデル、クオーツと機械式、三針とクロノグラフなど多彩に展開されています。

そのため、カジュアルからビジネスまでシーンや好みに合わせて選べるのが魅力です。スポーツウォッチの枠を超えて多くの支持を集める理由がお分かりいただけるのではないでしょうか。

コスパのよさも魅力

タグホイヤーは、『手の届くラグジュアリー』をブランドコンセプトに販売戦略を展開しています。多くの高級ブランドが富裕層や社会的地位が高い人をターゲットにするなか、タグホイヤーは若い世代から年配者までを対象としています。
高級腕時計ブランドには珍しく、若い人でも購入しやすい10万円台からのモデルがあることが特徴です。

なぜこれほど安くできるのか。その理由は効率のよい生産ラインにあります。職人の手作業と同等の品質を保ちつつ、可能な限り自動化したため、製造コストを下げることができたのです。

タグホイヤーのCEOを勤めたジャン=クロード・ビバーは、「同じ価格の物は倍の価値ある物に同じ価値の物は半分の価格の物にする」と明言しています。

カレラのおすすめモデル5選を紹介

タグホイヤーならびに『カレラ』の歴史や特徴・魅力などを紹介しましたが、具体的にはどのようなモデルがあるのか気になる人も多いでしょう。

この段落では、カレラのおすすめモデルを5つ紹介します。中古市場での需要が高く、ロデオドライブでも取り扱いが多い人気モデルばかりです。ぜひチェックしてみてください。

カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ CAR2A5A.FT6044

こちらは現行品で、タグホイヤーのスポーツコレクションの基本ともいえるモデルでしょう。時計の心臓部であるムーブメントには、タグホイヤー社製の『キャリバー ホイヤー01』が搭載されています。
文字盤および裏蓋がスケルトン仕様となっているため、ムーブメントの動きが楽しめるのも魅力です。

ケースにはK18ローズゴールドとチタンが使用されているほか、針には18ローズゴールドメッキが施されています。ローズゴールドが高級感を醸し出す一方で、ベルト部分には汗に強く丈夫なラバーが使用されているため、普段使いにもおすすめです。

カレラ キャリバー5 WAR201A.BA0723

文字盤にブラックシェル(黒蝶貝)を使用したシックで上品な腕時計(旧モデル)です。シェル文字盤は天然素材を使用するため、同じモデルでもまったく同じ色柄にはなりません。また、見る角度や光の当たり方などで色が変わって見えるのが特徴です。

希少な天然素材のうえ加工にも高い技術を要するため価格はやや高めになりますが、『世界にたったひとつの自分だけの時計』という特別感があります。

さらに、『カレラ キャリバー5』は日本限定モデルで、その数は500本しかありません。特に希少性の高い腕時計といえるでしょう。上品かつ飽きのこないデザインで、年代やシーンを選ばず長く愛用できる1本です。ケース幅39mmとやや小ぶりなため、女性にもおすすめです。

カレラ クロノグラフ キャリバー1887 CAR2111.BA0724

タグホイヤー創業150周年を記念して発表された旧モデルで、初の自社開発ムーブメント『キャリバー1887』の改良型を搭載しています。

カレラが誕生した1963年当時の雰囲気を残しながらも、ダイヤルを立体型にするなど新しいデザインが取り入れられているのが特徴です。幅45mmなど大型のクロノグラフが多いなか、幅41mmとひとまわり小さく使いやすいことも人気を集める理由となっています。

エレガントかつシンプルなシルバーの文字盤は使う場所を選びません。ビジネスシーンにおすすめですが、文字盤の外周にはタキメーターが備えられ、スポーツウォッチとしての機能も十分に備えています。

カレラ キャリバー6 クロノメーター WV5111.FC6350

シルバーの文字盤にメタリックブルーのダイヤルリングを組み合わせた美しいモデル(旧モデル)です。文字盤にはサンレイ加工(中心から外側に向けて広がる放射線状の模様)が施され、見る角度によって違った表情を楽しめます。

文字盤のアクセントにもなる赤いロゴは、社名を変更する前の旧ホイヤー社のもの。ムーブメントにクロノメーター規格のキャリバー6を搭載しながらも、クラシックなデザインです。幅39mmと小ぶりで使いやすいのが特徴で、さりげないおしゃれを楽しみたい人におすすめです。

カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ CBG2A11.BA0654

自社製キャリバー(ムーブメントの一種)を搭載した現行モデルです。1/4秒計・30分計・12時間計をインダイヤルに配した自動巻クロノグラフで、約80時間ものロングパワーリザーブを実現しています。

幅45mmの大型ケースは両面がスケルトン仕様なので、タグホイヤーが誇る自社製キャリバー『ホイヤー02』の動きをたっぷり楽しめることでしょう。

複雑な内部機構が美しく見えるような工夫も、さりげなく施されています。腕時計職人の精緻な技術が堪能できる腕時計です。

誰もが知る高級時計

タグホイヤーは、1860年の創業から長い歴史と高い技術を有しながらも、『手の届くラグジュアリー』をコンセプトに掲げるブランドです。10万円台から購入できるモデルもあり、初めて高級腕時計を選ぶ人におすすめです。

トップブランドの技術や使い心地をたっぷり楽しみ、さらなるハイクラスへの買い替えを検討する際には、ぜひ弊社『ロデオドライブ』の買取サービスをご利用ください。タグホイヤーの買取実績や相場情報も多数掲載しています。

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