COLUMNコラム
セイコーガランテの歴史と特徴を解説。ラグジュアリーかつ紳士的なセイコーの伝説の腕時計
世界的に有名な、日本を代表する時計ブランドがセイコーです。 時計の心臓部であるムーブメントまで自社製造する 世界でも数少ないマニュファクチュールブランドとして知られています。
そんなセイコーのコレクションのうち、特にラグジュアリーで強い個性を放っていたのが「ガランテ」です。この記事ではガランテに焦点を当てて、その魅力やおすすめのモデルを紹介します。
目次
ガランテとは
ガランテは2005年に発売が開始されたコレクションです。コンセプトは「SEXY RICH」となっており、異性を惹きつけるという意味のイタリア語が名称の由来となっています。
セイコーというと正確な時を刻む技術力の高さに定評がある一方で、デザインはどちらかというとシンプルなものが多い傾向にありました。そんなセイコーにあってラグジュアリースポーツウォッチという位置づけで開発されたガランテは、遊び心に富んだデザイン性の高さが特徴です。
一見すると主張が強すぎるようなアイテムもありますが、それが味となって多くのファンを魅了しています。他のセイコーブランドにはない強い個性を持つガランテは、その特徴によってこれまでとは違う新しいユーザーを開拓してきました。
ガランテ開発までの歴史
ガランテが市場に投入された2005年は、いわゆる「ヒルズ族」の全盛期です。ITベンチャーや投資ファンドが台頭した時代であり、それに関連する企業が好景気に沸いていました。そうした背景を受けて、特に中高年向けの男性ファッション誌を中心にラグジュアリーブームが起こり、強い個性を持つガランテは時代の後押しを受けて、すぐに注目を集めます。
当時の特設サイト(現在は 閉鎖)も、これまでのセイコーのイメージをよい意味で覆す斬新な内容で、多くの人の関心を集めるのに一役買いました。
ガランテの登場によって、「シンプルで使い勝手のよい技術力に優れたブランド」というセイコーのイメージを一新することに成功したのです。発売から15年以上が経過する現代でもガランテのイメージは一貫しており、ラグジュアリーでクールな時計として時計愛好家に認知されています。
2020年に惜しまれながら販売終了
時代の波に乗ることに成功し、あっという間に人気コレクションとしての地位を築いたガランテですが、残念ながら2020年9月30日で生産終了となりました。
ただし、市場におけるガランテの人気が落ちたわけではありません。個性的で唯一無二なデザインを多く生み出したガランテの腕時計は多くの時計ファンに評価されており、中古市場でも取引が続いています。その遊び心あふれるデザインから、何点か所有して気分によって使い分けしたくなるのがガランテの特徴の1つといえるかもしれません。
ガランテの特徴
ガランテはそれまでのセイコーブランドのイメージである「シンプルで精密な時計」から一線を画すデザインで、多くの支持者を獲得したコレクションです。しかし、具体的にどういう点が優れているのかについて興味を持った人もいるのではないでしょうか。
ここからはガランテの特徴について掘り下げて解説します。
ケースを囲む4つの柱
ガランテの特徴を語るうえで欠かせないのが、「ベゼルを囲む4つの円柱(エンタシス)」です。ガランテはモデルによってデザインが大きく異なりますが、この円柱だけはどのアイテムも共通しており、「ガランテといえばエンタシス」と呼ばれるぐらい、時計愛好家の間では有名なアイコンとなっています。
洗練されたデザインのケースを守るように配置されているエンタシスはゴージャス感を演出し、所有者の満足感を高めてくれる存在です。
また、エンタシスが採用されている理由は単にデザイン性を高めることだけではありません。ケースの周囲にエンタシスを配置することで、外装部品を連結する役目も果たしています。ガランテはその高いデザイン性を追求するために複雑な外装部品が多く使われていますが、それらをエンタシスが無理なくつなぎ合わせることで、美しく磨き上げられるのです。
スプリングドライブを搭載
ガランテのムーブメントにはセイコーの「スプリングドライブ」が搭載されている点も魅力です。
スプリングドライブとは機械式時計とクォーツ時計の長所を合わせたムーブメントで、セイコー独自の駆動機構として知られています。具体的には動力源に機械式時計のようなぜんまいのほどける力を利用する一方で、時を刻むのは正確性に定評のあるICと水晶振動子を採用し機械式とクォーツ式のハイブリッドを実現しています。
動力が機械式であることから電池交換が不要なことに加え、特殊な構造によって耐衝撃性を高めていることが特徴です。
また、ほとんどのクォーツ時計の秒針は「チッ、チッ」と1秒ずつ進むステップ運針です。ところが、スプリングドライブは機械式時計のようなスイープ運針を採用していて、しかも他のブランドよりも一層滑らかに秒針が進みます。音も立てずに「スーッ」と進む秒針はセイコーの高い技術力の象徴でもあり、ガランテの大きな魅力のひとつです。
セイコーのイメージを覆す大胆さ
ガランテはセイコーのなかでも個性的なラグジュアリーウォッチという位置づけです。そのため、他のコレクションとは趣が大きく異なり、かなり大胆なデザインアイテムもあります。例えば、限定品として販売された「鉄腕アトム(Ref.SBLL005)」には、鉄腕アトムのイラストがケース部分に大きく描かれています。
また、変わったところでは「傷口」や「薔薇」をイメージしたアイテムもあり、前者は「強さを物語る眩い傷跡(Ref.SBLA105)」、後者は「ブラックバカラ(黒薔薇)(Ref.SBLA107)」として発売されました。いずれもこれまでのセイコーのイメージを覆すコンセプト・デザインといえるでしょう。
ガランテのおすすめモデル5選
ガランテはデザイン性と機能性を高レベルで融合した時計であり、市場でも人気があります。ガランテに興味を持った人の中には、どのようなモデルがあるか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここからはガランテのおすすめモデルを5つ紹介していくので、自分に合った時計を探している人はチェックしておきましょう。ただし、上述したようにガランテはすでに生産が終了している点には留意してください。
セイコーガランテ(Ref.SBLA067)
ムーブメントにスプリングドライブ(Cal.5R66)を採用したモデルで、コンセプトは「美しき傷跡」です。この傷跡は自分にとって大切な人や物を守ることで負った傷であり、いわば男の勲章ともいえるでしょう。
こちらのモデルの特徴はなんといっても文字盤のデザインで、曲線を多用したインデックスと秒針は独特の雰囲気を演出しています。また、文字盤は一見するとブラックですが、見る角度を変えることで虹のようにさまざまな色が混じった色彩に変化するのも魅力です。
全体的にメタリックなシルバーとブラックで統一されていることから、クールな腕時計を探している人におすすめのアイテムとなっています。
セイコーガランテ(Ref.SBLL017)
世界的に有名なロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」とのコラボモデルです。ストーンズといえば「赤い舌」のロゴが代名詞となっていますが、こちらのモデルはそのイラストを文字盤の中央に大きく配置した斬新なデザインが話題となりました。
また、ストーンズの結成50周年を記念して作成されたことから、50分を示す場所にはゴールドの星が輝いており、よいアクセントとなっています。
そのほかにもケースバックにあしらわれた「50」という数字の0部分はシースルー仕様となっており、ストーンズが結成されたイギリス国旗が見える粋な演出が施されているのも特徴です。ストーンズが表現するロックな世界観を見事に取り込んだ人気アイテムとなっています。
セイコーガランテ(Ref.SBLL005)
鉄腕アトムの生みの親である株式会社手塚プロダクションが監修した150本限定モデルです。文字盤に描かれているイラストは同社が作成したものですが、いつものアトムとは表情が少し違っています。
アトムがファイティングポーズをとるときは口を閉じていることが多いのですが、こちらのモデルに描かれているアトムは口が開いているのが特徴です。これは内箱に記載されている「いくぞガランテ!」という言葉を発している状況を再現しているためで、セイコーの細かなこだわりと遊び心が感じられるデザインとなっています。
文字盤には宇宙をイメージしたコズミックブルーと星をイメージしたホワイトが用いられ、裏面にはロボットでありながら人間のような温かい心を持っていたアトムを表現する赤いハートもあしらわれています。限定モデルならではの特別仕様となっているので、アニメファンの人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
セイコーガランテ(Ref.SBLA105)
世界限定50本で発売された個性が強いモデルで、ベゼルには旧約聖書に登場する「アダムとイブ」がいたエデンの園をイメージした蛇と果実が描かれています。一方、文字盤は見る角度でどのような色にも見えるブラックと美しい白蝶貝が配置されており、そのコントラストが見る人を魅了します。
紫色のステッチが入ったクロコダイルストラップや同じく紫色のGMT針も白蝶貝の鮮やかさを際立たせるのに一役買っており、このモデルを初めて見る人は思わず二度見してしまうほどのインパクトを受けるでしょう。
「SEXY RICH」をコンセプトにしているガランテらしさが随所に感じられるアイテムなので、これまでにないデザインを追い求めている人には特におすすめです。
セイコーガランテ(Ref.SBLA053)
薔薇の側面をモチーフにした文字盤が特徴的なモデルです。文字盤のほとんどを占めるほど大きく描かれた白い薔薇のデザインと美しくカットされた大きめのインデックスの相性がよく、印象に残るアイテムとなっています。
ケースサイズも44mmとセイコーにしてはかなり大きいことから、ラグジュアリーでありながら男性的な重厚感も感じられるモデルです。
セイコーガランテは個性あふれる伝説のコレクション
セイコーガランテは2005年に発表されたコレクションです。現在は残念ながら生産終了となりましたが、従来のセイコーとはまったく違う個性を前面に押し出したデザインの数々が時計愛好家から高く評価されている事実に変わりはありません。
もしガランテの売却を考えているなら、一度査定に出してみてはいかがでしょうか。ロデオドライブではガランテも含むセイコーブランドの買取強化を行っています。
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