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ロレックスの裏蓋に刻印がないのは真贋不明品? 刻印のあるモデル、真贋不明品の判別ポイントを紹介

ロレックスは、数ある高級腕時計の中でも特に高い人気を誇るブランドです。しかし、流通量が限られているだけに、数多くの真贋不明品が出回っているのも事実です。ロレックスの本物と真贋不明品を判別する際のポイントの一つとして挙げられるのが「裏蓋に刻印がない」点ですが、実際はどうなのでしょうか。
本記事では、ロレックスの裏蓋に刻印がない理由や、裏蓋に刻印がないことのメリット、真贋不明品を判別する際に押さえておきたいポイントなどを解説します。ロレックスの真贋不明品を見破るヒントが知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ロレックスの裏蓋に刻印がなくても真贋不明品とは限らない
通常、高級腕時計の裏蓋にはブランド名やモデル名、シリアルナンバーなどが刻印されています。ロレックスも同様に、裏蓋でモデル名やブランド名を確認できるものもあります。
腕時計の刻印は、本物のロレックスであると見分ける上で重要な情報の一つです。しかしながら、ロレックスの全モデルの裏蓋に刻印が施されているわけではありません。場合によっては、裏蓋以外の箇所に刻印があります。特に、ヴィンテージや特定のモデルの中には、裏蓋の刻印がないものも多く見受けられます。
そのため、裏蓋の刻印の有無でロレックスが真贋不明品かどうかを判断できる、とは一概にいえない点に注意しましょう。
ロレックスの裏蓋に刻印がない理由
ロレックスの裏蓋の刻印は、ブランドの歴史や時代とともに変化し続けています。初期の製品では、裏蓋にブランドロゴやシリアルナンバーなどの刻印が施されていました。
しかし、2000年代になると、ロレックスの人気とブランド力の高さから需要が増え、刻印を模倣した真贋不明品も多く出回るようになります。中には、プロの鑑定士に見てもらわないと見破れないほど、精巧かつ完成度の高い真贋不明品も少なくありません。
真贋不明品の流通は、ロレックスの愛好家、そしてロレックス側にとって大きな損失です。
対応策として、ロレックスは裏蓋の刻印をシンプルにする、あるいは完全に省略することで、真贋不明品との見分けが付きやすいようにしてブランドイメージの保護に努めました。
現在生産されているロレックスは、裏蓋に刻印を施す代わりに文字盤などのパーツにシリアル番号が記載されているモデルが多数を占めます。
ロレックスの裏蓋にネームが刻印されていることもある
ブランド時計には、記念日や誕生日などの節目に、特別な一品として購入する・贈呈するなどの用途もあります。ロレックスも同様に、裏蓋に送る相手や自分のイニシャル、日付などの刻印を施す人もいます。
思い出の品として大切にするために購入するようなケースであれば、ネームの刻印は問題ありません。しかし、資産としての保有を検討している場合は要注意です。オリジナルの刻印を施すと、ロレックスの製品としての価値が下がってしまい、将来的な売買にも影響します。
そのため、中古品のロレックスを購入する場合、裏蓋にオリジナルの刻印が入っていないかを確認することも大切です。
ロレックスの裏蓋に刻印が入っているモデル
先述の通り、ロレックスの時計の中には文字盤に刻印が施されている製品もあり、現在のモデルでは主流となっています。しかし、文字盤ではなく裏蓋に刻印が施されているロレックス製品もあります。ここでは、裏版に刻印が施されている主なモデルをピックアップし、それぞれの特徴や刻印の内容を見ていきましょう。
シードゥエラー/ディープシー
シードゥエラーとディープシーは、ロレックスが手掛けるダイバーズウォッチの代表的なモデルです。
シードゥエラーは50年以上の歴史があり、1,220mもの高い防水機能を備えたダイバーズウォッチです。洗練されたフォルムとともに、優れた防水性、耐傷性、耐蝕性を備え、水中でのさまざまな作業で機能を発揮します。
ディープシーは深海3,900mの高い防水性を備えたダイバーズウォッチです。深海に降下する潜水艇と同様の耐圧性、精度、信頼性から多くのプロダイバーの高い支持を得ています。
両者の違いとして、深海での使用に耐えるために、ディープシーの方がシードゥエラーよりもケースサイズが大きめで重厚感がある点が特徴です。
両者とも、裏蓋側にロゴマークなどの刻印が施されているモデルです。
ミルガウス
ミルガウスは、ロレックス製品の中では唯一、医師やエンジニア、科学者などの使用を想定して開発された、対磁性能を持つモデルです。名称の「ミル」は「1000」、「ガウス」は「磁束密度」を意味します。
ミルガウスはユーザーが限られるため一時生産終了となりましたが、その後復活しました。中でも、イナズマ針を備えたファーストモデルや、グリーンサファイア風防を採用したアニバーサリーモデルは高い人気を誇ります。しかし、2023年に再びミルガウスは生産終了となりました。
ミルガウスの刻印は、文字盤の裏だけでなくインナーケースの裏蓋にもあります。文字盤の裏にはロゴやマークの刻印、インナーケースの裏版には磁束密度の記号である「B」の文字と右向きの矢印が刻印されています。
ロレックスの裏蓋に刻印がないことのメリット
ロレックス製品の多くには裏蓋に刻印が施されていません。裏蓋の刻印がないことには、主な2つのメリットがあります。一つ目は、裏蓋に余計な文字が入っていないことでデザインが洗練されて高級感が増す点、2つ目は先述の通り、市場に数多く出回っているロレックスの真贋不明品との判別がしやすい点です。
それぞれのメリットを、以下でもう少し詳しく見ていきましょう。
デザインが洗練される
デザインは、余計なものがない方がスッキリして、美しさやフォルムがより目立ちます。ロレックス製品も、裏蓋に刻印しないことでよりデザインがシンプルになり、ブランドとしての高級感が増すとともに、洗練された高度な技術が際立つようになります。
特に、プラチナやゴールドなどの高級素材を採用しているモデルの場合、刻印が省略されている方が、素材本来の輝きと魅力によりスポットが当てられるのが強みです。
真贋不明品と判別しやすい
先述した通り、ロレックスは初期にはあった裏蓋の刻印を省略することで、真贋不明品と判別しやすくするポイントとしています。ロレックスは高級腕時計の中でも真贋不明品が特に多く出回っているブランドであるだけに、目に見える形での判別のしやすさは重要です。
この特徴は、ロレックスのブランドイメージの維持にも役立っています。一般的な腕時計メーカーでは裏蓋に刻印を施していますが、ロレックスの場合はあえて裏蓋の刻印をなくしたことが、他ブランドとの違いの明確なアピールにつながっています。
ロレックスの真贋不明品に注意
そもそも、ロレックスにはなぜ多数の真贋不明品が多く出回っているのかというと、そのブランド力の高さにより人気がありながら生産数が限られ、絶対的な流通量が少ないためです。
ロレックスは一つひとつ職人が手作りしているため、大量生産ができません。愛好家の間でも入手はかなり困難であるため、ロレックスには高い資産価値が付き、かつ年々上がっています。
中でもデイトナやサブマリーナーは特に人気の高いモデルです。真贋不明品の中でも、本物と見分けるには鑑定士の目でなければ本物との見分けがつかないほどに完成度が高い「スーパーコピー品」は、特に注意が必要です。
ロレックスの購入時に真贋不明品を掴まされないよう、注意すべきポイントを次項で解説します。
ロレックスの真贋不明品を判別するポイント

ロレックスを購入する際、自分自身でそれが真贋不明品でないかどうかを判断するには、いくつものポイントを押さえながら、細部までしっかりチェックして本物との違いを見極めることが重要です。
ここでは、ロレックスの真贋不明品と判別できる各ポイントを、一つひとつ見ていきましょう。
クラウン(王冠マーク)のロゴ
ロレックスブランドを象徴するのが、クラウン(王冠マーク)のロゴです。リューズや文字盤の12時の位置に刻印されているクラウンは、模造防止のために、精緻な印字と彫刻によって仕上げられています。クラウンのデザインが違っていたり、プリントが明瞭ではなかったりする場合、真贋不明品であると考えられます。
また、製品の各所に「ROLEX」のロゴのフォントが刻印されていますが、本物の製品ではフォントの上下が細く、左右に対して太いのが特徴です。フォントの太さが均一である場合、真贋不明品と考えられます。
シリアル番号
ロレックス製品のシリアル番号は、本体のどこかに必ず刻印されています。シリアル番号は、ケースに刻印されている場合もあれば、文字盤内の6時の側の位置に印字されている製品もあります。
シリアル番号そのものが印字されていない場合、真贋不明品と見てよいでしょう。
シリアル番号は保証書にも記載されているので、購入前に、本体のシリアル番号と一致するかどうか確認するのがおすすめです。
夜光塗料の塗り
ロレックスの文字盤には、夜間や暗い場所でも時刻をはっきり確認できるよう、数字や針に夜光塗料が施されています。本物のロレックス製品であれば、夜光塗料が丁寧に塗られているため、暗闇でも時間をはっきり読み取れるのが特徴です。
真贋不明品ではこの夜光塗料の塗りが粗く、塗料がはがれることもあるので、文字盤の見え方にムラがあります。
秒針の動き
本物のロレックスの秒針は、一般の腕時計と比べると、本体に耳をぴったり付けてみても音がするかどうか分からないほどに静かです。ロレックスの内部は何百ものパーツが組み合わさった構造のため、秒針は音を立てず、滑らかな動きをします。
真贋不明品の場合、内部構造が本物ほどには細かい作りになっていないため、秒針は滑らかではなくカクカクした動きを見せ、かつカチカチと音がするのが特徴です。
自分で判断できないときの対処法

ロレックスが本物か真贋不明品かを判別するポイントは、前述の4項目以外にもあります。しかし、細部を見るためにルーペが必要な上に、素人では判別が難しい項目も多く、確実性には限界があります。
自己判断に迷ったら、買取ショップでプロの査定を受けるのがおすすめです。ただし、一般的に査定は売却を前提とした顧客向けのサービスとなり、査定のみを受け付けている店舗は少数です。
査定後にキャンセルする場合はキャンセル料が発生するお店も少なくありません。そのため、価格によっては売却を検討している、あるいは自分が所有するロレックスの価値を把握しておきたい場合であれば、査定は有効な手段といえるでしょう。
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ロレックスの裏蓋の刻印の有無だけでは、真贋不明品と判断できません。現在、ロレックスは一部のモデルを除き、裏蓋の刻印を排除して別の箇所に刻印を施すことで、真贋不明品との差別化を図り、ブランドイメージの維持を図っています。
自身で真贋不明品か本物かを見分けるポイントはいくつかありますが、素人では確実性に欠けるため、プロに査定を依頼するのがおすすめです。
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