COLUMNコラム
金が酸化しない理由とは? 金ジュエリーの酸化・変色の対処・予防法まで紹介!
金は酸化しないという話を聞き、なぜ酸化しないのか気になっている人は多いかもしれません。金を保有している人の中には、「自分が保有している金は酸化・変色したけれど、本物ではないの?」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、なぜ金は酸化しないのか、金製品が酸化や変色した理由、対処法や予防法などを徹底解説します。
目次
金は錆びない? その理由とは?
金が錆びない理由は、金が化学的に安定した金属のため他の物質と反応しづらいからです。金は酸性・アルカリ性どちらの水溶液にも反応せず、溶かすためには1,064度以上で加熱しなければならないなど、高い安定性と耐久性を持っています。
そもそも金属が錆びるのは、金属が空気中に含まれる酸素や水分に触れて反応するからです。これを「酸化還元反応」といいます。金属は酸化還元反応により陽イオン化すると酸化して錆びますが、金は陽イオンになりにくい性質です。
金は「錆びない」という性質を持っているため、宝飾品だけでなく、電子機器や医療現場など幅広い分野で使用されています。長い間美しい輝きを保ち続けることから、かつては「不老不死の象徴」として扱われたこともありました。
金が溶ける王水とは
金は安定した金属なので錆びることはなく、他の物質とも反応しづらいと解説しました。しかし世の中には唯一金を溶かせる液体があります。それが「王水」です。
王水とは、濃塩酸と濃酢酸が混ざった非常に強い酸性の液体のことです。金やプラチナなど、他の液体には反応しないような金属も溶かしてしまうほど高い酸化性を持っています。ただし酸に強いイリジウムやタンタル、さらに王水に触れると表面に塩化銀を生成し酸化を防ぐ銀は、ほとんど溶けないといわれています。
王水は西暦800年頃に、アラブのアブー・ムーサー・ジャビール・イブン・ハイヤーンというムスリム科学者によって発見されました。第2次世界大戦中には、ノーベル賞の金メダルが奪われるのを防ぐために、金メダルを王水で溶かして保管したという話も残っています。
金製品が酸化・変色する理由
金は酸化しにくく錆びない金属です。とはいえ、中には金のジュエリーや金製品が酸化してしまった、変色してしまったという人もいるかもしれません。大切に保管していたはずなのに、酸化や変色していることに気が付くとがっかりしてしまいます。
実は金製品の全てが完全に酸化も変色もしない、というわけではありません。ここでは、金製品が酸化・変色する2つの理由を解説します。
金ジュエリーには割金が使用されていることが多いから
1つ目の理由は、「金ジュエリーには割金として、酸化しやすい金属が含まれているケースが多い」からです。
金製品の純度はさまざまで、99.99%以上の金でできている純金(24金)と、割金を混ぜた合金(18金や10金など)があります。純金は金属として高い安定性と耐久性がある反面、柔らかいため細かく加工するのが難しかったり、傷つきやすかったりします。そこで金を加工しやすく、強度も高めるために混ぜ合わせるのが割金です。
割金として使われる金属は、銀や銅、ニッケル、パラジウムなどが一般的です。割金に使われる金属は、金ほど安定性の高い性質ではありません。そのため純金以外の金製品は、空気中の酸素や水分、洗剤、化学薬品、汗や皮脂に反応して酸化したり変色したりしてしまうことがあります。
メッキがはがれているから
金製品だと思っていたものが、実はメッキだったというケースも考えられます。金メッキは、金以外の金属の表面に金を薄く塗るようにして加工します。金メッキと同じように、表面に薄い金属を貼り付けたものが金張りです。
一見メッキとは分からない製品もあります。金製品なのか金メッキもしくは金張りなのかは、重さや刻印を確認したり、専門店で調べてもらったりすると分かります。金メッキ製品や金張り製品は金製品に比べて軽いのが特徴です。
また刻印は金メッキなら「GP」、金張りなら「GF」と記載されているのが一般的です。他にも「GS」「GR」「RGP」などと記載されているものもあります。
金メッキの場合、メッキがはがれると中の地金が見えるため、その部分が変色しているように見えます。特に安価であるほどメッキ処理がしっかりされていないものもあり、表面がはがれやすいため注意が必要です。
金製品が酸化・変色した時の対処法
万が一金製品が酸化したり変色したりした場合、いくつかの対処法があります。
ただし宝石が付いているジュエリーやメッキ製品の場合は、どの方法でも対処できるわけではありません。宝石の種類によっては、水洗いや洗剤を付けてはいけないものもあるため、事前に宝石の特性を確認してみましょう。
中性洗剤とぬるま湯で洗浄
単に汚れて変色している場合は、中性洗剤とぬるま湯で洗うときれいになります。使用する洗剤は、自宅にある食器用洗剤で構いません。
ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、金製品を入れたら15~30分程度置いておきましょう。細かいデザインのジュエリーなどは、仕上げに柔らかい歯ブラシで優しくこすります。最後にぬるま湯で洗剤をしっかり流したら完了です。小さなジュエリーをぬるま湯ですすぐ際は、茶こしを使用すると排水溝などに流してしまう心配がありません。
ジュエリーなどのスペシャルケアとして覚えておくと便利です。ただし純金や22金など、金の純度が高いものは特に傷が付きやすいため、歯ブラシは使わずにお手入れした方が安心です。
レモン汁や酢を使用
酸化による錆が発生している場合は、レモン汁や酢を使った対処法があります。レモン汁や酢に含まれる酸により酸化還元反応が起きて、酸化する前の状態に戻すことができるからです。
やり方は簡単で、レモン汁や酢に金製品を入れて5~10分程度浸し、最後は水でよく洗い流して水分を拭き取るだけです。酢を使用する場合、塩を加えると効果がアップします。
ただし、宝石が付いているジュエリーはその宝石が酸に弱い可能性があります。そのため対処法を試すのは、宝石や金地金以外が使用されていないシンプルな金製品のみにしましょう。
重曹を使用
金製品が硫化して変色する場合もあります。硫化による変色とは、割金として銀が使われている金製品に、汗や温泉に含まれる硫黄が反応して黒っぽく変色することです。
まず金製品が入るサイズの容器にアルミホイルを敷き、「お湯:重曹=3:1」の割合の溶液を作ります。ここに金製品を入れて漬けておくと黒ずみが取れることがあります。他にも綿棒に少量の重曹を付けて水で濡らし、変色した部分を優しく磨いたら水で洗い流す方法もあります。
とはいえ硫化による変色の場合、自分できれいに対処するのは難しいので、後述する専門店に相談する方法を選ぶのがおすすめです。
専門店に相談
金製品の酸化や変色は自分でも対処できますが、一番確実なのは専門店に相談してみることです。金製品を購入した店舗や金製品のクリーニング・リペアを行っている専門店に相談してみましょう。
専門店なら金製品に適した方法でお手入れしてくれたり、超音波洗浄機を使って自分ではケアできない部分まできれいにしてくれたりします。金製品の状態によっては、新品のような輝きが戻る可能性もあるでしょう。
また金メッキがはがれたなど、自分では対処できないケースも対応してもらえることがあります。金製品を購入した店舗によっては無料で再メッキをしてくれるところもありますが、再メッキの金額は専門店によって異なります。まずは購入店舗に相談してみるのがおすすめです。
金製品の酸化を防ぐための注意点
金製品は酸化や変色してしまっても対処はできますが、場合によっては取り返しがつかなくなってしまうケースもあるかもしれません。そこで日々のお手入れや保管方法などを意識すると、酸化を防げます。ここからは金製品の酸化を防ぐための注意点を確認してみましょう。
入浴時やメイク時には金ジュエリーを外す
割金が含まれている金ジュエリーは水分の影響で酸化してしまうことがあるため、入浴やプール、調理の時は外しましょう。
また、金製品は水分だけでなく、汗、皮脂、化粧品に含まれる成分により酸化する可能性もあります。汗をかきやすいサウナやスポーツ時、さまざまな化学成分が含まれる製品を使うメイク時なども外した方が安心です。特に香水や日焼け止めに含まれる成分には注意が必要です。
さらに、金は熱伝導率が高いことから、金ジュエリーを着用しながらサウナに入ると、ヤケドの危険も考えられます。
金ジュエリーを外した後、汚れを軽く拭き取る
金ジュエリーを外した後は、汗や皮脂、汚れを軽く拭き取る習慣を付けましょう。外した後のこのひと手間で、ある程度酸化を予防できます。汚れが付着したまま長期間保管していると酸化しやすくなるため、金属用のお手入れ専用クロスや柔らかい布で優しく拭き取りましょう。
ただし、金属用のクロスには研磨剤などが使用されていることがあります。金メッキの場合は、研磨剤が使用されたクロスで磨くと傷が付くかもしれません。金メッキは柔らかい布を使用した方が安心です。
なるべく空気に触れないようにする
割金が含まれる金製品は、長期間空気に触れると酸化してしまうこともあります。そこで着用時以外は専用のジュエリーボックスなどに入れて保管しましょう。密封できるジップ付きの袋に入れて空気を抜いた上で、ジュエリーボックスなどに保管するのもおすすめです。
保管する際は、ジュエリー同士が付かないように、一つひとつ分けるのがポイントです。複数をまとめて保管していると、ジュエリー同士でこすれて酸化したり、傷ついたりする可能性があります。
金製品の酸化に対処しよう
金は安定性の高い金属で、基本的に酸化することはありません。しかし割金が含まれる金製品や金メッキ製品は、空気中の酸素や水分、汗や皮脂などの影響で酸化してしまうことがあります。対処方法がいくつかありますが、日頃から小まめにお手入れをしていれば、美しい輝きを保ち安くなります。
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