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COLUMN

2024.04.24 (最終更新日2024.04.24)

金とダイヤモンド、資産価値があるのはどっち?さまざまな要素から違いを解説します!

金とダイヤモンドは見た目の美しさから宝飾品としても人気が高く、長年人々を魅了し続けています。どちらも希少性が高く、世界中で資産としての需要もある点が共通しています。婚約指輪はその昔、結婚する二人の資産として考えられたこともあったほどです。では、金とダイヤモンドはどちらの方が資産価値は高いのでしょうか?

金とダイヤモンドの違い

金とダイヤモンドは資産としても人気が高く、多くの投資家たちが金やダイヤモンドを資産として保有しています。しかし金には「純金積立」という投資が存在しますが、ダイヤモンドにはありません。

ダイヤモンドにはさまざまな評価基準が存在し、金のように単純に1gいくらという価格決定が出来ません。また、価格・価値をコントロールされているため「需要と供給による本当の価格が不明瞭」だという意見もあるのです。

以下では資産価値としての目線から、金とダイヤモンドの違いを解説していきます。

金とは

金とは元素記号Au、原子番号79の金属のこと。元素記号のAuはラテン語で金を意味する「aurum」から由来しています。金は柔らかい性質を持ち、傷つきやすく変形しやすいことから、パラジウム・銀・銅など他の金属を割金として混ぜ、合金にして利用しています。

人類が初めて発見した金属は金だと言われており、文明が始まった古代から現代に至るまで金はさまざまな分野で重宝されてきました。日本では装飾品・貨幣のほか、建造物や神社仏閣にも使用されています。

また金は人工的に作ることが難しい金属でもあり、その価値を未だに維持しています。

ダイヤモンドとは

ダイヤモンドは炭素からできており、地下120~200kmほどの地球の奥深くで数十億年の時をかけて生成される鉱物です。宝石として装飾品としての用途以外にも硬度の高さを活用し、掘削や医療用のメスのパーツとしても利用されています。

ダイヤモンドは「天然の物質の中」では、摩擦やひっかき傷に対する強さを示すモース硬度が最高クラスの10で、押込み硬さの一種であるヌープ硬度も7000-8500と、他の宝石と比べると飛び抜けて硬い特徴を持ちます。カットが施されたダイヤモンドは高い屈折率と分散率により、ディスパージョンと呼ばれる虹色の輝きを見せてくれます。

金とダイヤモンド、どちらのほうが資産価値はある?

金とダイヤモンドはどちらも希少性の高さから需要がありますが、ダイヤモンドは近年希少性に疑問を投げかける声が増えています。というのもダイヤモンドは市場に出回る量を制限することで価格操作し、その価値・価格を安定させていると言われているからです。

また、ダイヤモンドは純金に比べても膨大な量が地中深くに存在するとも言われています。さらに、天然に引けを取らない品質の人工ダイヤモンドが生成出来るようになったことも、金に軍配が上がる要因の一つです。

投資としておすすめなのは「金」と言えるでしょう。詳しい理由は以下で順番にご説明します。

金は相場価格が変動する

金は株価などと同じく相場価格が毎日変動します。短期間で利益を出すのは難しいものの、価値が下がりにくく景気による変動にも影響が少ないことから、安定性の高い資産として人気があります。
また、金は実物資産のため無価値になる心配がありません。世界情勢が不安定になるほど安定した資産である金に需要が高まり、価格が高騰する傾向があります。

金の毎日の価格相場は田中貴金属工業などの金専門会社のサイトか、新聞でも確認することが出来ます。なお新聞の場合は一日前の価格となりますので注意しましょう。

金の相場の決定方法

金の相場は金以外の商品と同じように、「金を買いたい」人が増えると金相場は上昇し、「金を売りたい」人が増えると下落します。金は世界中で取引され、金の「現物価格」の指標はロンドンの金市場で「先物取引(今決めた価格で将来の売買を行うと約束する取引)」の相場は、ニューヨークの金市場が指標となっています。

金は国際的に商品の価格表示をドルで行う米ドル建てで取引されているため、日本ではドル円為替相場も金の相場に関係してきます。
例えば1ドル100円のときに10,000円(100ドル)で売却可能な金は、1ドル90円時の買取価格は9,000円、1ドル110円時の買取価格は11,000円となります。この場合、1ドル90円時には金を買う方が、1ドル110円時には金を売る方がお得ということになります。

ダイヤモンドは価格設定が難しい

金は相場価格が決まっているため一括で査定できますが、ダイヤモンドは品質を評価する品質評価国際基準「4C」の他、ブランドやデザインも価格決定に関わってくるため、固体差が大きく、価格を断定するには難しい部分があります。

天然ダイヤモンドの価格設定が難しい中で、近年ではラボグロウンダイヤモンドという人工的に作られた、質のいい合成ダイヤモンドが世界的に注目されています。
天然のダイヤモンドと本質的に同じ化学組成・結晶構造・物理的特性を持っているラボグロウンダイヤモンドは、環境負荷の少ないダイヤモンドとして受け入れられつつあります。

ダイヤモンドの価格の決定方法

ダイヤモンドの価格は3つの要因と、 品質によって価格が決まります。1つ目の要因は「需要と供給による価格変動」です。ダイヤモンドは原油・鉄鉱石などの資源相場と同じく、市場動向にあわせ供給量を調整して原石相場が形成されます。
2つ目の要因は「外国為替相場」です。ダイヤモンドは全て輸入商品なため、輸入時の為替レートによっても価格が変動します。
そして3つ目の要因は「流通経路コスト」です。小売店舗に届くまで一次卸、二次卸メーカーなど多くの中間業者が介在し、それぞれマージンが上乗せされていますので、最終的な価格は流通経路によっても異なります。

ダイヤモンドの品質は、品質評価国際基準「4C」が基準となっています。4Cとはカラット(Carat)・カラー(Color)・クラリティ(Clarity)・カット(Cut)の4つの評価基準のこと。4Cの評価によっては同じカラット数のダイヤモンドでも、数十万の価格差が出ることもあります。

金とダイヤモンド、どちらの方が希少価値はある?

結論から言うと、希少価値は金に軍配が上がります。

前述した通り、ダイヤモンドは市場への流出を調整して希少性と価格を安定させ、実は膨大な量が地中深くに眠っているといわれています。さらに質がよく、環境に優しい人工ダイヤモンドが注目されていることも事実です。一方純金は限りのある資源で新たな鉱脈が見つからない限り価値が下がることは無いでしょう。

近年、水銀を金にする技術が発見されましたが、使用する水銀も一部の同位体に限る上、中性子線を長期間浴びせるために原子炉の中に長い時間保管しなくてはならず、かかる資金は1g100万円とも言われ、現時点では現実的ではありません。

金とダイヤモンド、産出国の違いは?

金の産出国は中国・オーストラリア・ロシア・カナダ・アメリカが上位5カ国となっています。中国の広大な土地には未開発の地域が多く、近年では超大型金鉱が発見されました。
また中国国内での需要の増加と共に、外貨獲得の有力な手段として注目した中国政府が積極的に採掘を推進しています。今後しばらくは中国の金の産出量は安定しているでしょう。

一方ダイヤモンドは世界三大ダイヤモンド産地である、ロシア・ボツワナ・コンゴといった、古い地質時代にはすでに固化し造山運動を受けなかった「安定陸塊(あんていりくかい)」と呼ばれる地域で採掘されています。
ロシアにはダイヤモンドを含む火成岩がまとまった、キンバーライトパイプが1,000カ所以上存在しており、大きく高品質なダイヤモンド原石が発掘されます。またボツワナでは良質なダイヤモンドが採れるとあって人気です。

金とダイヤモンド、保管のしやすさの違い

金もダイヤモンドも日常生活での保管については盗難に気を付ける程度で、保管条件はあまり気にしなくても構いません。しかしダイヤモンドは価値が大きく下がる恐れがありますので、取り扱いに注意が必要です。

ダイヤモンドを保管する際に気をつける点は主に2点あります。1つ目の注意点は「強い衝撃を加えないこと」。ダイヤモンドは傷が付きにくい鉱物ですが、衝撃には弱く金づちで叩くと砕けてしまいます。
2つ目の注意点は「高温」です。ダイヤモンドは炭素の塊なので、目安としては600℃を超えると炭素が黒鉛化、800℃で炭化、1,000℃以上でダイヤモンド自体が発火し焼失してしまいます。

もし、ダイヤモンドを保管している住宅が火災になってしまったらどうでしょう。火災発生直後の温度は500℃、1時間で945℃を超えると言われています。黒鉛化したダイヤモンドの資産価値は0に近いので、無価値になってしまう可能性があります。

一方、金に強い衝撃を与えて変形しても、金は金属自体に価値があるため、変形しても価値に影響はありません。火災などで高温に曝されても、金の融点は1,064℃といわれており、もし溶けたとしても常温になれば個体に戻りますので、金としての価値が損なわれることはないでしょう。

金とダイヤモンド、買取のしやすさの違い

金とダイヤモンドではどちらが買取されやすいのでしょうか?

傷も欠けもなく綺麗な状態のダイヤモンドの場合、鑑定書付きのダイヤモンドであれば買取されやすくなります。鑑定書とは品質を評価・鑑定する際に発行される品質保証書のことです。前述した4Cについての評価が記載されています。鑑定書が付いたダイヤモンドは価値が一目瞭然のため買取されやすい傾向です。

金は1g当たりの金額が明確のため、例え宝飾品の金具が壊れていても留め具が外れていても、地金として買取が可能です。一方ダイヤモンドの場合、傷がついていたり割れていたりすると買取は難しいでしょう。買取のしやすさだけで比べると、金の方が買い取って貰いやすいと言えます。

金とダイヤモンド、どちらも価値のある投資商品

金もダイヤモンドもどちらも「価格が安定している」「保管性・携行性が高い」「メンテナンスが不要」というメリットがあり、資産として一定の希少価値も高く、投資商品として不動の人気商品です。
金もダイヤモンドも比較的価値が世界共通なので、仮に海外に移住することになっても、金やダイヤモンドを保有していればいつでも現金化することもできるでしょう。

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