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金製品に刻印がないものがあるのはなぜ?刻印の種類や本物か確かめる方法を解説!
金製品に刻まれている刻印を見れば、その製品の詳しい情報を読み取れますが、中には刻印がない金製品も存在します。なぜ刻印のない金製品が存在しているのでしょうか。また、刻印のない金製品が本物の金かどうかを、確かめる方法はあるのでしょうか。
この記事では、金製品に入っている刻印の種類や、刻印がない金製品が本物かどうか自分で確認するための方法について解説します。お手持ちの金製品に刻印がなく正確な価値が分からないという人は、ぜひご一読ください。
目次
金の刻印とは?
金製品には、刻印が入っているケースが多く見られます。刻印は金製品の品質を保証したり、偽造を防いだりするために古くから使用されてきました。
金製品に刻まれた刻印は、その製品についての詳細な情報を伝えるためのものです。金の品位や製造者、重量といった基本的な情報の他に、固有のシリアルナンバーが記載されていることもあります。
金のアクセサリーやジュエリーの刻印は、装飾の妨げにならないように目立ちにくい場所に打たれていることが多いでしょう。アクセサリー類の刻印は下記の位置によく施されているので、確認してみてください。
- ネックレス:留め具またはプレート
- ペンダントトップ:裏側または外側、チェーンを通すためのカンの部分
- ブレスレット:留め具またはプレート
- バングル:内側または側面
- イヤリング:クリップの内側またはネジの部分
- ピアス:本体裏面とキャッチ
- 指輪:内側
- ブローチ:裏側や側面、針の部分
- 時計:裏蓋や裏蓋の内側
金の刻印が示すものにはどんな種類がある?
金の刻印にはさまざまな情報が含まれていて、刻印を確認することでその金製品の詳しい特徴が分かります。ここでは金に施された刻印が示す内容について、5つの項目を紹介します。
金製品の純度
金の純度を示す数字が、刻印として入れられているケースは多いです。金製品にどれくらいの割合で金が入っているか表すものを「純度」と言いますが、金の純度は「K24」「24金」といった24分率で表記されます。アルファベットのKは、「カラット」という単位です。
24分率では「24」が100%という考え方なので、「K24」や「24金」は純度99.99%~100%の純金を意味します。日本の造幣局では金の純度を示すのに1000分率を使用しており、24分率のカラット表示とは異なる表現をしています。
日本の造幣局は、金の純度を6区分に分けているのが特徴です。日本の造幣局で用いられている1000分率と、カラット表示の対応を下記の表にまとめてあるので、参考にして下さい。
造幣局で行っている金製品の品位証明区分 | カラット表示 |
999 | K24 |
916 | K22 |
750 | K18 |
585 | K14 |
416 | K10 |
375 | K9 |
出典:独立行政法人造幣局.「貴金属製品の品位区分と証明記号」.https://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-02.html ,(参照 2024-5-13日).
メッキなどの加工の有無
コスト削減や腐食の防止、表面の保護を目的として、メッキ・金張りなどの加工が施されている金製品もあります。金メッキや金張りの製品は、表面だけが金で覆われていて、内部には安価で加工しやすい真鍮などの素材が使われています。
金メッキには耐久性が低く、使用していてすぐに剥がれてしまうものもありますが、金張りは金メッキの100倍くらいの厚さで加工するため簡単には剥がれません。金メッキや金張りの製品によく入っている刻印を、以下の表で確認してみましょう。
鍍金(メッキ)の代表的な刻印
GP | GOLD PLATED 金メッキを意味します。 薄い金の膜で摩耗に弱く、耐久性は強くありません。ネックレスや男性のカフス、記念品の金杯などに使われることが多いです。 |
GEP | GOLD ELECTRO PLATED 電気メッキを意味します。 |
HE | HARD GOLD ELECTROPLATED 金メッキを意味します。 |
M / 1M / 3M / 5M | Mは「ミクロン」の意味で、メッキの厚さを示します。 「5M」は5ミクロンの厚さのメッキを意味します。 「K18 3M」なら、3ミクロンの厚さのK18メッキが施されています。 |
1/10、1/20 | メッキの厚さを表します。1/10は「10分の1ミクロン」です。 「1/10 K18」なら、10分の1ミクロンのK18メッキが施されています。 |
金張りの代表的な刻印
GF | GOLD FILLED 金張りを意味します。 高熱で圧着されていて一般的な金メッキに比べて層が厚く、摩耗に強い性質があります。 |
GS | Gold shelled 金張りを意味します。 |
GR | GOLD ROLLED 金張りを意味します。 |
RGP | ROLLED GOLD PLATE 金張りを意味します。 |
金メッキや金張りは、取り扱いに気をつけないと傷がついたり変色したりすることがあります。メッキや金張りを示す刻印が入っている金製品は、デリケートなため丁寧に扱いましょう。
品質を保証するホールマーク
金製品には、ホールマークが入っている場合があります。日本の場合は、造幣局が行う品位試験に合格した貴金属製品は、品位の証明としてホールマークが刻まれます。
日本のホールマークは日本の国旗である日の丸と、ひし形の内側に3桁の数字が入ったデザインです。ひし形の真ん中に記載されている数字は、貴金属の純度を1000分率で表しています。日本においてホールマークの刻印は任意で、本物の貴金属製品でもホールマークが刻印されていない場合があります。
ホールマークは国ごとに異なるデザインが使用されていて、国によっては貴金属製品に対してホールマークの打刻が義務付けられていることもあります。イギリスやフランスは国がホールマークを厳格に管理していますが、イタリアでは日本と同じくホールマークの刻印は任意です。
ブランドのロゴなど
ジュエリーブランドのアクセサリーなどに、ブランドロゴやブランド名が刻印されているケースもあります。代表的なジュエリーブランドの刻印を下記に挙げているので、参考にしてください。
ブランド名 | 刻印の特徴 |
ヴァンクリーフ&アーペル | ブランド名であるVan Cleef&Arpelsの頭文字を取った、VCAという文字が刻印されています。 |
ギンザ・タナカ | 五芒星の中心に「S」のアルファベットが入った「ホシエスマーク」が、品質の保証として刻印されています。 |
ケイウノ | オーダーメイドジュエリーの販売とリフォームを専門とするブランド。ブランド名の「K.UNO」が刻印として施されています。 |
ショーメ | フランスのジュエリーブランドであるショーメの製品には、伝統的なフランス製高級宝飾品の高い基準を満たした証として「CHAUMET」の刻印が入っています。 |
ジュエリーマキ | 四つ葉のクローバーに似たデザインのホールマークが刻印されています。 |
アイプリモ | ハートマークに筆記体で書かれたアルファベットの「P」が重なったデザインのブランドロゴが刻印されています。 |
ティファニー | 「TIFFANY&Co.」のブランドロゴが刻印されています。 |
ミキモト | アコヤ貝のマークに「M」のアルファベットが入ったデザインの刻印です。 |
ロイヤルアッシャー | 王冠をモチーフにしたマークが刻印されています。 |
メッセージなど個人的な刻印
結婚指輪や婚約指輪の内側には、2人の名前がイニシャルで刻んであるのが定番ではないでしょうか。イニシャルと一緒に入籍日や挙式日、プロポーズの日など、記念日の日付を刻印するカップルも多くいます。
指輪以外に、ネックレスなどのアクセサリーを贈るときにも、相手へのメッセージが刻まれることがあります。
「LOVE」や「Eternity」といった愛を誓う言葉を英語で入れたり、フランス語で「愛しています」を意味する「Je t’aime」という文章を入れたりと、バリエーションは多彩です。文字のほかにハートや星、花の模様などを刻印するデザインもあります。
なぜ刻印なくても本物の金なの?
手元にある金製品に、刻印が見当たらない場合もあるでしょう。しかし、刻印がない金製品でも、本物の金である可能性はあります。
金製品への刻印は製造された国によっては必ずしも義務ではなく、刻印があったとしても正確な情報が記載されていないケースもあります。中には金の純度を偽って刻印したものや、金メッキの製品を金製と刻印したものがあり、注意が必要です。
ただし古い時代の金製品やアンティークジュエリーには本物の金であっても刻印がない品も多数あり、刻印の有無で本物かどうかを判別するのは難しいケースもあるでしょう。
刻印のない金製品。本物かどうか確かめる方法
それでは、刻印が刻まれていない金製品を本物かどうか確かめるには、どうすれば良いのでしょうか。金の買取会社で鑑定を受けるのが確実ですが、自分で簡易的に金が本物かチェックする方法があります。
確認方法はいくつか存在しますが、ここでは2つの方法を紹介します。ただし、プロが行う正確な鑑定とは違うので、あくまで参考程度にしてください。
磁石を近づけてみる
金は、磁石に反応しないという特性を持っています。つまり、磁石を近づけたときに反応するものは、金ではない可能性が高いといえます。このとき使う磁石は、できるだけ強力なものを選んでください。
磁石を近づけたときに反応する場合、鉄やニッケル、コバルトなど、磁石に反応する金属に金メッキや金張りがされていることが考えられます。
ただし、磁石に反応しないからといって本物と断定はできません。磁石に反応しない金以外の金属に金メッキをしている可能性もあるからです。
触った感じ、持った感じ
手で触れたときの温度変化や、持ったときの重さで本物の金製品かどうか確かめるのも一つの方法です。金は熱伝導率が高い金属で、手に乗せたり握ったりしたとき、最初冷たく感じたとしてもすぐ人肌くらいまで温度が上がります。反対に、手の平にのせても冷たいままで温度がなかなか上がらない場合は、偽物の可能性があるでしょう。
重さで本物の金かどうか確かめるときは、手に持ってズッシリとした重さを感じるかどうか確認しましょう。金は密度が高く、金属の中でも比重が重い方です。持ったときに見た目のイメージよりも重いと感じたら、本物の可能性があります。
金メッキが施された製品は、本物の金製品に比べて軽いため、手で持ったときに見た目よりも軽いと感じられます。
ただし、触った感じや持った感覚で判断するのも、確実な判断方法ではないことは留意しておきましょう。
信頼できる買取会社に持ち込む
刻印のない金製品が本物かどうか、確実な鑑定結果を得るためには買取店に査定を依頼するのがおすすめです。多くの買取店は金の査定を無料で行っていますが、金の取り扱い実績が豊富なショップを選ぶようにしましょう。
金には買取相場があり、正確な査定を受けることで適正な価格で売却できます。刻印のない金製品を正しく査定するには、知識と経験が必要です。そのため、金についての専門知識を持ったスタッフがいる買取会社に依頼すると安心です。
刻印のない金も売却できる
金は刻印がなくても売却できますが、適正な査定を受けるには信頼できる買取会社を選ぶことが重要です。金の売却は、ぜひロデオドライブにお任せください。
ロデオドライブは、1954年創業の老舗ブランド買取ショップで、金のアクセサリーや金貨など金製品の査定にも精通しています。金製品であれば、チェーンが破損しているネックレスやゆがんでしまったリングであっても買取可能です。
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