COLUMNコラム
2022年オーデマピゲ新作の特徴と魅力まとめ。ロイヤルオーク50周年の記念モデルが勢ぞろい
オーデマピゲを代表するロイヤルオークは、2022年に50周年を迎えました。それを記念して2022年には多くの新作が発表されているのを、みなさんはご存じでしょうか。
この記事ではロイヤルオークの魅力と、ロイヤルオークを中心に2022年の新作を紹介していきます。高級腕時計に興味がある方は、チェックしていきましょう。
目次
ロイヤルオークとは?
ロイヤルオークが誕生したのは、今から50年前の1972年です。今でこそ、いわゆる「ラグスポ」と呼ばれるラグジュアリースポーツウォッチは人気のジャンルですが、発売当時はそれほど注目を集める存在ではありませんでした。
なぜなら、1970年代前半は高級時計というと「ドレスウォッチ」が定番であり、またそのドレスウォッチはゴージャスなゴールドのケースが一般的だったからです。
そうした常識に一石を投じたのがロイヤルオークです。ロイヤルオークは世界的な時計デザイナーであるジェラルドジェンタによるデザインで、特徴的な八角形のベゼルや、当時の常識を覆すステンレススティールケースを採用した画期的な腕時計でした。
しかし、斬新すぎるコンセプトや細部までこだわりぬいたデザインのせいで高価格帯のアイテムになってしまったことが影響し、市場に大きなインパクトを与えるには至りませんでした。
ロイヤルオークが再び注目を集めるようになったのは、後にパテックフィリップやヴァシュロンコンスタンタンなど、他の高級腕時計ブランドが続々とラグジュアリースポーツウォッチというジャンルに参戦したことがきっかけです。
現代では、ラグジュアリースポーツウォッチがトレンドになっていることもあり、ロイヤルオークはパテックフィリップのノーチラス、ロレックスデイトナのステンレススティールモデルなどと同じく、高い評価を受けています。
以下ではロイヤルオーク50周年の節目である2022年に発表された新作を紹介していきます。
2022年新作その1: ジャンボ エクストラシン(Ref.16202)
まず、ロイヤルオーク50周年にふさわしい新作の一つが、ロイヤルオーク ジャンボ エクストラシン(Ref.16202)です。かつて1000本限定で発売された初代ロイヤルオークRef.5402STの流れを受け継ぐスペシャルモデルとなっています。
初代ロイヤルオークは生誕から20周年の1992年にRef.14802とRef.15002、40周年の2012年には初代5402STを忠実に再現したRef.15202が発売されてきた過去があります。
2022年は50周年ということで、ファンの間で新作が発売される期待が高まっていましたが、それに応えるような見事なアイテムといえるでしょう。デザイン面は初代モデルを思わせる八角形のケースに、ベゼルに配置された力強さを感じさせるビスが個性を醸し出しています。また、機能面では最新のムーブメントを搭載したことで、さらに使い勝手が良くなりました。
参考定価は385万円、ケースサイズは39mmのみの展開となっています。
ムーブメントCal.7121
これまでジャンボは何度かモデルチェンジが行われてきましたが、そのいずれも初代と同じムーブメントが使われていました。しかし、今回はこれまで搭載されていたCal.2121から、Cal.7121に変更されており、ロイヤルオークのファンを良い意味で驚かせています。
具体的にはCal.7121に変わったことで「振動数の増加」「パワーリザーブ時間の延長」「ボールベアリングの搭載」といった点で性能がアップしています。振動数の増加によって、これまでよりも正確な時刻表示が可能になったうえ、パワーリザーブ時間の延長で実用性も高まりました。
そして、ボールベアリングの搭載によって、これまで以上に耐久性が向上し、長い期間使用できるアイテムに仕上がっています。
2022年新作その2:ジャンボ エクストラ シン オープンワーク (Ref. 16204)
50周年を迎えたロイヤルオークジャンボエクストラシンには、オープンワークというもうひとつの新作が発表されています。Ref.16202が初代ロイヤルオークのRef.5402STの流れをくむモデルだったのに対して、こちらは1996年に誕生したRef.25829を踏襲したモデルです。18Kピンクゴールドとステンレススティールというタイプの違う2つのバージョンが用意されているのも大きな魅力でしょう。
ムーブメントはCal.7124が搭載されており、同時期に開発されたCal.7121よりもパワーリザーブ時間がやや長く(約57時間)なっています。また、サファイアケースバックはシースルー仕様になっていて、ロイヤルオークの50周年を記念した特別なローターを眺められるのもファンにとってはたまらないポイントです。なお、参考定価は「要問合せ」、ケースサイズは39mmとなっています。
緻密なクラフツマンシップ
オープンワークモデルの魅力は何と言っても、オーデマピゲならではのクラフツマンシップにあふれたアイテムである点です。当該モデルのムーブメントには、324個もの入り角がありますが、それらはすべて職人の手作業で製造されています。
また、より精密な部品で時計を組み立てるために、デジタル制御マシンを用いてカッティングされたメインプレートとブリッジ、放電マシンを使用して製造されたパーツを用いているのも特徴です。
オーデマピゲはこれまでの長い歴史の中で、デザイン性だけでなく優れた機能性についても高い評価を受けてきました。オープンワークモデルはそうした歴史を支えてきた伝統を感じられる時計としても注目されています。
2022年新作その3: オートマティック(Ref.15550)
やや小ぶりなロイヤルオークを探している方におすすめなのが、オートマティック(Ref.15550)です。今回の新作では外装が現代的にアレンジされており、より洗練された美しさを感じられるモデルになっています。
具体的にはラグやブレスレットのデザインに対して、「従来よりもややシャープ」「ポリッシュ面が広い」といった変更が施されました。それによって、これまでよりもサテン仕上げと鏡面のコントラストが強調され、大人の雰囲気を演出するのに一役買っています。
また、文字盤にはこれまでの特徴だった「APロゴ」と「AUTOMATIC」の表記がありません。その一方で、新たに「AUDEMARSPIGUET」のロゴデザインをモデルチェンジし、配置しているのも変更点です。なお、参考定価は280万5,000円、ケースサイズは37mmです。
新たにcal.5900を搭載
2022年新作のオートマティックには従来のCal.3120ではなく、Cal.5900が搭載されています。Cal.5900はデイト表示付きの自動巻きムーブメントで、従来のCal.3120より薄型であるにもかかわらず、振動数が28800振動/時にアップ、またパワーリザーブは約60時間、防水性能が50mとこれまでの性能をキープしています。
ムーブメントが薄型になったため、全体的なケース厚も1㎜ほど薄くなっており、よりスタイリッシュな印象です。
2022年新作その4:クロノグラフ 38mm(Ref.26715)・41mm(Ref.26240)
クロノグラフタイプにも2021年に続いて、待望の新作が発表されました。2022年新作のクロノグラフはバリエーションの豊富なことが特徴で、すべて合わせると17種類ものアイテムが発売されています。
また、サイズ展開は38mmと41mmの2種類用意されていますが、それぞれ違うムーブメントが採用されているのも魅力でしょう。41mmのムーブメントにはこれまでロイヤルオークのクロノグラフで定番となっている「Cal.2385」に変えて、新たに「Cal.4401」が搭載されました。
Cal.4401はフライバック式でありながら直径32mm×厚さ6.8mmという薄型を実現したムーブメントとして知られており、当該モデルの価値をさらに高めるのに貢献しています。
2022年の新作に施された改良はあまり目立たないものもありますが、単なるアップデートではなく、新リファレンス番号が付与されています。
カーキのグランドタペストリーダイヤル
2022年新作の中でも目を引くのが、近年の高級腕時計でトレンドとなりつつあるグリーンを採用したモデル(Ref.26240OR.OO.D404CR.01)です。18Kピンクゴールドのケースに対して文字盤をカーキのグランドタペストリーダイヤルにすることで、高級感を演出しています。
蓄光処理を施したピンクゴールドのアプライドアワーマーカーとロイヤルオーク針で視認性も良好です。Ref.26240OR.OO.D404CR.01はケースサイズが41㎜、価格は830万5,000円です。
しかし新作のグリーン文字盤綺麗だったなぁ
— り (@ARCTERYX250) March 8, 2022
3針出たら欲しいなぁ!#オーデマピゲ #ロイヤルオーク
2022年新作その5:フライングトゥールビヨン(Ref.26730)
トゥールビヨンとは時計の心臓部である渦巻状のヒゲゼンマイへかかる重力の影響を減らすための機構です。正確な時刻を刻むためには、ヒゲゼンマイが規則正しく動かなくてはいけません。
しかし、重力の影響を受けるため制御が難しいことが課題でした。そこで、天才時計師と呼ばれたアブラアン・ルイ・ブレゲが1800年に考案したのがトゥールビヨンです。現代ではパーペチュアルカレンダーやミニッツリピーターとともに世界三大複雑機構に数えられています。
フライングトゥールビヨンは、トゥールビヨンにさらに改良を加えた機構で、ブリッジと呼ばれる部品をあえてなくし、よりゼンマイの動きを見やすくしたアイテムです。そんなフライングトゥールビヨンが搭載された新作が2022年に3モデル発表されました。なお、参考定価は要問合せ、ケースサイズは41mmです。
50周年の特別なロゴ入り
50周年を記念して製作されたフライングトゥールビヨンには、特別な装飾が施されています。それが、「50 Years」というロゴがデザインされたゴールドローターです。シースルー仕様のケースバックから眺められる大きな50という文字は、この年に発表されたモデルならではの満足感をユーザーに与えてくれることでしょう。
美しいムーブメントの動きとともに、当該モデルの付加価値を高めるのに一役買っています。価格は「要問合せ」となっていることから、それ相応の値段が予想されますが、他の人が持っていない特別なアイテムが欲しい人におすすめです。
2022年新作その6:CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ パーペチュアルカレンダー(Ref.26394)
こちらはロイヤルオークではありませんが、2019年に発表され、名称に込められた時計製造への理念と優れたデザイン性が話題になったCODE 11.59の新作です。一見するとラウンドウォッチのようですが、側面から見るとミドルケースがロイヤルオークの特徴である8角形になっていることが分かります。オーデマピゲのコレクションに新しく立体的なデザイン性をもたらすことに成功したアイテムです。
風防ガラスの緩やかなカーブと光の反射が織りなす美しさはCODE 11.59ならではで、見る人の心を魅了します。後述する独特な文字盤と合わせて、伝統と現代的な造形美が上手くマッチしたアイテムとなっています。なお、価格については「要問合せ」で、ケースサイズは41mmです。
星空を思わせるブルーアヴェンチュリン
Ref.26394の特徴は何と言っても、雄大な星空をイメージさせるブルーアヴァンチュリンの文字盤でしょう。濃いブルーの中に夜空に浮かぶ星々を連想させるようなデザインはとても幻想的で、ロマンチックな印象すら与えます。
また、アワーマーカーと針は蓄光処理を施した、ブルーによく映えるホワイトゴールドであることから視認性も抜群です。ワンポイントで3時位置にあるポインターデイトの31という数字のみ赤色を配置しているのも、センスの良さを感じさせます。
ブレスレットには文字盤によく似合うブルーラバーのストラップが採用されていて、全体の印象を良い意味で引き締め、クールさが増しているのもポイントです。
パーペチュアルカレンダーを搭載
Ref.26394には自社製の自動巻きムーブメントである「Cal.5134」が搭載されています。こちらのムーブメントは世界三大複雑機構の1つであるパーペチュアルカレンダー機能がついているのが特徴です。
正確な日付表示を可能にするパーペチュアルカレンダーによって、Ref.26394は4年に1度のうるう年もしっかりと把握し、しっかりと巻き上げ続ければ2100年まで日付修正の必要がありません。Ref.26394は文字盤に代表される美しいデザイン性と高い機能性を両立させたアイテムだといえます。
オーデマピゲの新作。
— yuta / 時計資産コンサルタント (@lwm_yuta) February 17, 2022
星空をイメージしたようなダイアルに
ホワイトゴールドと呼ばれるシルバー系の色を
用いていて、主張は強くないものの、
まとまりのあるキレイなデザイン。
また、秒針がなくインナーベゼルに週を
表示させるパーペチュアルカレンダー。https://t.co/NW5A7zTtog
50周年のロイヤルオークが注目のオーデマピゲ
50周年の節目を迎えたとあって、オーデマピゲも力を入れて新しいモデルを製造したことが伺えるさまざまな新作を紹介しました。
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