COLUMNコラム
ロレックス シードゥエラーとサブマリーナの違いは? 特徴やデザインを比較!

ロレックスのダイバーズウォッチといえば、「シードゥエラー」と「サブマリーナ」です。高い防水性能を持つロレックスの購入を検討している人であれば、どちらを選ぶか迷うことでしょう。
本記事では、ロレックスのシードゥエラーとサブマリーナの違いについて、特徴やデザイン、防水性能を比較しながらお伝えします。高性能・機能美を持つロレックスのダイバーズウォッチの魅力を見ていきましょう。
目次
ロレックスの2大ダイバーズウォッチ「サブマリーナ」と「シードゥエラー」
まずは、ロレックスの2大ダイバーズウォッチである「サブマリーナ」と「シードゥエラー」の概要をそれぞれ解説します。
【サブマリーナの概要】
サブマリーナは、プロダイバー向けに開発されたダイバーズウォッチです。発売当時は水深100mの作業に耐えられる性能を持ち、防水性能・堅牢性・海中での視認性を兼ね備えています。
【シードゥエラーの概要】
シードゥエラーは、サブマリーナの上位モデルに当たります。サブマリーナよりもさらに深く、水深100m以上の深海でも時を刻み、ダイバーの過酷な作業にも耐えられるモデルとして発売されました。サブマリーナよりもさらに高い防水性能を持つため、価格もサブマリーナより高価です。
サブマリーナとシードゥエラーの歴史の違い
それぞれの概要を把握したところで、さらに2つのモデルそれぞれの歴史を紐解いてみましょう。
【サブマリーナの歴史】
サブマリーナは、1953年に発表されたダイバーズウォッチです。当時、世界初・腕時計用の完全防水ケース「オイスターケース」を開発・搭載したモデルとして話題になりました。前述の通り、発売当初の防水性能は水深100mというデータがあり、ダイバーに愛用され、世の中に広まっていきます。
しかし、フランスの潜水作業専門会社のコメックス(COMEX)が作業しているとき、サブマリーナの風防が吹き飛んでしまいました。防水性能には問題がないものの、高い水圧に耐えられなかったためです。
そこで、次のモデルとして高い水圧に耐えられるダイバーズウォッチの開発が始まりました。これが、シードゥエラーです。
【シードゥエラーの歴史】
シードゥエラーは、サブマリーナの上位モデルとして1967年に発表されました。ロレックスとコメックスの共同開発モデルであり、発売当初の防水性能はサブマリーナの3倍以上の610mを実現。
またサブマリーナの風防が破損した原因は、潜水時のヘリウムの混入だったため、ヘリウムエスケープバルブを新たに搭載しました。これにより、時計に入ったヘリウムガスを排出できるようになりました。
その後に改良を進め、1978年には防水性能1220mを実現し、この性能は現在は10,000m超にまで高め続けられています。人が生身では到達できない深海でも耐えるオーバースペックともいえる防水性能は、シードゥエラーは“究極のダイバーズウォッチ”の座に君臨しているといえるでしょう。
サブマリーナとシードゥ エラーのデザイン・機能性の違い
続いては、実際に身に着ける際の参考にもなる「デザイン」と「機能性」に着目して、特徴や違いを詳しくお伝えしていきます。
- サイクロップレンズ
- ベゼル
- 防水性能
- ヘリウムエスケープバルブ
- バックル
- サイズ
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ベゼル
文字盤の外周にあるリング上のパーツ「ベゼル」。サブマリーナとシードゥエラーは、ベゼルの面でも違いがあります。
【サブマリーナ】
- ベゼルの溝は5分刻みで、メモリがない
【シードゥエラー】
- ベゼルの溝は1分刻み
シードゥエラーの方が細かくマークされているのは、サブマリーナよりもシードゥエラーの方がより深い海での作業を想定して開発されているからといわれています。危険な状況も想定されるダイビングでは、非常に厳格な時間管理が必要とされています。
防水性能
両者とも高い防水性能を持ち、現在までその性能は改良が続けられています。
【サブマリーナ】
- 発売当初(1953年)の防水性能は水深100m
- 現行モデル「Ref:116610LN」の防水性能は水深300m
【シードゥエラー】
- 発売当初(1967年)の防水性能は水深610m
- 2022年に発売された「ディープシーモデル」の防水性能は水深11,000m
このように、シードゥエラーはサブマリーナの上位モデルというだけあって、突出した防水性能を備えています。
ヘリウムエスケープバルブ
高い防水性を持つサブマリーナとシードゥエラーですが、両者の大きな違いは防水性能に伴うヘリウムエスケープバルブにあります。
【サブマリーナ】
- ヘリウムエスケープバルブなし
※一部搭載モデルあり
【シードゥエラー】
- ヘリウムエスケープバルブあり
ダイバーが潜水時に使用するボンベには、安全のため酸素とヘリウムが混ざっています。これは、大気中と海中では酸素とヘリウムの割合が大きく異なるためです。
海中にはヘリウムが多く含まれ、ヘリウム濃度は深海になるにつれ増加していきます。人体への負荷はもちろんのこと、ヘリウム濃度の高い海中では腕時計も気圧差により破損する可能性があるため、より深海での使用を想定されたシードゥエラーには、ヘリウムエスケープバルブが搭載されました。
バックル
腕時計の長さ調節ができるバックル。引っ張るだけで簡単に着脱ができるため、サブマリーナにもシードゥエラーにもバックルが付いています。しかし、細かな違いがあることもチェックしておきましょう。
【サブマリーナ】
- フリップロックエクステンションリンクなし
【シードゥエラー】
- フリップロックエクステンションリンクあり
※一部非搭載モデルあり
フリップロックエクステンションリンクとは、バックルに搭載されている「さらに伸び縮みさせられるパーツ」のことです。素肌に着用する際と、ダイビングスーツの上から着用する際は微妙に腕の太さが異なるもの。シードゥエラーはこの機構により2センチ程度の調節が可能になっており、より細やかな機能となっています。
サイズ
似ているといわれることもあるこの2つのモデルですが、サイズや厚みも異なります。
【サブマリーナ】※「Ref.126610LN」モデル
- ケース径は41mm
- ケース厚は12.5mm
【シードゥエラー】※「ディープシー Ref.116660」モデル
- ケース径は44mm
- ケース厚は15mm
シードゥエラーの方が、ケースの大きさも厚みもやや大きくなっています。より深海での作業を想定して開発されたモデルのため、ボリューミーで頑丈な設計がされています。
サブマリーナの代表的なモデル

ここまで、サブマリーナとシードゥエラーの違いを詳しくお伝えしてきましたが、サブマリーナの魅力は「デザイン」と「シーンを選ばず使える汎用性の高さ」といえるでしょう。
防水性能こそシードゥエラーに劣りますが、水深数百mのところまで潜水をしない方にとって、サブマリーナの魅力は多くあります。
実際に、ハリウッドスターのショーン・コネリーやロバート・レッドフォードなどのハリウッドスターがサブマリーナを着用しているシーンが目撃されました。ロバート・レッドフォードに至っては、アカデミー賞の授賞式でもサブマリーナを身に着けていることが確認されています。
このように、普段使いからフォーマルな場まで守備範囲の広い、サブマリーナの代表的なモデルをご紹介します。
サブマリーナ Ref.1680
サブマリーナ Ref.1680は、サブマリーナの最初期モデルで、ロバート・レッドフォードが着用しているモデルです。
ムーブメントにはスイス公認のクロノメーター認定を受けたCal.1570(自動巻きムーブメント)が搭載されており、このモデルは約20年間にわたって生産されました。そのため技術面でもメンテナンス面でも完成度が高く、精度・耐久性・保守性に優れているのが特徴です。
発売当初の数年間のみ、文字盤の「SUBMARINER」という文字が赤色になっており、通称「赤サブ」と呼ばれています。ヴィンテージロレックスの中でも流通量が少なく、特に希少性が高いのが特徴です。
サブマリーナ Ref:116610LN
サブマリーナ Ref:116610LNは、2010年に発売開始し、2020年まで製造されたモデルです。Ref.1680の後継モデルで、発売以降10年間、絶大な人気を誇りました。性能の高さと上品なデザイン性を兼ね備えているため、現在でも根強い人気があります。
性能面はRef.1680からブラッシュアップされており、防水性能は水深300mに進化。日付表示とサイクロップレンズも新たに搭載されました。前モデルと比較し、セラクロム(ロレックスが開発し、特許を取得したセラミック系素材)を使用したベゼルの採用やブレスレットの堅牢性向上など、耐久性がアップしているのも大きな特徴です。
サブマリーナ Ref.124060
サブマリーナ Ref.124060は、2020年に発表された、現時点での最新モデルです。ケース径が1mm大きくなり、サブマリーナとしては初めて41mmのケースが採用されました。
このモデルには日付表示機能がなく、通称は「ノンデイト」と呼ばれています。従って拡大鏡であるサイクロップレンズがなく、見た目で過去のモデルと判別しやすいでしょう。
その他、前モデルである「Ref:114060」と大きなデザイン変更はありませんが、文字盤の6時の部分にある「SWISS MADE」の中央にクラウンマークが入っています。
シードゥエラーの代表的なモデル

次に、サブマリーナの上位モデルともいえるシードゥエラーの代表的なモデルについて詳しく解説します。各モデルは、ロレックスの開発時点での技術の粋を詰め込んだといえるものなので、どのモデルにも年代ごとに多くの魅力があります。
シードゥエラー Ref.126600
シードゥエラー Ref.126600は、ロレックス50周年の節目となる2017年に誕生したモデルです。技術面でもさらに進化が見られ、より高性能なムーブメントである「cal.3255」を搭載しています。
発売以来、何度かモデルチェンジを行ってきたシードゥエラーですが、本モデルでは初期モデルの中でも限定された本数にしか採用されていない「赤シード」が復活しています。文字盤が黒一色ではなく、赤い文字列が入っているのがデザイン面でのアクセントになると評判です。
一方で、本モデルではバックルのフリップロックエクステンションリンクが廃止されました。これにより、フリップロックエクステンションリンクの特徴である素肌に着用した際とダイビングスーツの上から着用する際の微調整が不可能になっています。ダイバーだけでなく一般個人も愛用しやすいモデルといえます。
シードゥエラー ディープシーRef.116660
シードゥエラー ディープシーRef.116660は、Ref.16600の後継モデルです。
防水性能は驚異の3,900mを記録しており、深海での使用にも耐えられるよう、ケース径も44mmと巨大になり、着用すると非常にインパクトがある見た目です。
また新たにリングロックシステムが搭載されたのも特徴です。航空宇宙産業で使われている窒素合金ステンレススチール製のセンターリングや、厚さ5mmのドーム型サファイアクリスタル、グレード5のチタン合金の裏蓋といった一連のケース構造で、防水性能の向上を実現しました。
一般人にはオーバースペックといえる丈夫な設計ですが、やはり高性能を追求した機能・デザインは魅力的でしょう。
シードゥエラー ディープシー チャレンジ Ref.126067
シードゥエラー ディープシー チャレンジ Ref.126067-0001は、2022年発売の最新モデルです。これまでのモデルとデザイン面で大きな違いはないように見えますが、性能面がさらに向上して世間を驚かせた本モデル。サブマリーナ・シードゥエラー両者はもちろん、ロレックスというブランド全体を見渡しても最高水準の性能を備えています。
防水性能は、ロレックス史上最深度、驚異の11,000m。2012年に映画監督ジェームズ・キャメロンがマリアナ海溝潜水に挑戦した際に使用した特別モデルがベースとなり、10年の時を経て発表されました。
最深度の防水性能に耐えるため、ケース径はこれまでの44mmからさらに大きく50mmに。また、深海は圧力も大きいため日付表示が廃止されています。強度の面でもロレックス史上初のオールチタン&ブレスを採用しているのが特徴です。
まとめ
今回はロレックスのサブマリーナとシードゥエラーの違いや歴史、各モデルの特徴などについてお伝えしてきました。モデルによって機能やデザインが異なるため、情報収集を行い、ご自身の予算やニーズ、好みに合わせて愛用の一本を見つけてみてください。
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ロレックス(ROLEX)
※2025年1月時点の情報です