COLUMNコラム
ロレックスはなぜ人気? その理由と人気のモデルを詳しく紹介

「ロレックス」は、時計業界の最高峰ともいえるブランドで、世界中で圧倒的な人気を誇っています。近年、その需要はさらに高まっており、正規販売店での入手が困難な状況が続いています。
なぜロレックスの時計は、これほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか。本記事では、ロレックスの歴史やブランドの特徴、世界中で愛されている理由を解説します。ロレックスの中でも屈指の人気を誇る10のモデルについてもピックアップしているので、ぜひチェックしてみてください。
ロレックスの人気を歴史から振り返る

ロレックスが人気な理由を知るには、ブランドが歩んできた歴史を知ることが大切です。まずは、ロレックスの人気を歴史から振り返ってみましょう。
ロレックスの歴史
ロレックスは100年以上の長い歴史を持つ老舗ブランドです。1905年に前身であるウィルスドルフ&デイビス社がイギリスで設立され、その後は拠点をスイスへと移しました。当時は懐中時計が主流の時代でしたが、創設者のハンス・ウイルスドルフは早い段階で腕時計の可能性を見出していました。
ロレックスは腕時計として初めてスイスクロノメーター歩度公認検定局から公式証明書を獲得。1914年にはイギリスのキュー天文台よりロレックスの腕時計にA級証明書が与えられました。これにより、ロレックスの持つ技術力が知られるようになり、「精巧な腕時計を生み出すブランド」として注目されるようになったのです。
ロレックスは技術開発にも力を入れており、さまざまな革新的なアイデアを世に送り出しました。その中でも、次の3つはロレックスの3大発明と呼ばれ、時計業界に大きな衝撃を与えました。
- オイスターケース
- 自動巻き機構
- デイトジャスト機構
オイスターケースは、高い防水性を実現した発明です。「牡蠣の殻のように頑丈で水も通さない」という意味が込められており、完全密閉のケースを備え、ムーブメントを完璧に保護することを可能にしました。
1927年イギリス人スイマーのメルセデス・グライツが、ロレックス・オイスターを着用してイギリス海峡横断に挑戦。時計の防水性の高さを証明したことが当時大きな話題となりました。
ロレックスは、その後もエベレストの上空を飛行したり、スピードの限界に挑戦したり、スポーツや航空、モーターレース、探検などの分野において、さまざまな実績を重ねてきました。
ロレックスが1931年に開発した自動巻き機構は、パーペチュアルと呼ばれ、「永遠」という意味を持ちます。現在では多くの時計に搭載されている自動巻き機構ですが、当時の腕時計では手巻きタイプも少なくありませんでした。
両方向に回転するパーペチュアルローターでは、手首を動かすたびに半月型の錘が回転し、時計のゼンマイが巻かれるため、安定した動力の供給を実現したのです。
デイトジャストは、午前0時になると自動で日付が切り替わる機能で、1945年に発表されました。文字盤の3時の位置に小さな小窓を作り、日付を表示させることで、視認性が向上しました。また、瞬時に美しく日付が変わる様子からは、ロレックスの時計作りへのこだわりが感じられます。
さらに、堅実なデザインを保っているのも、ロレックスが支持される理由です。時代とともに腕時計ブランドが乱立する中でも、ロレックスは基本デザインを大きく動かすことはしませんでした。誠実に腕時計と向き合い、技術を磨いてきた姿勢が評価された結果、現在の知名度と人気を獲得したのです。
ロレックスが人気の理由5選
ロレックスは「時計の王様」と評されることもあるブランドです。ここでは、ロレックスが人気の理由を5つのポイントから解説します。
ロレックスが人気の理由その1「希少価値が高い」
高い人気を博しているロレックスですが、大量生産を良しとせず、流通量が抑えられています。「ロレックスの時計を購入したいのに市場に流通していない」という状況は、人々の購入意欲を掻き立て、希少価値を高める好循環を生み出しています。
ロレックスは大量生産という道をあえて選ばないことにより、プレミア感とブランド価値を創出しているのです。さらに、ロレックスには熱心な愛好家が多いのも特徴です。そのため、中古にも安定的な需要があり、品薄になっている人気モデルや限定モデルには高値が付きやすい傾向にあります。
ロレックスが人気の理由その2「資産価値が高い」
ロレックスの腕時計は定価が100万円を超えるものがほとんどで、それ自体が高い資産価値を持っています。2024年12月現在、同ブランドの人気モデルは驚くことに、定価に対して70~80%もの高いリセールバリューが付くこともあり、デイトナやサブマリーナなどの一部人気モデルの買取相場は、定価を大きく上回るプレミア価格となっています。
一般的に、一度身に付けた中古品は定価と比べると価値が大きく下がります。しかし、ロレックスの場合、モデルによっては一度使用したものでも価値をそれほど落とさないのが特徴です。
ただし、ロレックスの相場は外部環境に左右されやすいため、資産価値は時期によって変わります。例えば、2024年7月から8月に掛けての大幅な為替と株の変動の影響を受けて、買取価格が1カ月で約15%下落したというケースも発生しています。
ロレックスが人気の理由その3「高品質」
ロレックスの品質が数ある腕時計の中でもトップクラスなのは周知の事実ですが、特に高い評判を得ているのが耐久性です。ロレックスの腕時計は壊れにくく、過酷な環境下での使用に耐えられる強さがあります。これは、深海や高山をはじめ限界に挑戦し続けたロレックスだからこその魅力といえるでしょう。
また、機械式の腕時計としての精度も高く、2015年には「ロレックス高精度クロノメーター認定」の運用も開始しました。高精度クロノメーターには、5年間の国際保証が適用されることからも、品質への誇りと自信が感じられます。ロレックス独自の厳しい検査基準を設けることで、時計業界の中で揺るぎない地位を確立しています。
ロレックスが人気の理由その4「ブランド力」
ブランド力の強さもロレックスの人気の理由です。2023年のスイス時計産業に関するモルガン・スタンレーの調査では、ロレックスの売上は100億スイス・フラン以上となり、市場シェアに至っては約30%に達していると発表されています。
市場シェア2位のカルティエが約31億スイス・フラン、3位のオメガが26億スイス・フランであることからも、圧倒的なブランド力を持っていることが分かるでしょう。
またロレックスのシンプルで洗練されたデザインは、時代や年齢、職種を問わず、幅広い層に支持されています。さらに、業界トップクラスの偽造防止技術を誇っており、王冠の透かしマークやルーレット刻印などで、本物と真贋不明品を見分けることが可能です。
ロレックスが人気の理由その5「歴史」
ロレックスは100年以上の歴史がある格式高い時計ブランドです。品質へのこだわり、革新に対する意欲、卓越性を追求する価値観を変わらず持ち続けているブランドとしての姿勢に惹かれて、愛好家になる人も少なくありません。
実際に、ロレックスはその長い歴史の中で、さまざまな「世界初」「業界初」を達成してきました。腕時計で初めてクロノメーターの認定を獲得、世界で初めて水深100mの防水時計を製作、人類初の音速飛行・エベレスト初登頂への携行をはじめ、歩みを止めることなく困難に挑戦し続けています。
人気の高いロレックスのモデル10選

ロレックスはその長い歴史の中で、数々のモデルを生み出してきました。ここでは、特に人気が高い10のモデルをピックアップし、それぞれの特徴を解説します。どのようなシーンに向いているかもまとめているので、ぜひ時計選びの参考にしてください。
デイトナ
1963年に発表されたコスモグラフ デイトナは、モーターレースとの結びつきが強いモデルです。「デイトナ」という名前も、1924年から1935年にかけて地上最高速度の記録を何度も更新したカーレースの聖地、フロリダ州のデイトナビーチに由来します。
カウンターとプッシャーが3つある独特の美しいデザインが特徴で、ロレックスで唯一ストップウォッチ機能を搭載。ムーブメントには垂直クラッチが採用されており、長時間の使用でも精度を担保します。実用性に優れたデイトナは、ロレックスの中でもかなりの人気があるモデルと言われており、入手も困難です。
サブマリーナ
ダイバーズウォッチとして高い防水性と耐久性を誇るサブマリーナは、1953年に発表されました。世界で初めて100m防水性能を備えた腕時計として歴史に名を刻んだシリーズで、水中でも正確に時間が把握できるようデザインされています。
文字盤にはロレックスがこだわり抜いた夜光塗料が使われており、光が届かない場所でも視認性を保てるよう設計されているのが特徴です。
モデルチェンジを繰り返した現在は、三重密閉構造のトリプロックリューズが採用されており、水深300mまで防水性が向上しています。この継続的な改良は、防水性能の限界に挑み続けるロレックスの揺るぎない努力の証といえるでしょう。
ダイビングをはじめとするマリンレジャーはもちろん、アクティブな日々を送る全ての人にパートナーとして寄り添うモデルです。
GMTマスター
1950年台半ばに誕生したツートーンカラーが特徴的なGMT マスターは、2つの時間帯を同時に確認できるモデルです。当時は画期的な腕時計としてパイロットを中心に人気を博しました。このモデルは1982年にGMTマスター2という後継を生み出し、今でもGMTマスター2はモデルチェンジを繰り返すほどの傑作となっています。
GMT マスターシリーズは、時代に合わせて素材やムーブメントが改良されてきましたが、デザインに関しては初期には確立しており、一目で同コレクションだと分かります。通称「ペプシ」と呼ばれるレッド&ブルーのベゼルは人気が高く、トラベルウォッチとしてもおすすめです。
エクスプローラー1
探検家を意味するエクスプローラーは1953年に発表され、ロレックスによる腕時計の耐久性を世に周知させる役割を担いました。エベレスト初登頂にも同行したこちらのモデルは、シンプルなデザインと高い視認性を誇ります。また発光素材によって暗闇でも時間が分かる、実用的な腕時計です。
ロレックスのコレクションは、「プロフェッショナルモデル」「クラシックモデル」の2種類に分けられますが、エクスプローラーはロレックス初のプロフェッショナルウォッチの一つとしても人気があります。耐久性に優れたオイスタースチールの採用、二重密閉構造の防水システムなど、ロレックスの技術が詰め込まれている完成度の高いモデルです。
エクスプローラー2
エクスプローラー1の後継として1971年に発表されたこちらのモデルは、新たにオレンジ色の24時間針を設け、利便性と実用性を向上させています。文字盤に1・3・6の文字が刻まれたシンプルなデザインのエクスプローラー1に対して、エクスプローラー2はポップなカラーリングでカジュアルなシーンにも向いています。
エクスプローラー1・2の両方に搭載されているムーブメントには、温度変化に強いパラクロム・ヘアスプリングと耐衝撃性に優れたパラフレックス ショック・アブソーバ機構があり、いずれもロレックスが独自に生み出しました。エクスプローラー2は探検家だけではなく、科学者や研究者など厳しい環境に挑み続けるさまざまな職業の人に愛用されています。
デイトジャスト
1945年に誕生したデイトジャストは、クラシックモデルならではの普遍的な美しさが特徴です。ロレックスの看板ともいえる高い認知度を誇り、モデルチェンジが行われてもそのデザインは大きく変わりません。高級感とスタイリッシュさがあり、フォーマルなシーンにも向いています。
また、3時の位置に小窓を設置し日付を表示させる画期的なデザインが初めて施されたのもこのモデルです。デイトジャスト機能は、ロレックスの3大発明の一つとして、さまざまなシリーズに横展開されてきました。
機能面も充実しており、機械式自動巻、防水機能、クロノメーター精度といった、ロレックスが巻き起こしてきた数々のイノベーションが集約されています。
ヨットマスター
ヨットマスターは、1992年に発表された比較的新しいモデルです。メンズだけではなくレディースもそろっているのが特徴で、ペアウォッチとしても人気があります。
37mm、40mm、42 mmという3つのサイズに加えて、18ctイエローゴールド、18ctイエロー、ホワイト、エバーローズゴールドなど素材のラインアップも豊富なことから、自分好みのカラー・デザインを見つけたい人におすすめです。
100mの防水性能、暗闇でも視認性が高い文字盤、海上の厳しい環境にも耐える堅牢性は、船上の良きパートナーとなるでしょう。世界一周航海にも同行したタフさとラグジュアリーなデザインを兼ね備えた本モデルは、ロレックスの中でも唯一無二の存在といえます。
シードゥエラー
深海探索をしたい冒険家を満足させるスペックを備えているのが、深海に耐え得る耐傷性、耐蝕性、耐圧性、耐水性を持つシードゥエラーです。シードゥエラーは、ロレックスのダイバーズウォッチの代表格であるサブマリーナとデザインが似ていますが、防水性能は大きく異なります。
1967年に発表された初代シードゥエラーは水深610m、1978年からは水深1,220mまでの防水性能を保証しています。さらに、2008年に登場した上位機種の「ディープシー」では水深3,900m、2022年に発表された「ディープシー チャレンジ」では、なんと水深11,000 m までの防水性能が備わっており、今なお進化を続けているシリーズです。
機能とデザインの特徴は、60分目盛り入り逆回転防止ベゼルとヘリウムエスケープバルブで、こちらはロレックスが独自に開発し特許を取得しています。
エアキング
エアキングは、その名の通り長時間のフライトを行う飛行士たちのために捧げられたモデルです。1940年代にロレックスと航空の歴史を象徴する腕時計として発表され、耐久性のあるオイスタースチールが採用されています。ロレックスの中では、比較的購入しやすい価格帯のため、エントリーモデルとしても親しまれてきました。
また飛行時間の計測がしやすいよう、視認性の高い分目盛りを印字したブラックダイアルを備えています。2016年に新型モデルが発表されるなど長い歴史を持つこちらのシリーズは、時代によってデザインが大きく異なるのも特徴です。防水性も兼ね備えており、活動的な人にはぴったりの逸品に仕上がっています。
ミルガウス
医師や科学者、エンジニアに捧げられたミルガウスモデルは、1956年に誕生しました。本モデルはいかに磁気からムーブメントを守るかに主眼を置いて開発されたもので、最大1,000ガウスまでの耐磁性を獲得しています。
名前の由来が、「ミル(フランス語で1,000の意味)」「ガウス(電磁気の単位)」であることからも、耐磁性へのこだわりが感じられます。デザインの特徴は、磁力を表現したと言われるイナズマの形をした秒針です。
現在は生産終了となっていることから、希少性が高まっており、コレクターズアイテムとしても注目されています。「個性的なロレックスウォッチがほしい」というニーズにマッチするモデルでしょう。
まとめ
ロレックスは実用性とステータス性を兼ね備えた最上級ブランドであり、世界中の人々の憧れです。また、ブランドとしてのアイデンティティを守りながらも、技術の限界に挑戦し続けており、それぞれのモデルに歴史や物語があります。
「ロレックスは高級ブランドで手が届きにくい」と考える人もいるかもしれませんが、モデルによっては比較的手が届きやすいものもあります。デザインや機能、価格を比較しながら、自分に合ったものを見つけてください。
ロデオドライブでは、ロレックスの人気モデルを多数取り扱っております。正規販売店では入手が難しいモデルや、販売終了となったモデルをご用意しておりますので、購入または売却を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。