COLUMNコラム
金はなぜ高い?金の価値が高い理由と近年の金高騰の要因まで解説!
美しく輝く金は権力や富の象徴として世界中で重宝されてきました。また、時を経ても錆びたり変色したりしない特性は、不老不死につなげて考えられていたそうです。
そんな金ですが時を経ても価値を失わず、むしろ最近では金の価値が高くなっているのはなぜでしょうか。この記事では、金の価値が高い理由、および近年金が高騰している理由を詳しく解説します。
目次
金とは?
金は元素記号がAu、原子番号が79の金属で、比重が大きい重金属の中でも代表的な金属です。元素記号のAuは、ラテン語で「光るもの」を意味するaurumに由来し、英語名のゴールド(Gold)はサンスクリット語の「輝く」にちなんでいます。
金がどうやってできたのか諸説あるものの、詳しいことは判明していません。金は地球が誕生したときから存在していたとされ、地上はもちろん海の中まで、さまざまな鉱脈の中に存在しています。
では、金とは一体どのような金属で、どのような需要があるのでしょうか。以下で宝飾需要、投資需要、工業需要について解説します。
宝飾需要が高い
紀元前6000年頃にメソポタミア地方で栄えたシュメール文明では、金はすでに宝飾品として利用されていたといわれています。その後紀元前5000~3000年頃に栄えた古代エジプト文明やトラキア文明でも、金を用いた多数の宝飾品が見つかっています。
日本でも8世紀には金が発見され、マルコ・ポーロの東方見聞録では「黄金の国ジパング」と紹介されました。
現代でも金はその美しさから、宝飾需要の高い金属として知られています。ただし金属の中でも柔らかい金は、耐久性を高めるために割金を入れるのが一般的です。加える割金の種類によって、イエローやホワイト、ピンクなどのカラーゴールドができます。
投資需要も多い
金は他の金属に比べて投資需要が多いことも特徴です。金投資は不動産投資のように大きい物を所有するわけではありません。小さくても価値があり、保管がしやすいところも、金の投資需要が高い理由の一つです。安いときに購入し、高いときに売るという分かりやすい投資方法も人気の理由でしょう。
金は株式のように景気や投資先の企業の業績に影響を受けることが少なく、資産として安定しています。金相場も世界情勢の影響を受けるのは株式と同じですが、株式とは反対の値動きをすることがほとんどです。「有事の金」といわれるように、株式投資をする際のリスクヘッジとして導入されることもあります。
工業需要も
金は電気の伝導性が高く、錆びにくいという特徴もあります。また金は展延性も高いため、金箔のように薄く引き延ばすことも可能です。その特性から、実は身近な工業用品にも多く使われています。たとえばパソコンやスマートフォン、医療機器のような電子機器では、基板上のコネクターや接点に金メッキが施されています。
電子機器の基板に使われる1台あたりの金の量は、それほど多くありません。しかし金が使われている電子機器は、どれも現代社会では欠かせないアイテムです。工業需要の割合としては宝飾需要や投資需要におよびませんが、現代に生きる我々の生活を支えています。
金の価値が高い理由
金は数ある金属の中でも特に高い価値があると認識され、装飾品や投資の対象、工業製品まで、さまざまな分野で需要があります。ではなぜ金にそれほど高い価値があると位置づけられているのでしょうか。理由として挙げられるのは希少価値と換金性の高さ、美しさの3つです。それぞれの側面から、金の価値が高い理由を解説します。
希少価値がある
金は地球上のさまざまな鉱脈から発見されているものの、採掘総量としてはそう多くありません。また、これまでに多くの金が採掘され、埋蔵されている残りの金も少なくなっています。残されていたとしても採掘が難しい場所にあることが多く、いずれは枯渇する資源であることも希少価値が高い理由の一つです。
現代の科学技術では核融合反応などを使い、人工的に金を作り出すのは可能とされています。ただし人工金には莫大なコストがかかるため、現実的ではありません。仮にできたとしても商業的に成り立たず、金の希少価値が下がることはないとみられています。実際、2024年3月現在人工的な金は出回っていません。
換金性が高い
古代文明が栄えた時代から、金は世界中で貴重なものとして扱われてきました。古代エジプト文明ではツタンカーメンの黄金マスクに代表されるように、金が権力の象徴として扱われています。19世紀に入るとイギリスで金本位制が始まり、金がお金の価値の基準とされました。
現代では金本位制は廃止されていますが、金の人気がグローバルであることに変わりはなく、どの国であっても金を売却して現金化することが可能です。このように換金性が高い点は、金の価値をキープしている要因の一つといえます。
美しさが故の価値
同じ貴金属でも、金は他の金属に比べて特に宝飾需要や投資需要が多いのが特徴です。金が持つ美しくゴージャスな輝きは多くの人を惹きつけます。
特に太陽神「ラー」を信仰していた古代エジプトでは、金はラーへの信仰を象徴するものとして、その輝きが太陽とリンクしています。金は祭事のアイテムとしても欠かせないものであり、ファラオの死後は副葬品として多くの金が献上されていました。
美しく輝く金は昔から現代に至るまで、人々を魅了してきたが故に価値も高くなっています。
金の価値が上がり続けている理由
もともと古い時代から金は価値のある金属として人々に認識されてきましたが、その人気は衰えることはなく、現代でも価値が上がり続けています。では金の価値がそこまで上がり続けているのはどうしてなのでしょうか。
主な理由は近年の地政学的リスクの高まりと世界的な低金利です。この2点の理由について、それぞれ詳しく解説します。
地政学的リスクの高まり
現代社会では特定の地域が抱える政治的、社会的、軍事的な問題が世界経済にまで影響することが珍しくありません。世界では2001年に起こったアメリカの同時多発テロや2008年のリーマン・ショックなど、発生地域はもちろん、世界規模の経済に影響をおよぼす出来事が発生しています。
2020年から始まった新型コロナウイルスの流行、2022年のロシアによるウクライナ侵攻も投資に大きな影響を与えました。そのようなリスクは地政学的リスクといわれ、いずれも株式が下がり、社会不安が増えたとされています。そのような情勢のなか、結果的に安定資産といわれる金の購入が増え、金相場が上昇しました。
世界的な低金利
金利が高いときならば、預貯金として財産を保有していることで資産を増やすことも可能です。しかし金利は世界的に低い状態が続いており、低金利・低インフレが慢性化している国もみられます。金利が低ければ、預貯金で資産を増やせる見込みはあまりありません。
特にリーマン・ショック以降はアメリカドルの金利が下がり、金の価格高騰につながりました。低金利が続くと株式などへの投資も減り、代わって金のような現物資産への投資が増える傾向があります。もちろん状況によって金の価値が下がることもあり得ますが、金は希少性の高い資産として需要がなくなることはないでしょう。
金の投資方法
金に投資するといっても、方法は一つではありません。金の現物を購入するほか、純金積立てや先物取引、投資信託などいくつか金への投資方法があります。それぞれの投資方法にメリットやデメリットがあるため、金の投資を行うのであれば把握しておくことが大切です。次に各投資方法について、注意点も含めて詳しく解説します。
金の現物購入
金の投資で最もポピュラーなのは、金貨やインゴットなどの金地金に代表されるような現物を購入する方法です。金の現物購入は金の価格が安いときに購入し、高くなったタイミングで売れば差益を得られます。金貨ならば貴金属店、金地金は貴金属メーカーなどで購入でき、初心者でも始めやすい投資の方法です。
金の現物を保有できるため、売りたいときにすぐ換金できるのがメリットですが、紛失や盗難のリスクがあるのはデメリットです。自宅で保管するのが心配だという場合、手数料はかかるものの、銀行の貸金庫などに預けるのもよいでしょう。
金の純金積立
毎月少しずつ積み立てを行い、金を購入する純金積立という投資方法もあります。銀行や証券会社、貴金属メーカーなどで取り扱っており、月々数千円の少額からでも簡単に投資を始められるのがメリットです。純金積立には毎月積み立てる金額が決まっている定額積立と、購入する金のグラム数を一定にする定量積立の2種類があります。
金の現物を購入する投資方法の一種ですが、保管は運営会社が行ってくれるため紛失や盗難のリスクがありません。最終的に貯まった金は金貨や金地金のほか、金銭で受け取ることも可能です。ただし入会手続きや手数料の支払いが必要になります。
金の先物取引
先物取引は、将来の決められた期日に決められた価格で売買することを約束した取引です。資源や農作物など、さまざまな商品が取り扱われており、金もその一つです。証拠金があれば、その証拠金を上回る価格の金を購入することができ、少ない資金でレバレッジをかけて大きな利益を上げられる可能性があります。
売り・買いどちらからでも取引を開始できるため、価格が下がりそうなときは売りから始めることも可能です。ただし適切に売買のタイミングを判断するためには、投資の知識が必要になります。ハイリターンを狙える一方で、リスクも高いところがデメリットです。
金の投資信託・ETF
金の投資信託とは、投資信託を利用して金投資することです。投資信託とは、投資から詰めた資金を専門家がまとめて運用するもので、この場合は金が投資対象となります。
ETF(Exchange Traded Funds)は上場投資信託とも呼ばれ、証券取引所に上場している銘柄に投資する方法です。ETFは金相場に連動し、リアルタイムで取引ができます。
どちらも証券会社などで口座を開設して、少額からでも投資できるのがメリットです。金そのものを自身で手元におく必要がないため、紛失や盗難の心配もありません。ただし購入時や運用中にコストがかかります。
ETFの場合は株式のように市場価格の動きをみながら売買しなければならないことを考えると、ある程度投資経験がある人向きでしょう。
金が高いのには理由があった
金は紀元前からその輝きで多くの人を魅了してきました。現代でも希少性や換金性が高く、投資先として検討する人も多いでしょう。世界的な低金利が続いている状況や地政学的リスクの高まりによって、金の価格は上がり続けています。
ロデオドライブではブランド品から宝石・貴金属まで幅広く扱っています。金の買取にも対応しており、金に精通したスタッフが確かな目で懇切丁寧に査定いたします。
出張買取や宅配買取にも対応しているため、金の売却を検討しているのならロデオドライブにご相談ください。
ロデオドライブの貴金属買取実績はこちら
ロデオドライブの金・プラチナ買取実績はこちら