COLUMNコラム
金1㎏あたりの価格はどうやって決まる? これまでの価格推移や今日の価格の調べ方も紹介!
昨今の金価格高騰を見て、金投資に興味を持つ人が増えています。しかし、金の価格はどうやって決まるのか、金価格の調べ方が分からないという人も少なくありません。
この記事では、金1kgあたりの価格がどうやって決まるのかを解説します。あわせて、これまでの金の価格推移や今日の金価格の調べ方も紹介するため、金の売買を検討している場合はぜひ参考にしてください。
目次
金の価格の決まり方
金の価格はどのように決まるのか分からないという人も多いでしょう。金相場は常に変動しており、調べるタイミングによって金の価格は異なります。金の小売価格に影響する要素としては、「金市場の価格」と「為替相場」の2点です。
ここでは、金の小売価格に影響を与える2つの要素について詳しく解説します。また、金の換算方法も紹介するので、参考にしてください。
金市場の価格によって小売価格も決まる
金の小売価格は、金市場の価格に大きな影響を受けます。金の大きな市場は、ロンドンやニューヨーク、香港、チューリッヒなどにあり取引がなされています。
金の市場は世界中で常に行われているため、24時間価格が動いていることも大きな特徴です。金を購入したいと思う人が多ければ多いほど金市場の価格は上がり、売却したいと思う人が多くなれば価格は下がるという仕組みです。
金の取引は現物取引と先物取引という2種類があり、現物市場はロンドン市場、先物取引はニューヨーク市場が中心です。世界各国に金市場がありますが、特にこのロンドンとニューヨークの市場の相場を参考として、金の取引が行われています。
為替相場も影響
金の国際価格は米ドル建てで表示されています。海外でドルを使って取引されている金を日本円で購入しようと思った場合には、ドル円為替相場の影響を受けるため、為替相場のチェックも必要です。
ドルの為替相場によって、日本円で購入する際の金の小売価格が変動するため、経済誌や経済ニュースなどの媒体で情報を確認しておくとよいでしょう。
金を購入するのか、売却するのかによって円高が有利か円安が有利かは変わります。金を購入する場合には円の価値が上がっている円高の方が有利で、金の売却を考えている場合にはドルの価値が上がっている円安の方が有利です。
グラム/トロイオンス換算方法
金価格は日本で取引する際「1gあたり何円」と表示されますが、国際的には「1トロイオンスあたり何ドル」と表示されます。トロイオンスとは、貴金属や宝石の軽量に用いられるヤード・ポンド法の単位のことで、1トロイオンスは31.103 4768gです。
トロイオンスは記号で表示するケースも多く、記号の場合には「toz」と表記されます。1トロイオンス当たりのドル建ての価格を1g当たりの円建て価格に換算する方法は以下のとおりです。
- 換算式
ドル建て価格(ドル/toz)÷31.1035(g)×ドル円為替(円)=円建て価格(円/g) - 換算例
1,400 ドル/toz ÷ 31.1035g × 108 円 = 4,861 円/g
1㎏あたりの金の価格の推移
1kgあたりの金の価格は、どのような推移をたどってきたのでしょうか。1kgあたりの金の価格推移を知っておくことは、今後の金の価格推移を予測する上でも重要です。以下では、これまでの金の高売り価格の推移や傾向などについて解説するため、参考にしてください。
これまでの金の小売価格の推移
これまでの金の小売価格の推移をグラフにしました。
※田中貴金属工業が発表した参考小売価格(税抜)を基にグラフを作成
1973年にアメリカの金本位制が集結し変動相場制へ移行したことで、金価格は上昇しました。その後、1979年に起きたイラン革命に起因する第2次オイルショック、ソ連のアフガニスタン侵攻などが影響を受けて、金の小売価格は1980年に急上昇しています。
その後、1987年のブラックマンデー以降金価格は低迷を続け、1998年には1g865円(1㎏で865,000円)という最安値を記録します。この記録は本記事執筆時点(2023年7月)でまだ破られていません。
2003年3月には世界で初めて金ETF取引(金相場に連動して運用される投資信託)が開始されたことを受けて、金投資のハードルが下がり金価格は上昇傾向を見せ始めます。
リーマンショック後には一時的に下落する場面もありましたが、2010年には世界的な金融緩和や通貨価格の目減り、インフレ対策などの影響もあり、金価格は上昇細かな上下こそありながらも全体的には上昇傾向にあります。
現在の金の価格の調べ方
金の価格に影響を与える要素や金の価格推移などを見てきましたが、現在の金の価格を調べるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、現在の金の価格を調べる方法を詳しく解説します。
新聞をチェック
まずは、新聞をチェックする方法です。金の価格は毎日発行される新聞に掲載されているため、確認してみるとよいでしょう。金の取引価格が掲載される新聞としては、以下のような新聞が挙げられます。
- 日本経済新聞
- 読売新聞
- 毎日新聞
- 産経新聞
- 朝日新聞
- 中日新聞
各新聞によって掲載方法や掲載されている場所は異なりますが、「貴金属地金」欄などに掲載されているケースが多いです。気軽にチェックできますが、新聞に掲載されているのは昨日の金の価格のため注意しましょう。
金を取り扱う企業の公式サイト
金を取り扱う企業の公式サイトを確認する方法もあります。金を取り扱っている企業では、金の価格を毎日更新しており、トップページなどに金の価格が掲載されています。そのため、公式サイトを確認することで今日の金の価格を把握することが可能です。
ただし、金を取り扱う企業の公式サイトの情報は、リアルタイムで更新されているわけではありません。基本的には当日の午前10時に発表された金の価格を掲載しているケースが多いようです。
1日のうちで価格が変動することも
企業の公式サイトでは基本的に1日に1回金の価格が更新されます。ただし、価格が1日で急激に変動した場合にはこの限りではありません。1日の内に価格が急激に変動した場合、日付が変わっていなくてもその日の金相場が更新されるケースがあるようです。
金は、世界の経済や治安の変化などに影響を受けやすいため、価格変動が激しい投資資本として知られています。そのため、何らかの事情によって価格が急降下・急上昇する場合もあります。この場合、インターネット上で表示される金相場が変化し、午前と午後で金相場が異なる可能性もゼロではありません。
金取引を成功させたいなら、細かく金相場をチェックして最新情報を手に入れることが重要です。
金を売買するタイミング
金を売買する際には、タイミングを見極めることが重要です。売買を成功させるには、買うタイミング・売るタイミングをしっかりと知っておかなければいけません。ここでは、金を買うタイミング・売るタイミングについて詳しく解説します。金の売買を考えている場合には、参考にしてください。
世界情勢をよく見極めて
金を売買する際には、世界情勢をよく見極めましょう。金は「有事の金」とも呼ばれています。これは、非常事態が起こった場合に金を購入する人が増える傾向にあることからつけられた呼び名です。紛争やテロ、何らかの災害などが起こり世界経済の状況が混とんとすると、株式や現金などの価値が低下するリスクがあります。
一方、金は現物資産であるため価値が大幅に低下する可能性が低く、リスクを回避するために金を購入する人が増えるといわれています。
世界情勢が不透明になった状態、紛争やテロなどの非常事態が起こったときは金の価格が上がる傾向にあります。逆に、世界情勢が安定しているときには株式や現金などの価値が上がって金の価格は下落する傾向にあるようです。
アメリカドルの信用
金は国際通貨であるドルで取引されているため、アメリカドルの信用は金の価格に大きな影響を与えます。アメリカ経済がマイナス傾向になると、世界中の投資家たちはドルを売り不変資産である金に交換する傾向にあるようです。
株式などは何らかの事情によって価値が大幅に下がるケースもありますが、金は現物資産であることからどのような状態になっても資産価値がゼロになることはありません。
アメリカドルへの信用が低下して通貨を売りたいという人が増えることで、金の価格相場は上昇します。逆に、アメリカドルの信用が高まりドルの価値が高まっている場合には、金の価格相場は下落する傾向にあります。
中国・インドの需要の増減
金に対する需要の増減によっても、相場価格は変動します。そのため、金の需要をしっかりつかむことが重要です。金の世界でもっとも需要に対して影響力が大きいといわれているのは、中国とインドの二国です。この二国が世界の金の総需要の半分を占めるといっても過言ではないほどに、大きな影響力を持っています。
そのため、金価格の動きを予測したい、金の売買タイミングを計りたいという場合には、中国とインドの動向をチェックしましょう。中国やインドで金の需要が高まればその分金の相場は上昇します。
逆に、二国での需要が落ち着いた場合には金の相場は下落するため、金の売買タイミングを見極めたい場合には、二国の動きや需要の増減をしっかりと追っておくことが重要です。
金利の変動
金利の変動によっても金の相場は変化するため、金利の変動にも目を光らせておきましょう。世界情勢や経済が安定している平時においては、金も数ある投資選択肢の一つに過ぎません。そのため、金に投資する人が増えたり減ったりと増減を繰り返し、金の相場は日々変動します。
例えば、金は基本的には金利がつきません。そのため、世の中の金利が上昇している場合には他の金融商品のように金利がつかないため、魅力が少ないと感じられる可能性もあります。逆に、金利が低い場合には安定感のある現物資産である金の人気が高まり、金の相場価格が上がるケースもあります。
1㎏あたりの金価格に注目
金の価格は日々変動しています。金の売買を検討している場合には、1kgあたりの金価格に注目しましょう。金の価格を調べる方法は新聞や金を取り扱う企業の公式サイトを見る方法などがあります。毎日の金価格や世界情勢、金の需要などを考慮しながら売買するタイミングを見極めることが重要です。
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