COLUMNコラム
金相場が過去最高値⁈ 高騰の理由や相場の確認方法を徹底解説
金相場は上昇を続けているため、投資として金の購入を考えている人も多いでしょう。では金相場は最高でどれくらいまで上がったのでしょうか。
この記事では、金相場の過去最高値と過去最低値(※2023年12月14日時点)、直近の金相場の推移や金相場が高騰している理由、相場の確認方法などを徹底解説します。投資として金を購入・売却したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
金相場の過去最高値は?
金相場はここ数年高騰し続けています。実際に、金相場が過去最高値を記録したのは2023年に入ってからです。2023年12月14日時点での過去最高値は、12月4日に記録された、1グラム1万928円です。
2023年の11月から12月上旬の金相場は1万500~600円台と高騰しており、12月半ばにかけて少し落ち着きを見せているものの、依然として高水準が続いています
直近の金相場の推移
2023年に過去最高値を記録している金相場ですが、直近の金相場はどのような推移を見せているのでしょうか。過去の金相場の動きを知ることは、今後の金相場を予測する上でも重要です。
ここでは、直近の金相場の推移を詳しく解説します。過去の出来事や時代背景と照らし合わせながら、金の価格がどのような時に上下するのかを見ていきましょう。
2000年代以降金相場は上昇トレンドに
2000年以降、金相場が上昇トレンドに入っていました。もちろん、上昇だけを続けているわけではありません。細かな上下を繰り返してはいますが、傾向としては上昇傾向にあるといえます。
2000年以降は地政学リスクや情勢不安などが起こり始めた年でもあります。金は安定資産であり、そのような世界情勢の大きな変化や、経済的な不安があると価格が上昇しやすい傾向です。そのため、さまざまなリスクや不安が高まり始めた2000年を境として、金相場の上昇トレンドが発生したと考えられています。
ここからは、2000年以降で金相場に影響を与えた出来事を詳しく紹介します。
2001年アメリカ同時多発テロ事件
2001年9月11日、世界中を震撼させたアメリカ同時多発テロ事件が発生しました。アメリカのニューヨークでワールドトレードセンターが攻撃され多くの犠牲が出たことは世界中にショックを与えただけでなく、金相場にも大きな影響を及ぼしました。
また、同時多発テロ事件の前後に起こったアメリカのITバブル崩壊も影響しているといわれています。アメリカのIT関連ベンチャーの倒産や株価暴落などが重なったことで、金相場は上昇傾向を見せ始めました。金は「有事の金」とも呼ばれており、金融危機や情勢不安などが起こるとニーズが高まります。
そのため、テロや金融危機が重なったことで金を買う動きが加速化し、金相場は上昇しました。
2003年イラク戦争
2003年には、イラク戦争が勃発しています。イラクが大量破壊兵器を開発、保有しているとして開始されたこの戦争も、金相場に大きな影響を与えています。
イラク戦争では、アメリカやイギリスが主導して有志連合を組織しイラクに戦争を仕掛け、当時のサダム・フセイン政権を打倒しましたが、戦争が終結した後もイラクではテロが起こり、不安定な状況が続いています。
地政学的リスクが高まったことで金相場は戦争の勃発前に上昇傾向を見せましたが、戦争勃発後には一時的に下落しました。しかし、下落は一時的なものでその後金相場は上昇する動きを見せており、上昇傾向に戻っています。
2007年サブプライムローン問題
2007年にはサブプライムローン問題が発生しました。サブプライムローンとはアメリカの住宅ローンのことで、信用力が低い人向けに高金利で貸し付けられていたという特徴があります。
サブプライムローンは多数の金融機関に購入されていましたが、不動産価格が下落して住宅ローンは不良債権化、2007年夏ごろからはサブプライムローン問題として世界的な金融危機の要因になりました。
このように、世界規模で金融危機が広がって不安が高まったことにより、より安全な投資先として金へのニーズが高まり、金相場が上昇したという背景があります。
2008年リーマンショック
2008年に起こったリーマンショックも、金相場上昇の要因です。リーマンショックとは、アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻したことを指します。リーマンショックの影響はアメリカだけにとどまらず、世界的な不況を招きました。
金相場はリーマンショックの直後に一時的に急落していますが、翌年の2009年には金相場が高騰しています。このときの金高騰はリーマンショックに加えて、アメリカの金融緩和が大きく関係しているとされています。金融緩和によってドルの価値や信頼感が下がり、信頼感のある金価格が上昇、金相場の上昇につながりました。
2015年にいったん金相場が下落
2000年から右肩上がりで上昇を続けていた金相場ですが、2015年にはいったん下落します。金相場が下落した要因としては、アメリカの金融緩和策が縮小する可能性が示されたことが挙げられます。
前述したように、2008年に発生したリーマンショックへの対策として、アメリカでは金融緩和策を取っていました。しかし、2013年からは金融緩和策が終了する兆しが見え始め、アメリカの景気回復への期待が高まります。
これにより、ドルへの信頼や需要が高まる一方、金へのニーズが下がり始めたため、金相場が下落したと考えられています。
2019年新型コロナウイルス
2015年以降は大きな変動のなかった金相場ですが、2019年に発生した新型コロナウイルスによって再度上昇傾向を見せ始めます。新型コロナウイルスの流行によって、世界中で大きな不安が渦巻いていました。また、経済活動がストップしたり国をまたいだ往来がなくなったりと、経済は不安定になり株価が暴落します。
これにより、安定的な資産である金へのニーズが高まり金相場は上昇、2011年に記録した高値を更新するに至ります。その後、コロナ渦はなかなか収束を見せず変異株による感染拡大が続くなどしたため、不安はより一層高まり金相場の上昇が続きました。
2022年ロシアによるウクライナ侵攻
2022年2月24日、ロシアは突如としてウクライナに侵攻し、戦争状態に入ります。ウクライナ問題は2023年12月時点でも集結していません。
ロシアのウクライナ侵攻以降、金相場は上昇し続けています。前述したように、金は「有事の金」とも呼ばれており、地政学的なリスクや緊張が高まることでニーズが高まり、金相場は上昇するからです。
また、ウクライナ侵攻によりエネルギー価格の高騰といった経済的な不安も高まっているため、より金相場が高騰しているようです。冒頭でもお伝えしたとおり、2023年の金相場は過去最高の水準になりました。
金相場の過去最低値は?
2000年以降上昇トレンドに入っており、安定して高値で推移している金相場ですが、過去最低値はどの程度なのでしょうか。
金価格が過去最低値を記録したのは、1998年のことです。瞬間最低値が1グラムあたり865円を記録しています。この時代は、アメリカの経済が好調で株やドルなどへの信頼が厚い時期でした。経済的に安定しており、地政学的なリスクもさほどなかったため金への需要が低く、過去最低値を記録したと考えられています。
最近金相場が高騰している理由とは?
このように、金相場は2000年から多少の上下はありながらも上昇を続けていましたが、最近では金相場が高騰しています。なぜ金相場は高騰しているのでしょうか。理由としては以下が挙げられます。
- 社会情勢が不安定
- 円安ドル高が続いているから
ここからは、それぞれの理由を詳しく解説します。
社会情勢が不安定
これまでも説明してきたように、社会情勢は金相場に大きな影響を与えます。金は、紛争やテロ、金融危機、大手企業の倒産、パンデミックなどによって価格が上昇するとされています。
これは、社会情勢が不安定になることで安定した資産を求める人が増えるからです。株やドルなどの価値が暴落する恐れがあるため、安全資産である金に投資する人が増えます。
近年では、新型コロナウイルスの流行による経済不安、ロシアによるウクライナ侵攻など、社会情勢を揺るがすような出来事が数多く起こっています。現在新型コロナウイルスは一定の落ち着きを見せていますが、ウクライナ問題は解決への道筋が見えず、イスラエルでの紛争なども起こっています。
このように、地政学的リスクや経済に対する不安が大きく、金へのニーズがより高まっているため金相場は高騰を続けていると考えられるでしょう。
円安ドル高が続いているから
金は基本的には米ドル建てです。世界的な金価格はドル建てですが、日本での取引では円換算された金価格で行われます。つまり、円安傾向が強まれば日本の金価格が上昇するということです。
近年は、円安ドル高が続いています。円安ドル高が続く要因としては、日本とアメリカの金利差が挙げられるでしょう。日本では超低金利政策が行われていますが、アメリカでは2022年3月から徐々に金利を引き上げています。
このように、日本とアメリカの金利差が大きくなることで、より金利の高いドルが買われて金利の低い円が売られるため円安ドル高になっているのです。
円安傾向がこのまま続けば、日本の金相場はさらに上昇する可能性があります。
金相場調べ方|確実な情報収集方法とは?
それでは、金相場はどのように確認したらよいのでしょうか。金相場は新聞でも確認できますが、新聞の場合は1日前の情報が掲載されているため、リアルタイムでの情報は集められません。
リアルタイムな情報を知りたい場合には、インターネットで調べましょう。貴金属を扱う企業のサイト、例えば田中貴金属工業ではその日の貴金属価格情報を公開しています。
田中貴金属は国内でも金取扱いの大手なので、迷った場合はこちらの公式サイトをチェックするのがおすすめです。当日の金相場だけでなく、前日比なども公開されているため、金相場の推移を知りたい場合にも適しています。
また、金の買取専門店で確認することも可能です。金の買取専門店であれば店頭に当日の金買取価格が掲示されているため、近くに買取店がある場合はのぞいてみるのもよいでしょう。
近年続く金相場高騰
近年では、地政学的リスクや経済不安などにより金相場は高騰を続けています。今後も高騰し続けるかは不明ですが、2023年には金相場が過去最高値を記録しており、高水準で推移しています。金の売却を考えている場合には、金相場の推移をチェックしながら売り時を逃さないようにしましょう。
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