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ゴールドバー(インゴット)をわかりやすく解説。種類や刻印、購入方法や注意点など
金は資産価値が高いものとして古くから根強い人気があり、特にゴールドバー(インゴット)は資産として保有するのに適しています。この記事では、インゴットの定義や種類のほか、保有するメリット・デメリット、購入方法や購入時の注意点まで詳しく解説します。
目次
ゴールドバー(インゴット)の定義とは?
「インゴット」とは金属を保管や持ち運びがしやすいように、型に注いでできた塊のことです。インゴットという用語自体は、金だけではなく銀やプラチナ、アルミニウムなど他の金属の素材でも用いられます。
精錬した純度の高い金を固めたインゴットは、「金インゴット」や「ゴールドバー」、「金の延べ棒」とも呼ばれ、資産として保有する人が多くいます。インゴットは、表面に数字やアルファベットの刻印が入っているのが特徴です。
ゴールドバー(インゴット)の種類
ゴールドバーは重さによって10種類に分類されています。最も大きいラージバーと呼ばれる12.5kgのゴールドバーはロンドンの金市場で取引されるもので、一般的には目にすることがありません。その次に大きいのは1kgのキロバーと呼ばれるもの。よく金塊が積み上げられている映像で用いられているのは、この1kgサイズのキロバーです。
キロバーの下のサイズは500gで、グラムバーと呼ばれています。ゴールドバーとしてポピュラーなのはキロバーとグラムバーです。
500gよりも小さいスモールサイズと呼ばれる種類には300gと200g、100gのものがあります。100gよりも小さいサイズには50g、20g、10g、5gがあり、コインバーと呼ばれています。コインバーの中でも20g以下は、主にペンダント用です。
ゴールドバー(インゴット)の刻印
ゴールドバーには、ジュエリーとして流通している他の貴金属のような保証書がありません。その代わりにゴールドバー本体には、製造番号や商標、重量表示、素材表示、精錬・分析者マーク、品位表示の刻印が入っています。
製造番号はいわゆるシリアルナンバーで、同じ番号は一つとしてありません。商品管理のためにつけられている番号で、偽物を防止するのに役立っています。金塊を精錬できる業者は限られており、商標はそのゴールドバーを精錬した企業のブランドロゴです。
重量表示はゴールドバー全体の重量がグラム(g)やキログラム(kg)で刻印されているため、サイズが分かります。素材表示ではGOLDまたはFINEGOLDが刻まれ、FINEGOLDは純金です。
純度は千分率で表されており、純度99.99%の金は999.9と刻印されています。精錬・分析者マークは、精錬業者(MELTER)と品位検定業者(ASSAYER)の刻印です。
ゴールドバー(インゴット)のメリット
古くからゴールドバーは、安定した資産として知られてきました。実際にゴールドバーを保有することには、さまざまなメリットがあります。まずは以下の段落でゴールドバーのメリットを3つ挙げ、それぞれ詳しく解説します。
世界中で共通の価値を持つ
金に価値があるというのは日本だけにとどまらず、世界の共通認識です。イギリスのロンドンは世界的な金の取引市場の代表格で、国際的な金の認定機関LBMA(ロンドン貴金属市場協会)もあります。LBMA公認の溶解業者の精錬したゴールドバーはGDB(グッド・デリバリー・バー)と称され、世界中での取引が可能です。
ゴールドバーは換金性も高く、他の投資商品に比べて購入しやすい金額のものもあるため、世界中の人が安定した資産運用の方法として購入しています。
有事の際に強い
過去を振り返るとオイルショックやアメリカの同時多発テロ、近いところでは新型コロナウイルスの感染拡大などたびたび世界規模での大きな有事が起こっています。外貨投資や株式投資など、投資の方法にはさまざまなものがありますが、貨幣や株式は世界情勢に敏感です。
企業の倒産や金融機関の破綻などが起こるリスクがあり、投資した資金がほとんど手元に残らない状況に陥ることも考えられます。実際にオイルショックやアメリカの同時多発テロの際、株価は下落しました。一方で実物資産のゴールドバーは有事に強く、株式のように紙くずになることはありません。
このことから、有事の際はほかの投資方法の人気が低下し相対的に金投資の人気が高まるため、有事のときほど金の価格が上がります。2023年7月時点で未だ金の価格が高騰しているのは、新型コロナウイルス感染症の影響と、ウクライナ情勢が影響しているものと考えられます。
インフレにも強い
インフレが起こるとお金の価値が下がるため、例えばそれまで千円で買えていたものが千円では買えなくなってしまいます。保有している資産が現金に近ければ、損失が発生する可能性が大きくなるでしょう。
逆にインフレ下では相対的に物の価値が上がるので、金や美術品、不動産などの実際にそのもの自体が価値を持つ実物資産が強くなります。もちろんゴールドバーも相場はある程度上下しますが、インフレ下でも比較的安定しているのは大きな強みでしょう。
ゴールドバー(インゴット)のデメリット
世界共通の価値を持ち、有事やインフレにも強いゴールドバーですが、デメリットが全くないわけではありません。次にデメリットになる点も3つ紹介します。上手に資産形成するためにも、以下で解説するデメリットも頭に入れておいてください。
毎月配当金や利息が出るわけではない
ゴールドバーで利益を得る最も一般的な方法は、購入時と売却時の価格差による利益です。つまり売却するまでは、利益が手元に入ってくることがありません。株式投資でも株価が低いときに購入し、値上がりしたタイミングで売却すれば差額が利益になるのは同じです。
ただし、株式では投資した企業が利益を上げれば配当金を得られたり、優待特典があったりします。国や地方公共団体が発行する債権への投資でも利息が発生しますが、ゴールドバーは持っていても利息を受け取れるわけではありません。毎月安定した収入を得られないのはデメリットの一つです。
保管には注意が必要
ゴールドバーは実物資産として、金の塊そのものが存在します。人によっては、せっかく買ったのだから手元に置きたいと思うこともあるでしょう。ただ自宅に保管する場合は盗難や紛失のリスクを考え、専用の金庫を用意するなど場所の確保やセキュリティ対策を考える必要があります。
自宅に置かなくてもいいのなら、金融機関の貸金庫に預けるのが安心できる保管方法の一つです。ゴールドバーを扱っている業者の中には、保管サービスを提供しているところもあります。購入したところでそのまま保管してもらえるため安心なのはもちろん、手間もかかりません。
購入・売却の際は手数料(バーチャージ)がかかることも
ゴールドバーは購入する際、手数料がかかってくることがあります。手数料の設定は業者によって違いがあるものの、1kgのキロバーや500gのグラムバーは、一般的にどの業者でも手数料を取っていません。500gを下回るゴールドバーを購入するときは、1個ごとにバーチャージと呼ばれる手数料がかかるので注意しましょう。
地金(じがね)・金の延べ棒・金塊との違いは?
ゴールドバーやインゴットとともに、金に関連する用語でよく目にするものに地金や金の延べ棒、金塊などがあります。
地金は金属を保存しやすいよう固めたものを指し、金ならば金地金と呼ばれます。金塊もほぼ同じような意味です。インゴットと同じように使われることがありますが、金地金はあくまでも固体の状態のものを指す言葉で、アクセサリーのように形が整っていない金も地金に含まれます。
一方でインゴット(ゴールドバー)と呼ばれるのは、国際的に認められた業者が厳しい基準をクリアして作ったものです。単なる金の塊とは別物であり、一定の形に固められ、品質も証明されています。金の延べ棒は純金のものを指し、一般的にインゴットと同じような意味で使われることがあります。
ゴールドバー(インゴット)の購入方法
では実際にゴールドバーを購入するためには、どうすればいいのでしょうか。ここからはゴールドバーの購入が可能な場所と詳しい購入方法について解説します。自分に合った方法で、ゴールドバーの購入を検討してみてください。
購入できる場所
ゴールドバーは貴金属類を扱っている店舗で購入が可能です。具体的には宝石店や貴金属店のほか、銀行などでも扱っています。
他にも国内には三菱マテリアルや田中貴金属工業、徳力本店など、国際公式ブランドとして認められているインゴットの製造元が複数あり、直営店を展開しています。
ゴールドバーは偽物が出回ることがありますが、国際公式ブランドの直営店ならば心配はありません。また金地金の正しい知識の普及と健全な取引を目的として、日本金地金流協会が設立されています。一般的な宝石店や貴金属店を利用する場合は、日本金地金流協会に登録されているかどうかを確認してから購入してください。
※参考:一般社団法人 日本金地金流通協会. https://www.jgma.or.jp/, (2023-7-12).
購入方法
ゴールドバーは従来のように店舗に出向いて直接購入できるほか、電話注文やインターネットでの注文にも対応しているところが増えてきました。
店舗で直接買い物する場合、疑問点や不安に感じること、投資に関する相談などがあれば、その場でお店の人に質問できるメリットがあります。もちろん実物を自分の目で確かめられるのも、大きなメリットです。
一方で電話やインターネットでの購入では実物は確認できないものの、店舗まで出向く手間と時間をかけずに済みます。購入したゴールドバーを持ち運ぶ必要もありません。自身の状況と照らし合わせ、適した方法で購入しましょう。
ゴールドバー(インゴット)購入時の注意点
実際に出回っているゴールドバーの中には、残念ながら偽物や基準を満たしていないものが販売されていることがあります。見分けるポイントは「グッド・デリバリー・バー」であるかどうかです。金を製造しているからといって、業者は勝手にグッド・デリバリー・バーを名乗ることができません。
グッド・デリバリー・バーは、LBMA(ロンドン貴金属市場協会)の基準をクリアした業者が製造したインゴットだけが名乗ることを許されています。グッド・デリバリー・バーは金の重さや純度などが正確に測定され、基準内に収まっています。ゴールドバーを購入する際は、グッド・デリバリー・バーであるかどうかを確認してください。
近年特に人気のゴールドバー(インゴット)
有事やインフレにも強く、国際的にも共通の価値を持つゴールドバーはメリットも多く、人気が上がっている投資の方法です。ただしデメリットや注意点も存在するため、購入に当たってはしっかり見極める必要があります。
ロデオドライブは1954年の創業以来、真贋力や査定力、相場力を培い、ブランド品の買い取りはもちろん、ゴールドバー(インゴット)を始めとした貴金属類の取り扱いも豊富です。ゴールドバーの購入を検討しているのなら、ロデオドライブにぜひご相談ください。
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