COLUMNコラム
現在の金の埋蔵量ってどのくらい?これまでの採掘量や金の将来性まで解説!
金はその輝きから、いつの時代も人々に珍重されてきました。ただ金は無尽蔵にあるわけではなく、限りのある資源です。古代文明の時代から現代まで地球上に眠る多くの金が採掘されてきたはずですが、あとどのくらい埋蔵されているのでしょうか。
この記事では金のこれまでの採掘量や現在の埋蔵量はもちろん、金の将来性まで詳しく解説します。
目次
「金」が他の金属と異なる価値を持つ理由
貴金属の中でも、金は昔から他の金属とは違う価値を持っていました。その価値は、現代に至っても変わることがありません。特に金が持つ美しい黄金色の輝きと、錆びたり変色したりしない特徴が、金の価値を高める理由になっています。
まずは金が長い年月にわたって人々を惹きつけるのはなぜなのか、その理由を詳しく解説します。
美しい黄金色の輝きは富と権力の象徴
世界の歴史を紐解いてみると、あちこちの地域で権力者が黄金に輝く金を身に着けてきたことが分かります。古くは紀元前6000年頃にメソポタミアで栄えたシュメール文明で、金の装飾品が作られていたとされています。
古代エジプト文明でも多くの金製品が発掘されています。特にツタンカーメンの黄金のマスクは有名でしょう。太陽神を信仰していた古代エジプト文明では、金が太陽神ラーの一部と考えられ、ファラオ(王)が身に着ける装飾品に多く用いられていました。
南米で栄えたインカ帝国も金を多く産出する国として有名でしたが、それゆえに狙われ、滅ぼされています。日本においても豊臣秀吉が作った黄金の茶室や奥州平泉の中尊寺金色堂の金装飾をはじめ、金は富や権力を象徴するものとして当時をうかがい知ることができます。
錆びたり変色したりしない金は不老不死の象徴
金が古代から現代まで重宝されているのは、安定した物質だからという理由があります。空気や水に触れると酸化する金属は多いですが、金は酸化しにくく、錆びないのが特徴の一つです。
また、王水(非常に強力な酸)を除き、金を溶かせる液体もありません。金はそのまま置いているだけではほとんど酸化せず、また変色することも少ないためアクセサリーの素材として重宝されています。
長期間にわたって美しく輝く金は、不老不死の象徴とも捉えられてきました。歴史の中で多くの権力者が金を身に着けていたのは、単に権力の象徴としてだけではなく、不老不死を求める意味もあったのです。
今までの「金」の採掘量
古代文明が栄えた時代から多くの国や地域で重宝されてきた金は、現代も需要が尽きることがありません。紀元前には金がすでに装飾品として使われていたことを考えると、数千年にわたって採掘されてきたことになります。
現在でも金は採掘され続けていますが、これまでに世界で採掘されてきた量は17万トンとも19万トンともいわれています。これはオリンピックの公式競技用プールに換算して3杯を超える量です。
金は柔らかい金属なので、昔から道具など実用的なものにはあまり使用されてきませんでした。現代でもパソコンなどの精密機器に使用されることはあるものの、採掘された金のほとんどが装飾品や投資(ゴールドバー)に利用されています。
想定される現在の「金」の埋蔵量
金は地中の奥深くの鉱脈や海水中、マグマの中などにも含まれていますが、現在の科学技術では取り出すことができません。国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)が公表しているデータによると、想定される現在の採掘可能な埋蔵量は全世界で約4万2,000トンです。
そのうち日本の埋蔵量は約6,800トンだと想定され、世界の想定埋蔵量の1割を超える分が日本国内に眠っていると見積もられています。金は無尽蔵にある資源ではなく、地球上に存在する量は限られています。こうしたことから、金の価値は今後も変わらず高いままであるといえそうです。
※出典:国立研究開発法人物質・材料研究機構 NIMS レアメタル・レアアース特集「各種データ」.https://www.nims.go.jp/research/elements/rare-metal/urban-mine/data.html ,(参照 2024-5-11).
毎年約2,500トンが消費されている
まだ4万2,000トンが埋蔵されているとはいえ、金は世界中で貴重なものとして認識されています。そのために現在でも需要が高く、毎年約2,500トンが消費されているのも現実です。
先に解説したように、すでに地球上に埋蔵されていた金のうち、17万トン~19万トンほどが採掘されてしまいました。このままのペースで採掘を続けていれば、いずれ枯渇することも考えられます。
もちろん今後技術が向上することで、これまで採掘できなかった金が取り出せるようになることも考えられます。しかし、現状では埋蔵量の少なさと需要の高まりを考えると、金の希少価値が下がることはないでしょう。
中国・オーストラリア・ロシアなどで多く採掘される
外務省では金の産出量について、国別に順位と産出量を公表しています。
順位 | 国名 | 産出量(トン) |
1 | 中華人民共和国 | 330 |
2 | オーストラリア | 320 |
ロシア | 320 | |
4 | カナダ | 220 |
5 | アメリカ合衆国 | 170 |
6 | カザフスタン | 120 |
メキシコ | 120 | |
8 | 南アフリカ | 110 |
9 | ウズベキスタン | 100 |
ペルー | 100 |
2022年で最も金の産出量が多かったのは、330トンの中国でした。次いで2位がともに320トンのオーストラリアとロシアです。上位の中国・オーストラリア・ロシアの3国は4位のカナダが220トン、5位以下の国が100トン台であるのに比べても、特に多くの金を算出しています。
※出典:外務省.「金の産出量の多い国」.https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/gold.html ,(参照 2024-5-11).
「金」の埋蔵量と「金」の価値との関係性とは?
金の埋蔵量が少なくなると、価格が上がりそうだと考える人も多いのではないでしょうか。もちろん埋蔵量が少なくなれば、希少性が高まる一因にはなります。しかし金の相場はさまざまな要素で決まるため、単純に埋蔵量と連動するとはいえません。
実際には社会情勢や経済状況、通貨の価値や投資家の心理など、多くの要因が絡まって市場価値が形成されます。
また、金はリサイクルが可能な金属という点も、大きな特徴です。使用済みの電子機器などから貴金属を回収し、リサイクルする試みも行われています。都市鉱山(都市の家電ごみなどに使用されている微量な金)から金を効率的に回収できれば、すでに採掘され、世に出回っている金を持続可能な形で再利用することが可能です。
ただし、廃家電製品の回収の手間や分別・解体に必要なコストを考えると、金のリサイクルが行われているからといって急に金の価値が下がるということはないでしょう。
金の将来性とは?
ここからは金の将来性について解説していきます。短期予測は難しいものの、長期的には金の価値が下がるとは考えられていません。金が貴重な資源であること、有事の際やインフレに強いことなどの理由から、基本的には今後も価値がキープされるだろうと予測されています。以下で各理由を詳しく解説します。
金は限られた貴重な資源
先述したように最近では金のリサイクルも多く行われるようになりました。リサイクルの例としては携帯電話やパソコン、デジタルカメラなどの電子機器、アクセサリーや置物などが挙げられます。東京オリンピック2020(実際の実施は2021年)では、メダルに使用する金が電子機器から採取されました。
電子機器や不要になったアクセサリーなどの貴金属から金をリサイクルで取り出せれば、埋蔵されている分が枯渇したとしても地球上から金が全くなくなってしまうことはないでしょう。とはいえ金が、限られた資源であることに変わりはありません。
古代文明の時代から、世界各地で金を作り出そうとする錬金術も行われてきました。しかし実際に金を人工的に生み出そうとする試みは、成功していないのが現実です。そういった点も、金は貴重な資源として将来にわたって価値が下がらない理由の一つになっています。
有事の際にも強い金
「有事の金」という言葉があるように、金は投資家の間で安定資産として認識されています。戦争や大きな災害などの非常事態が発生すると、株式や現金などは暴落するリスクがあります。もし投資している企業が倒産すれば、株式は無価値になる可能性すらあるでしょう。
一方で現物資産の金は、有事の際でも価値が暴落する可能性は低いと考えられます。むしろ有事の際には、金の価格が上昇するのが一般的です。例えば2008年に起こったリーマン・ショックや2020年に発生した新型コロナウイルスの拡大、2022年に起こったロシアによるウクライナ侵攻などでは、金価格が上昇しています。
国際的な金の取引では国際価格が定められており、金の価値は世界中で共通です。有事の際でも、金を所有していれば基本的に世界中のどこの国の通貨とも換金できます。このような特徴から、金は株式投資を行っている投資家のリスクヘッジにも活用されています。
インフレ対策としてもよい
現物資産の金はインフレにも強いといわれています。インフレとは物価が継続的に上昇して相対的に物の価値が上がり、逆にお金の価値が下がることです。
例えばインフレが進むと、1,000円だったものが1,100円や1,200円に値上がりすることがあります。しかし1,000円札の価値は1,000円のままであり、値上がりした1,100円や1,200円のものは購入できません。現金や預金などを所有していても、インフレ時には価値が目減りしてしまいます。
実際にインフレが続く状況下では、リスクヘッジとして金の購入が増加します。銀やプラチナなど他の金属でも価格は下がりにくい傾向があるものの、特に金は需要があり、流通性も高いのがメリットです。
リサイクル需要も増加
地球上には、まだ採掘されていない金が眠っています。採掘技術は昔に比べると発展していますが、より深い場所や海底などの金鉱脈を掘ろうとすると作業が困難になるほか、コストも膨大になります。そもそも採掘しやすい場所にある金はすでに掘り出されていることが多く、コストをかけずに採掘できる場所はごくわずかです。
そんな中、最近では金のリサイクル需要が高まっています。すでに製品にされている金であれば比較的簡単に新たな金製品にリサイクルできるからです。リサイクル可能な金は埋蔵量が限られていても地球上からなくなることはありません。
そのため金は価格変動があるものの長期的な資産保全に向いているとされます。近年の価格は高騰傾向です。
埋蔵量に限りのある金
金は有史以降、すでにプール3杯分の量が採掘されています。残された埋蔵量に限りがあるにもかかわらず、金の需要は減りません。今後も金の価値はキープされ続けるでしょう。
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