COLUMNコラム
オメガを代表するスピードマスターとは?特徴や歴代・最新・おすすめモデルまで一挙に紹介!
オメガはスイスの高級腕時計メーカーとして、日本でも高い知名度を誇ります。そんなオメガにはたくさんの傑作がありますが、中でも「スピードマスター」はムーンウォッチとして時計愛好家以外の人にもよく知られている逸品です。そこで、この記事ではオメガのスピードマスターに焦点を当てて、その特徴や歴代モデルなどを紹介していきます。(※この記事の内容は2023年3月時点のものです)
目次
オメガ スピードマスターとは
オメガは現在からおよそ175年も前の1848年にスイスで創業したブランドです。もともとは懐中時計を製作するメーカーとして知られ、創業者ルイ・ブランは積極的な機械化を図ることで事業規模を拡大していきました。その後、1932年にはオリンピックのオフィシャルタイムキーパーに採用されて世界的な認知度も向上します。そして、1957年に登場したのがオメガの長い歴史でも最も知名度が高いコレクションといえる「スピードマスター」です。
スピードマスターは精度の高さはもちろん、耐久性にも優れていたことから、当時NASAが構想していた宇宙計画で公式に採用されます。その後、スピードマスターは人類初の月面着陸のときに宇宙飛行士が身につけていた時計として、「ムーンウォッチ」という相性がつき爆発的なヒットを記録しました。現在では、さまざまなバリエーションが用意されていて、多くの人から愛されています。
宇宙と関連深い唯一のムーンウォッチ
スピードマスターを語るうえでは、宇宙との深い結びつきを外すわけにはいきません。1962年にNASAは宇宙空間でも使用できる高精度かつ耐久性のある時計を探していて、当時世界的に有名だった腕時計メーカーの製品を対象に宇宙空間で使用するためのシミュレーションテストを行いました。テストでは「高温(低温)」「気圧」の変化や「衝撃」「加速度」に耐えられるかどうかなどが試され、その中で唯一厳しい審査を無事に耐え抜いたのはスピードマスターだけだったといわれています。
そうして1965年にNASAの正式装備品として認められたスピードマスターは、当時アメリカ政府の悲願であった1969年の月面着陸にも使用され、見事に任務を達成しました。スピードマスターとNASAの関係はその後も続き、1970年には有名なアポロ13号の爆発事故において、乗組員の生還に大きく貢献しています。爆発事故によって電気系統が作動しなくなったアポロ13号が地球に帰還するには、ロケット噴射を正確なタイミングで行わなければいけませんでした。
1秒でもタイミングを間違えると永遠に宇宙空間をさまよう可能性すらあったリスクの高いミッションで、乗務員たちはスピードマスターで時間を確認しながら作業を続け、無事に生還を果たします。これらのエピソードから、スピードマスター=宇宙というイメージが人々に焼き付けられました。
スピードマスターの特徴
オメガの代表コレクションとして高い知名度を誇るスピードマスターですが、その特徴とはどのようなものなのでしょうか。ここからはスピードマスターの具体的な特徴について紹介します。
圧倒的な知名度と人気
しかしスピードマスターはそれに匹敵する知名度と人気を誇るアイテムです。
それを支えているのは、なんといっても前述したムーンウォッチとしてのエピソードです。NASAの宇宙計画を支えた腕時計というアイデンティティは、その他のコレクションにはない魅力で、時計に詳しくない人でもスピードマスターの名前だけは知っている人もいるぐらい抜群の知名度と人気を誇っています。
外周ベセルに配したタキメーター
スピードマスターは1957年に誕生した当時、レーシングクロノグラフとして発売された過去を持っています。そのため、1kmの平均時速を図るのに便利なタキメーターが初代モデルから搭載されていました。タキメーター自体はその当時としても特別珍しい機能ではありませんでしたが、ダイヤルではなくベゼルの外周に配したのはスピードマスターが初めてだといわれています。それによってデザイン性と実用性の双方が強化され、現代のクロノグラフモデルのデザインにも大きな影響を与えました。
ラインナップが豊富
スピードマスターは初代モデルの登場から70年近くが経過しているコレクションで、これまでにたくさんの種類が発売されてきました。また、価格帯もさまざまでスイス製の高級腕時計ブランドでありながら、比較的購入しやすい価格帯のモデルがあるのも魅力です。そのため、高価格帯の一生ものの腕時計から普段使いできる腕時計まで揃っており、自分に合ったものを選べます。
さらに、カラフルなNATOストラップ(ナイロン素材で作られた軽くて丈夫な時計ストラップ)も用意されているので、仮に同じモデルであっても個性を出せるのも特徴です。価格とデザインという2つの視点から自分に合ったモデルを選べる自由さが魅力で、老若男女を問わずさまざまな人に愛されています。
スピードマスターの歴代モデル
スピードマスターは1957年に発売された初代モデルから現在の第八世代まで細かく分類できます。ここでは、それぞれの世代の特徴を紹介します。
第一世代
1957年に登場したレーシングモデルのスピードマスターは、本格ダイバーモデルの「シーマスター」、鉄道時計をコンセプトにした「レイルマスター」とともに3つのマスターシリーズの一つとして発売されました。第一世代のスピードマスターは、やや小さめなケースに存在感のある矢印型のブロードアロー針を採用することで、高い視認性を実現したことが特徴です。
ムーブメントにはその後第四世代まで搭載されることになる、レマニア社製のCal.321が搭載されています。現在では、アンティーク市場でもなかなか見ることができない希少価値の高いモデルです。
第二世代
初代モデルの発売から2年後の1959年に登場したのが、第二世代です。第二世代の大きな特徴は、ベゼルがそれまでのシルバーからアルミニウムのブラックベースになったことが挙げられます。また、針の形状もインパクトのあった矢印型のブロードアロー針からシンプルなアルファ針に変わったことで、よりスタイリッシュなアイテムへと生まれ変わりました。第二世代は完成度が高かったことから、スピードマスターの第三世代以降にもデザイン面が踏襲されていくことになります。
第三世代
スピードマスターの第三世代が登場したのは、1963年ごろだといわれています。この世代の大きな特徴はアルファ針から白ペイントのバトン針に変わったことです。バトン針は現在のアイテムにも継承されており、視認性が従来モデルよりもさらに高まりました。また、前述したNASAの過酷なテストに耐えたのも、この第三世代になります。
第四世代
1965年に誕生した第四世代の特徴はケースが左右非対称になったことです。また、耐久性を高めるために、ケースの3時側にリューズガードが搭載されました。
オメガは第四世代が初めて月面で着用された腕時計であると公式に発表しています。第四世代が誕生した1965年というと、NASAがスピードマスターの正式採用を発表した年です。翌年NASAから実際に発注が来たことを境に、それ以降の生産品には文字盤に「PROFESSIONAL」の表記がされることになりました。
第五世代
第五世代は1968年に登場しました。アポロ11号が月面着陸を果たしたのは1969年の7月で、その1年前に発売されていた当該モデルは当時のニュースも重なって大きな注目を集めました。
機能面ではムーブメントがそれまでのCal.321からCal.861へと変わったのが大きな変更点です。また、1970年ごろに登場する第五世代からスピードマスターファンにはよく知られている「THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON」という刻印が裏蓋に記載されるようになりました。
第六世代
第六世代は1996年頃に発表されました。ここではムーブメントが従来のCal.861からCal.1861 に変更されています。とはいうものの、Cal.1861は仕様がロジウムメッキになっただけであり、機能面においてそれまでのCal.861と大きな違いがあるわけではありません。そのことからも1968年から搭載されているCal.861の完成度の高さがよくわかります。
また、シースルーバックモデルが登場したことや夜光塗料にスーパールミノバが採用され、デザイン面と機能面の両方でグレードアップしているのも特徴です。
第七世代
第七世代は2014年ごろから登場したモデルで、ブレスレットのねじ留めが変わったことが特徴です。そのほかに大きな変更点はありませんが、第七世代では新品を購入すると豪華な付属品がつくことが話題になりました。
付属品には付け替え用のストラップやルーペといった便利グッズ、特別冊子が含まれていて第七世代特有の付加価値を生み出しています。
第八世代
2021年から登場したのが、最新モデルの第八世代です。第八世代には「コーアクシャル機構」と「マスタークロノメーター認定のCal.3861ムーブメント」が搭載されたことが大きな特徴です。
コーアクシャル機構によってオーバーホールの回数を従来よりも減らすことができ、ユーザーの負担軽減に成功しました。また、Cal.3861ムーブメントは耐磁性能15,000ガウスの認定基準をクリアするなど、性能面でも従来モデルより大きくパワーアップしています。
2023年最新モデル「スーパーレーシング」
第八世代まで発売されているスピードマスターの最新作が、2023年に登場したスーパーレーシング(Ref.329.30.44.51.01.003)です。最大の特徴は「日差±0.1秒」の微調整が可能なスピレートシステムで、新しく耐磁性のひげゼンマイを開発したことで実現しました。
また、デザイン面でもそれまでのスタイリッシュでクールな印象を与えるモデルとは一線を画しているのも特徴です。最新モデルではブラックとイエローという斬新なカラーリングと、ハチの巣を想起させるハニカム構造が文字盤に採用されています。従来のスピードマスターよりすべての面でワンランクアップしたアイテムとなっており、早くも大きな注目を集めています。
スピードマスターのデジタルウォッチが存在する?
オメガのスピードマスターはその長い歴史のなかで、ほとんどのモデルでアナログ式が採用されてきました。しかし、一部ではデジタル式のものも存在し、中古市場で1970年代あたりに生産されたモデルがまれに流通しています。また、近年では新しいデザインとして、アナログ式とデジタル式が融合した「プロフェッショナルX-33」というアイテムも登場しています。
プロフェッショナルX-33は宇宙との結びつきが強いスピードマスターらしく、火星からインスピレーションを受けているのが特徴です。ベゼルに配された火星を彷彿とさせるレッドカラーや火星の時間を表示する「マーズタイマー」など、ユニークなアイデアがたくさんつまっている逸品として、ファンの支持を得ています。
スウォッチとスピードマスターのコラボが大人気!
2022年3月にスウォッチとオメガがコラボ時計を発売し、多くの腕時計ファンを騒然とさせました。オメガは高級腕時計ブランドとして世界中で認知されており、価格も決して安くはありません。ところが、カジュアルな腕時計を好むユーザーが多いスウォッチとコラボしたアイテムは、それまでのオメガのコレクションでは考えられない税込3万3,550円で販売されました。手ごろな価格はもちろんのこと、水星(ブラックやグレー)や金星(淡いピンク)といった太陽系の惑星や衛星をモチーフにした全11種類の鮮やかなデザインも話題を呼び、2023年3月現在でも品薄状態が続いています。
限定モデルではないため、タイミング次第では店舗で直接購入できる可能性もありますが、確実に手に入れたい人は多少値が張っても中古市場での購入も検討してみましょう。
スピードマスターのおすすめモデル
スピードマスターには唯一無二のエピソードがあり、興味を持った人もいるのではないでしょうか。最後にスピードマスターのおすすめモデルを紹介していきます。
ムーンウォッチ プロフェッショナル コーアクシャル マスター クロノメーター クロノグラフ 42㎜(Ref.310.30.42.50.01.001)
ブラックとシルバーのコントラストが非常に美しい現行品です。文字盤に配されたメーター類とケースデザインの相性も素晴らしく、クールでスタイリッシュなアイテムとなっています。また、コーアクシャル機構とマスタークロノメーター認定を受けたCal.3861が搭載された最新モデルであることも特徴です。
レーシング コーアクシャルクロノグラフ40㎜(Ref.326.30.40.50.06.001)
グレーダイヤルのアクセントにイエローを採用しており、腕時計の存在感を高めています。ブラックのサブダイヤルに装飾されているクル・ド・パリ模様も美しく、高級感を醸し出しているのも特徴です。
生産終了品ではありますが、中古市場で取引されていることもあるので気になった人は探してみてはいかがでしょうか。
オメガを象徴するスピードマスター
スピードマスターは、多くのコレクションを手掛けるオメガのなかでも特別な存在です。スピードマスターは、ムーンウォッチとして多くの人に愛されており、中古市場でも人気があります。ロデオドライブでも取り扱っているので、興味がある方はぜひ探してみてください。
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