COLUMNコラム
IWCの定番モデル・ポートフィノを徹底解説。歴史からおすすめモデルまで!
2021年4月現在、IWCは数ある高級時計メーカーのなかでも、デザイン性と実用性を兼ね備えた時計が揃っていることで人気を集めています。この記事では、日本人のファンも多いIWCの定番モデル「ポートフィノ」の魅力を解説しています。
また、ポートフィノとはどのような時計なのか、歴史や特徴はもちろんおすすめモデル5選も紹介するので参考にしてみてください。
IWCのポートフィノとは
ポートフィノはIWCを代表するコレクション「ポルトギーゼ」に並ぶIWCの顔といえます。IWCはスイスの高級腕時計メーカーで、1868年に創業しました。
IWCは常に最高品質の時計を提供し続けており、スイス公認の厳しい規格「クロノメーター」には参加せず、さらに厳しい自社規格を設けているほど品質にこだわっています。
ポートフィノの魅力は品質だけではありません。デザインも特徴的で、余計な装飾をせずシンプルで洗練されたデザインが揃っています。
腕時計は限られたスペースで美しさを表現しつつ、実用性も兼ね備えなければいけません。足し算をしていけば華やかで美しく、注目を集めるデザインを作り出せるでしょう。しかし、ポートフィノは引き算をすることで無駄を省き、シンプルかつ洗練されたデザインを実現したのです。
ただし、ポートフィノは「地中海のくつろいだライフスタイル」をテーマとしており、シンプルさの中に地中海の街並みのようなクラシカルでラグジュアリーな雰囲気を併せ持つコレクションといえます。
また、ポートフィノは比較的小ぶりなサイズが揃っていることも魅力です。日本人の腕にも馴染みやすいポートフィノなら、さりげなく存在感をアピールできるでしょう。
IWCのポートフィノの歴史
ポートフィノのケースデザインは、クルト・クラウスという生きた伝説といわれていた時計技師と、ハノ・ブルチャーというデザイン主任が考案したもので、IWCの「レピーヌ」という懐中時計を手本に1950~1960年代にかけての柔らかくクラシカルなデザインに感化されたといわれています。
実はポートフィノの考案当時、安価で高性能な日本製のクオーツ時計が台頭したため、スイス時計の価格は大幅に下落していました。IWCも販売価格を下げるため、自社製ムーブメントから汎用ムーブメントに切り替えます。
ところが、これまで高品質を誇ってきたIWCが汎用ムーブメントを採用したことで、ブランドのイメージが悪くなってしまいました。そしてIWCにかつての勢いがなくなっていた頃、再び機械式時計が注目を集めるようになります。
これをチャンスに機械式時計の人気を再燃させるべく、IWCは1984年ポートフィノを発表しました。ポートフィノという名前の由来は、イタリアの海辺にある高級リゾート地「ポートフィノ」です。ポートフィノの裏蓋には、イタリアのリゾート地であるポートフィノの美しい風景がエングレーヴィングされています。
初代ポートフィノは懐中時計のムーブメントを使用していたため大ぶりでした。腕時計として違和感のないサイズになったのは、次のモデルからです。
IWC ポートフィノの特徴
ポートフィノには「デザイン」「サイズ」「価格」「ロゴ」の4つの特徴があります。具体的にどのような特徴があるのか、ひとつずつ確認していきましょう。
特徴その1:時代に左右されないシンプルでクラシカルなデザイン
ポートフィノの特徴としてまず挙げられるのは、シンプルでクラシカルなデザインです。ポートフィノは誕生から30年以上経過していますが、歴代のコレクションを並べるとどれもクラシカルなデザインとなっています。
30年以上前に作られたデザインをクラシカルと表現することは珍しくないかもしれません。しかし、ポートフィノの場合はデザインが古臭いというわけではなく、現代的でスタイリッシュな印象のなかに伝統と気品が感じられます。
シンプルでクラシカルなデザインは、時代に左右されることなく持ち続けられるのが魅力といえるでしょう。
特徴その2:日本人に馴染みやすいサイズ感
ポートフィノで大ぶりなモデルは、懐中時計のムーブメントを採用した初期のポートフィノだけで、後継モデルからは一般的な腕時計サイズへとサイズダウンしました。
とはいえ、IWCではポルトギーゼなど大きめのモデルが主流です。そんななかポートフィノは37mmモデルや過去には34mmモデルを発表したこともありました。ある程度は時計に存在感が欲しいという人は物足りなく感じるかもしれません。
しかし日本人には欧米人に比べて小柄な人が多いので、コンパクトなサイズ感が馴染みやすいといわれています。一般的に理想のケースサイズは手首幅の60~70%といわれており、日本人の手首幅を考慮しながら日本人向けに時計を製造しているメーカーは、世界的な標準サイズよりも小ぶりのケースを採用しているほどです。
コンパクトサイズの時計は細身の人に馴染むのはもちろん、フォーマルスタイルにも馴染みます。スーツにコンパクトなサイズの時計を合わせると、スタイリッシュな印象にもなるでしょう。また、プライベートでも合わせやすく、カジュアルな服装にも合わせることができます。
特徴その3:サブとしても購入しやすい価格
高級腕時計を手に入れるなら、価格も重要なポイントです。ポートフィノは無駄を省いたデザインを重視しているため、購入しやすい価格になっています。価格のみをみるとエントリーモデルのような印象を受けますが、高いデザイン性・機能性はほかの高級腕時計と遜色ありません。
シンプルで知的な美しさと、IWCが誇る高い品質が特徴のポートフィノはサブとして購入する人もいます。一般的な高級腕時計を何台も持てる人はなかなかいませんが、ポートフィノの価格帯であればそれほど難しくはないかもしれません。
特徴その4:90年代の筆記体ロゴを求める人も
ポートフィノのなかでも90年代に採用されていた筆記体ロゴを好むコレクターが少なくありません。文字盤のIWCという表記の下に記されているロゴは、1990年代まで筆記体で「IWC International Watch Co. Schaffhausen」書かれていましたが、2000年以降になると明朝体で記された「IWC SCHAFFHAUSEN」というロゴに変更されました。
明朝体のロゴもすっきりした印象ですが、筆記体のロゴは時計全体がエレガントな印象になります。よりクラシカルなデザインを好むコレクターは、2000年以前のロゴに魅力を感じて筆記体ロゴを求めるのです。
ポートフィノのおすすめモデル5選
ポートフィノの魅力や特徴が分かったところで、おすすめモデル5選を紹介します。
ポートフィノ 18K IW356504
1つ目のモデルはポートフィノ「IW356504」です。
主張しない日付表示が付いたシンプルな文字盤が特徴です。12時と6時の位置に配置されたローマ数字が視認性とともにデザイン性を高めています。エレガントな輝きを放つ18Kレッドゴールドケースは日本人の肌に馴染みやすい色合いで、ダークブラウンのアリゲーター・ストラップが上品さを醸し出しています。
ポートフィノ クロノグラフ ブレス仕様 IW391009
2つ目のモデルはポートフィノ クロノグラフ「IW391009」です。
スポーティーなクロノグラフがクラシカルでエレガントな雰囲気に仕上がるのも、ポートフィノならではといえるでしょう。
クールなステンレススティール素材でありながら、どこかあたたかみのある文字盤が印象的です。高密度に織り上げられたブレスレットは腕に馴染みやすく、程よい存在感を漂わせつつスタイルの邪魔をしません。
ポートフィノ 革ベルト仕様 IW356501
3つ目のモデルはポートフィノ「IW356501」です。
12時の上にある60表記の赤がポイントのオートマティック。この数字が赤く表記されているのは、懐中時計の名残です。限りなく無駄を省くポートフィノらしいシンプルなデザインになっています。
ケースはステンレススティール、ストラップはブラックのアリゲーター・ストラップで上品な印象です。フォーマルシーンでも違和感のない雰囲気は、ビジネスシーンでも活躍してくれるでしょう。
ポートフィノ クロノグラフ “150 イヤーズ” IW391023
4つ目のモデルはポートフィノ クロノグラフ「IW39123」です。
IWCの創設150周年を記念したアニバーサリーモデルとして、限定で2,000本作られました。
深いブルーの文字盤とステンレススティールの組み合わせが知的な雰囲気を醸し出しています。そこにブラックのアリゲーター・ストラップをプラスすることで力強く紳士的な印象になります。
限定というだけでも希少価値が付きますが、IW391023はたとえ限定でなくても手に入れたくなるほどの優れたデザインです。
(※現在は生産されていません。)
ポートフィノ 18K IW356511
5つ目のモデルはポートフィノ「IW356511」です。
濃いグレーの文字盤に18Kレッドゴールドケース、ブラウンのストラップという組み合わせです。丸みのあるフォルムでシンプルながら、どこから見ても優雅で繊細、そして完ぺきな美しさを持っています。
着用する人の魅力をさらに高める高級時計で、ビジネスシーンにピッタリといえるでしょう。
(※現在は生産されていません。)
ポートフィノはぶれないシンプルさが魅力
ポートフィノのコレクションはどれも、無駄を省いたシンプルで洗練されたデザインが魅力です。
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