COLUMNコラム
「アクアタイマー」IWCのダイバーズウォッチを徹底解説
2021年4月現在、IWCといえばトップガンシリーズやクラシックシリーズなどのパイロットウォッチが有名です。しかし実は、IWCは「アクアタイマー」というダイバーズウォッチも発表しています。
ダイバーズウォッチはロレックスやオメガといった有名ブランドからも数多く発売されているものの、IWCのダイバーズウォッチも引けをとりません。
IWCならではの個性と魅力でIWCファンをはじめ、時計コレクターから支持されています。
この記事ではIWC唯一のダイバーズウォッチ、アクアタイマーについて紹介していきます。
ダイバーズウォッチとは?
ダイバーズウォッチは、時計を装着したまま潜水作業を行えるスペックの時計のことです。多くのダイバーズウォッチは一般的な時計よりも防水性が高く、逆回転防止ベゼルが搭載されています。
ダイバーズウォッチは、何といっても潜水の際に必要な高い防水性が特徴です。
防水機能をもつ時計のすべてが潜水作業に向いているわけではありません。日本工業規格(JIS)と国際標準化機構(ISO)規格に基づいた防水区分は30m~1000mまでいくつかに分けられ、そのなかでも潜水用防水が備わっているのは100m防水仕様からとなっています。
一般的な時計に備わっている防水機能は、汗や手洗い、弱い雨程度には耐えられる日常生活防水ですが、本格的なダイバーズウォッチには500m防水以上のタイプも多くあります。
また、逆回転防止ベゼルが搭載されていることも大切なポイントです。ダイバーは潜水する際、ベゼルを分針に合わせて潜水経過時間を確認するため誤作動が発生すると大事故を招きます。
そこで逆回転してしまうなどのトラブルが生じない設計になっているのが逆回転防止ベゼルです。
ダイバーズウォッチにはほかにも、ウェットスーツの上からでも簡単に着用できるベルトや、飽和潜水をしても時計が破損しないヘリウム排出バルブなどが搭載されているものがあります。
IWCのアクアタイマーの歴史
スイスの高級腕時計ブランド「IWC」が、初めてダイバーズウォッチを発表したのは1967年のことです。当時はアメリカを中心にマリンスポーツがブームになっており、多くの時計メーカーがダイバーズウォッチの開発に取り組んでいました。
IWC初となる初代アクアタイマーの特徴は、時計の風防内側にベゼルをおさめた回転式インナーベゼルです。回転式インナーベゼルは一般的な逆回転防止ベゼルとは異なり、リュウズで操作する仕組みです。
初代アクアタイマーは200m防水仕様でしたが、翌1968年には防水機能を300m防水にアップさせた第2世代を発表します。
1982年になるとドイツ連邦海軍(BUND)向けにポルシェがデザインをした第3世代モデル「オーシャン2000」が発表されました。第3世代が発表されるまではそれほど人気が高くなかったアクアタイマーですが、オーシャン2000の発売を機に多くの注目を集めます。
1998年には防水機能を2000mまで高めた第4世代モデル「GST アクアタイマー」を発表。インナーベゼルはアウターベゼルへと変化しました。
1999年に機械式水深計、2004年にはスプリット分針を開発し、2009年は第5世代モデルを発表しています。第5世代モデルはベゼルに傷が付くのを防ぐため、サファイヤクリスタルリングが採用されました。
そして2014年、インナーベゼルをアウターベゼルで操作する現行の第6世代が誕生します。抜群の操作性を誇る仕様は長い歴史のなかで、よりよいものを求めて開発し続けた結果です。
アクアタイマーの特徴
高い性能と使いやすさを追求し続けるアクアタイマーには、どのような特徴があるのでしょうか。アクアタイマーならではの魅力を探ってみましょう。
スタイリッシュかつ男性的なデザイン
アクアタイマーはスタイリッシュかつ男性的なデザインが特徴です。歴代のモデルを並べてみると、どれも男性的なフォルムで力強さを感じます。力強いとはいっても、ただ単にゴツゴツした印象ではありません。
丸みのあるカットをされたアウターベゼルや、美しい文字盤には繊細さを感じます。また、3針タイプのモデルはもちろん、クロノグラフが搭載されているモデルの文字盤もバランスがよく全体的にスタイリッシュです。
なお、現行モデルのケースサイズは42mm・44mm・46mm・49mmの4種類、腕の細い人が着用しても馴染むでしょう。
また、IWCが特許を取得した「ブレスレットクイック交換システム」にも注目です。工具を使わずにブレスレットの付け替えができるシステムで、ステンレススティールをラバーに変えるなど変化を楽しめます。気分やシーンに合わせて変えられるのは嬉しいポイントです。
新開発のセーフダイブ・システム
アウターベゼルとインナーベゼルが備わった「セーフダイブ・システム」はアクアタイマーならではです。
一般的なダイバーズウォッチの回転ベゼルにはアウターベゼルとインナーベゼルがあります。アウターベゼルのメリットは1分単位で正確に時間設定ができることですが、むき出しなので傷付きやすいのがデメリットです。
インナーベゼルは風防に守られていて傷付きにくいものの、リュウズで調整するため操作しにくいデメリットがあります。セーフダイブ・システムは両方のメリットを組み合わせました。
目盛りは風防に守られたインナーベゼルに刻まれ、操作はアウターベゼルで行います。ただし、インナーベゼルが連動して動くのはアウターベゼルを半時計周りに動かしたときだけです。そのため誤ってアウターベゼルを時計回りに動かしても、酸素ボンベの限界時間を超過することはありません。
視認性の高さ
アクアタイマーはシンプルゆえ見やすいバーインデックスと、夜光塗料によって視認性が高いことも特徴です。
アクアタイマーが採用している夜光塗料スーパールミノヴァは、従来の自発光塗料とは異なり外部の光を吸収して光ります。輝度が高く残光時間も長いため、一定時間潜水していても視認性が持続できる塗料です。
色を変えられる塗料で、アクアタイマーでは水色と黄緑色の2色を使い分けています。
夜光塗料が塗布されているのは、針やインデックス、インナーベゼルなど潜水時に必要な項目すべてです。さらに、長針と短針はもちろん、インナーベゼルとインデックスの色を変えています。ダイビングしなくとも、夜光塗料は日常生活でも暗い時間帯や場所で役立ちます。
アクアタイマーのおすすめモデル5選
アクアタイマーは基本的にどれもスタイリッシュで男性的なデザインですが、モデルごとに特徴が異なります。ここからはアクアタイマーのおすすめモデル5選を紹介します。
アクアタイマー・クロノグラフ(Ref.IW376804)
1967年に発表された初代アクアタイマーの面影を残しつつ、現代風のテイストを取り入れたモデルです。
ブラックの文字盤にシルバーの針とインデックスで視認性が高く、3つのサブダイヤルも文字盤に馴染んでいます。サブダイヤルが増えるほど文字盤は窮屈な印象になりがちですが、バーインデックスなのですっきりした印象です。クロノグラフは単独タイムや最長12時間の総合タイムを計測できます。
300m防水とセーフダイブ・システム搭載で実用性も高いのが特徴です。パワーリザーブが約44時間の自動巻き79320キャリバームーブメントを採用しています。シックな色合いはビジネスシーンにもぴったりです。
アクアタイマー・オートマティック(Ref.IW329001)
初代アクアタイマーの外観を再現しながら、高い防水性とセーフダイブ・システムを搭載したモデルです。ポルシェがデザインしたオーシャン2000にインスパイアされ、アウターベゼルはスリムになっています。直径が42㎜とアクアタイマーシリーズのなかでは一番コンパクトなモデルで、スタイリッシュな印象です。
スポーティーなラバーストラップは、ブレスレットクイック交換システムでステンレススティールに変えれば雰囲気が一変するので、プライベートでもビジネスでも活躍してくれるでしょう。グリーンの夜光塗料がブラックの文字盤に映え、視認性も抜群です。
アクアタイマー・クロノグラフ “ガラパゴス・アイランド”(Ref.IW379502)
イギリスの自然科学者ダーウィンの著書から名付けられたモデルです。2009年にIWCとチャールズ・ダーウィン財団がパートナーシップを締結したことから誕生しました。
ステンレススティールのケースをラバーコーティングした特別な仕様は独特な質感があります。ラバー素材なので触り心地もよく、快適に着用できるでしょう。ラバーストラップはカジュアルなイメージですが、ブレスレットクイック交換システムを備えており、ステンレススティールに変えられます。
アクアタイマー・クロノグラフ “エクスペディション・チャールズ・ダーウィン”(Ref.IW379503 )
ダーウィンの調査船「HMS ビーグル号」に敬意を捧げてデザインされたモデルです。ケース・針・インデックスには当時の船に使用されていたブロンズを採用しています。ブロンズは時と共に趣のある風合いに変化するので、時計を使い続けるうちにほかの素材では出ない個性が出てくるでしょう。
プッシュボタンにはラバーコーティングを施したスタイリッシュなデザインもアクアタイマーならではです。ブレスレットクイック交換システムを利用すれば違った顔も楽しめます。ムーブメントはIWC自社製の89365キャリバーを使用し、パワーリザーブは安心の68時間となっています。
アクアタイマー オートマティック 2000(Ref.IW353803)
生産が終了したいまでも注目され続けるオートマティック2000は、チタン製のブレスレットをいち早く採用していたIWCらしいモデルです。シンプルで視認性の高い文字盤にイエローの長針とインデックスがアクセントになっています。
現行モデルでは採用されていないインナーベゼルが好みの方は要チェックです。
特徴はデザインだけではありません。2000m防水というプロダイバーズの名に恥じない防水機能も搭載しています。中古市場にもなかなか出回らない貴重な1本です。
独特な人気を誇るアクアタイマー
1967年に初代が誕生したアクアタイマーは、どれもスタイリッシュで男性的なデザインが魅力です。それぞれのモデルに想いが込められ、個性があります。
現行モデルだけでなく貴重な旧モデルの人気も健在なので、中古品でも高値買取が期待できます。とはいえ大切な時計を手放すのであれば、少しでも高価買取をしてほしいものです。
ブランド買取専門店ロデオドライブでは、現行モデル・旧モデル問わず人気を集めるアクアタイマーの高価買取を実施しています。
ロデオドライブは国内最大級の業者間オークションを行っているほか、国内店舗や海外へのセールスルートをもっていることで幅広く高価買取が可能です。
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