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金の重さの計算方法とは?比重や純度の調べ方まで徹底解説!
2023年12月現在、金相場は過去最高レベルに値上がりしています。そのため、売却に向けて保有している金の重さを知りたいという人も多いでしょう。金には純金や18金などがあり、それぞれに含まれている金の分量も違います。
この記事では、金の重さの計算方法を解説します。あわせて金の比重や純度の調べ方も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
金1オンスは何グラム?
金や貴金属の重さを表す際に使われる単位として「トロイオンス」があります。トロイオンスは「oz」や「toz」などの記号で表されること多くあります。
1トロイオンスは約31.1035グラムで、金や貴金属の国際標準取引価格は「米ドル/1トロイオンス」で表記されるのが一般的です。日本国内の場合には、「日本円/1グラム」で表記されるケースが多いでしょう。
貴金属の重さを表す単位、トロイオンス
では、このトロイオンスという馴染みのない単位は、いったいどういうものなのでしょうか。トロイオンスとは、フランスのシャンパーニュ地方に位置する、かつて商業都市として栄えた都市トロワから来ています。
シャンパーニュ地方はマース川、モーゼル川、セーヌ川に囲まれた交通の要衝で、ヨーロッパ全域から多くの商人が集まり、シャンパーニュ大市が開催されていました。この市場がよく開催されていのがトロワだったというわけです。
ここで公平な取引が行われるよう設けられた基準がそのまま今日のトロイオンスとして使用されています。
トロイオンスは金だけではなく、貴金属全般の重さを示す単位として使われており、金衡オンスと呼ばれるケースもあります。また、宝石などの重さもトロイオンスで示されることもあるようです。
ただし、単に「1オンス」と表記する場合には、常用オンス・液量オンスを示すケースもあるため注意しましょう。常用オンスは1オンス=約28.3495グラム、液量オンスは1オンス=約29.6mlと重さも異なります。
金の重さとは?
一口に金といっても、その純度はさまざまです。日本によく流通しているものは以下のようなものがあります。
- 純金
- 18金
- 14金
- 10金
それぞれに含まれている金の量が異なるため、同じ大きさであっても含まれている金の量は異なります。ここでは、それぞれの種類について詳しく解説します。
純金(24金)の重さ
純金とは金の純度が99.9%以上のものを指します。日本では金の最高品質を示す表現であり、「K24」という刻印が刻まれていれば24金であるということが分かります。
Kとはカラットのことで、その後に数字をつなげることで金の純度を表しています。金の純度を見た目のみで判断するのは困難ですが、刻印があれば正確な純度を把握できるでしょう。
純金は高い品質である一方、非常にやわらかく傷つきやすいという性質があります。ですから、アクセサリーや腕時計などの日常生活で使用するものには不向きです。そのため、純金は投資用としてインゴットやコインなどに加工されるケースが多いでしょう。
純金の比重は19.32(g/㎤)と、他の純度の金に比べてもっとも高くなっています。
18金の重さ
18金とは金の純度が75%のものです。たとえば、100グラムの18金の場合には金の含有量は75グラムで、残りの25%には銀や銅などの割金を呼ばれる金属ということになります。
このように、金に他の金属を割金として混ぜたものを合金と呼びます。18金にはK18という刻印が刻まれていますが、本物の18金でも刻印がないものもあるため注意しましょう。
18金はアクセサリーや腕時計などのジュエリーに良く用いられます。純金は傷つきやすくやわらかいという特徴がありますが、割金を混ぜることで純金よりも強度高くなります。金としての品質や美しさと加工のしやすさを両立しており、製品としての強度も高まるためジュエリーの素材として人気が高いようです。
18金の比重は14.84〜16.12(g/㎤)となっています。
14金の重さ
14金とは、金の純度が58.5%のものを指します。中には刻印のないものもありますが、一般的には14金の場合K14という刻印がなされます。
14金は割金の割合が41.5%と多くなっているので、金の中でも比較的リーズナブルに購入できます。また、強度が高く耐久性にも優れているため、ジュエリーやアクセサリーだけでなく、万年筆といった日常的に使う文房具類に加工されるケースも多いようです。
ただし、金の割合が低くなるため金特有の美しい輝きや色味は、純金や18金と比較すると劣るでしょう。また、割金が増える分変色や色落ちのリスクも高くなるため注意しましょう。
14金の比重は12.91〜14.44(g/㎤)です。
10金の重さ
10金は金の純度が42%のものです。14金よりもさらに金の含有量は減り、割金の割合の方が金よりも多くなります。10金は一般的にK10という刻印がされています。
10金は加工がしやすくリーズナブルな価格です。そのため、手ごろな価格で金製品を手に入れたいという人に人気があります。ただし、金の割合は少なくなるため、金特有の輝きが弱く、変色やサビなどのトラブルも起こりやすくなります。また、混合物の割合が高いため金属アレルギーのリスクも高くなります。
金属アレルギーがある場合には、アレルギーリスクが低い18金以上を選ぶとよいでしょう。
10金の比重は11.42~13.09(g/㎤)で、今回紹介した4つの中ではもっとも比重が小さくなります。
【参考】金よりプラチナの方が重い?/h3>
ジュエリーや腕時計などにも良く使われるプラチナは、金と並んで人気の高い貴金属です。金とプラチナでは、どちらの方が重いのでしょうか。結論からいえば、純度にもよりますが一般的にプラチナの方が金よりも重いです。プラチナの比重値は以下のようになっています。
プラチナの純度 | 比重値(g/㎤) |
Pt1000(純度99.9%以上) | 21.24~21.66 |
Pt950(純度95%) | 19.84~20.85 |
Pt900(純度90%) | 18.61~20.08 |
Pt850(純度85%) | 17.53~19.38 |
Pt800(純度80%) | 16.56~18.72 |
Pt750(純度75%) | 15.70~18.10 |
このように同じ純度99.9%以上の場合、プラチナの比重は約21.4グラムでしたが金の比重は約19.3グラムとプラチナの方が重いことが分かります。
【参考】鉄の比重とは?/h3>
耐久性が高く加工がしやすいという特徴から、さまざまな用途に使われているのが鉄です。我々の生活に身近な鉄ですが、比重は7.87グラムと金やプラチナと比較すると軽いことが分かります。他の金属の比重と比較してみましょう。
比重値(g/㎤) | |
プラチナ(Pt1000) | 21.24~21.66 |
24金 | 19.13~19.51 |
ロジウム | 12.44 |
銀 | 10.53 |
銅 | 8.93 |
鉄 | 7.87 |
亜鉛 | 7.13 |
チタン | 4.5 |
このようにもっとも重いのがプラチナ、次いで金となっています。工業用途としてもよく使われている銅や鉄などは比較的比重が小さく、軽い金属であることが分かります。
金の重さの計算方法
金の重さは、実際に計量しなくても計算で割り出せます。純金の重さを割り出す計算式は以下のとおりです。
- 体積(㎤)×19.3g(金の比重、純金の場合)
このように簡単な計算式で金の重さが求められます。体積は縦×横×高さ(cm)で求められるため、金の大きさを測って体積を計算してみましょう。
たとえば、縦10cm・横10cm・高さ5cmのゴールドバーがあったとします。この場合、体積は10cm×10cm×5cm=500㎠です。この体積を上の式に当てはめると、500×19.3となり、金の重さは9,560グラム=9.56kgとなります。
このように、体積が分かれば実際に計量しなくても金の重さを簡単に割り出せます。また、金の比重の部分を上で紹介した18金や14金の比重に変えれば、純金以外の金の重さを計算することも可能です。金の重さを知りたい場合には、試してみてください。
金の比重の測り方とは?
ここからは金の比重の測り方について詳しく解説します。金を所有しているが刻印がなくて純度が分からないというケースもあるでしょう。比重が分かれば、刻印などがなく純度が判明していない場合でも、純度が分かることがあります。金の比重を測る方法としては、大きく分けて3つの方法があります。
- 比重計を利用する
- 水を使う
次項からはそれぞれの方法について見ていきましょう。
比重計を利用する
まずは比重計を利用する方法です。比重計とは金やプラチナといった貴金属の比重値を測るための機材です。金の買い取りなどの際にも実際に比重計が使われているケースもあり、 貴金属の品位を判別する際の参考にされているようです。
比重計の使い方は非常に簡単で、比重計の内側の線まで水を入れた後に調べたい金属を水の中に入れ、ボタンを押すだけで比重値が表示されます。計測した比重値と比重値表を照らし合わせれば、金属の純度を判別できるという仕組みです。
比重計は、基本的に金や貴金属の買取店ならほぼ置いてあります。自分で比重計を購入することもできますが、金の比重値や純度を知りたい場合には買取店に相談してみるとよいでしょう。
水を使う
自分で簡単に金の比重を測りたい場合には、水を使う方法もあります。水を使って比重を測る方法は紀元前から使われている古典的な手法です。
水を使って金の比重を測る際には、キッチンスケールを用意しましょう。高性能なキッチンスケールを用意した方が、正確な比重を把握できます。水を使う方法は以下のとおりです。
- キッチンスケールで金製品の重さ(A)を量る
- 水の入った容器をキッチンスケールに置き、表示を0に戻す
- 金製品を水の中に沈めて数値(B)をメモする
- B÷Aで比重を求める
計算で求められた数値が、19.13~19.51の間であれば24金の可能性が高くなります。金の種類ごとの比重値を参考にしながら、金の純度を判別しましょう。
ただしこの方法は、水に沈められないものや宝石がついているものには使えません。また、水に金を沈める際には底面や側面に触れないようにする必要があります。
金の重さを計ってみよう
金には純金や18金などの種類があり、それぞれ比重が異なります。金の純度が高い方が比重は高くなるため、刻印がなく純度が分からないという場合には比重を測ってみるとよいでしょう。また、比重を知ることで、金の重さも簡単に計算できるようになります。
ロデオドライブでは、金やプラチナなどの貴金属の買い取りを行っています。金やプラチナに精通したバイヤーが査定をいたしますので、金の買い取りをお考えならぜひ一度ご相談ください。
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